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ゴゴゴゴゴゴッ

欲深き人間よ

悪魔召喚の儀式により
我を呼び出したのは
お前だな?

さん太

あ、悪魔···

さん太

すごい···
本当に出てきた···!

我が名は『デーもん』

デーもん

お前の
寿命や記憶と引き換えに
どんな願い事でも
叶えてやる

さん太

本当にどんな願いでも
叶えてくれるの?

デーもん

あぁ、勿論だ

デーもん

その分の代償は頂くがな

デーもん

フハハハハッ!

デーもん

さぁ、
願い事を言ってみろ

さん太

···仕返しがしたいんだ

デーもん

仕返し?

さん太

うん···

イヤミ沢

ねぇ、ビッグ!
新しいゲームを
買ってもらったんだ、
家で一緒にやろうよ!

ビッグ

お、良いな!

ビッグ

おい、さん太!
お前も一緒にどうだ?

さん太

え、良いの!?

さん太

じゃあ僕も一緒に
ゲームするよ!

イヤミ沢

悪いな、さん太

イヤミ沢

実はあのゲームは
2人用なんだよ

さん太

え···

ビッグ

おっと、そうだった!
残念だったな、さん太

イヤミ沢

ゲームがしたければ
さん太も買ってもらえよ

さん太

そ、そんなぁ···

イヤミ沢

行こう、ビッグ!

ビッグ

そうだな、イヤミ沢!

アッハッハッハッハ

さん太

初めから
僕を誘うつもりなんて
無かったんだ···

さん太

くそぉっ···!
ビッグとイヤミ沢め···!

デーもん

···なるほどな

さん太

僕はビッグとイヤミ沢が
許せないんだ!

さん太

だからお願い、
あの2人に
仕返しをしてくれ!

デーもん

仕返しか···

デーもん

お前の寿命
10年と引き換えに
願いを叶えてやろう

デーもん

どうだ?

さん太

構わない!

デーもん

良いだろう

デーもん

どんな仕返しをしたいか
言ってみろ

さん太

先生に言いつけてほしい

デーもん

先生に?

さん太

うん

さん太

僕があの2人に
いじめられてる事を
先生に言いつけてくれ!

デーもん

なるほど···

デーもん

···え?

さん太

さぁ、悪魔よ···!

デーもん

待て待て待て

デーもん

落ち着け、
もっとよく考えろ

デーもん

寿命10年貰うんだぞ?

さん太

構わない!

さん太

ビッグとイヤミ沢が
先生に怒られるなら···

デーもん

ほんとに良いのか?

さん太

あぁ、頼む!

デーもん

そうか···

デーもん

···············

デーもん

やめなよ···

さん太

え?

さん太

何でも叶えてくれるって
言ったじゃないか···!

デーもん

いや、
我は良いんだけど···

デーもん

10年分の寿命を削って、
頼み事がそれ···?

デーもん

先生に言うだけなら
自分で言えば良いだろ

さん太

僕が先生に言った事が
あの2人にバレたら
きっとまた意地悪される

さん太

それが怖いんだ···

デーもん

寿命10年削られる方が
怖くない?

さん太

とにかく!
僕は自分で先生に言う
勇気が出ないんだ!

デーもん

お前わざわざ
召喚の儀式までして
悪魔呼び出したんだよ?

デーもん

その行動力があれば
大丈夫だって

さん太

無理だよ!
寿命持ってって良いから
代わりに言ってよ!

デーもん

基準が分からない

デーもん

何て言うかな···

デーもん

もっと自分の命は
大事にした方が良いよ?

デーもん

お前···悪魔に
こんな事言わせるって
なかなかだぞ?

デーもん

もう···良いよ

デーもん

契約とは関係なしに
今から先生に
伝えてきてあげるから

デーもん

ちょっと待ってて

そう言うと悪魔は 目の前から姿を消した

─20分後─

ゴゴゴゴゴゴッ

デーもん

待たせたな

さん太

どうだった?

デーもん

先生、腰抜かしてたよ

デーもん

「悪魔が急に現れて
いじめの相談された!」

って

デーもん

でも、一応ちゃんと
伝えてきたから

さん太

ありがとう!

デーもん

それでさ···

デーもん

何か他に
願い事は無いの?

さん太

いや、特には···

デーもん

···正直さ

デーもん

人間界に来たからには
契約を持ち帰らないと
上司に怒られるんだよね

さん太

あ、そうなんだ

さん太

だったらさ···

さん太

僕と親友になってよ

デーもん

親友?

さん太

うん···
僕、親友がいないから

デーもん

フハハハハッ!

デーもん

寿命を削ってまで悪魔と
親友になりたいとは···
本当に変わった奴だ

デーもん

良いだろう

さん太

ほんと!?

デーもん

あぁ···では、
契約完了の証として

デーもん

この契約書に
受け取りのサインをくれ

デーもん

この丸印の所···
名字だけで良いから

さん太

あ、はい···

こうして、 一人の少年と悪魔の間に 奇妙な友情が生まれた。

しかし、少年は

さん太

デーも~ん!
大変だ~!

さん太

今日、ビッグが公園で
リコーダーの演奏会を
開催するって!!

デーもん

それは大変だ!
ビッグのリコーダーは
あまりに下手すぎて
聞いてられないからな···

さん太

お願いだよデーもん!

さん太

僕の寿命と引き換えに
リコーダー演奏会を
中止にしてよ!

デーもん

身を削り過ぎじゃない?

悪魔と過ごす賑やかな毎日が

さん太

うわぁ~ん、
デーも~ん!!

さん太

またテストで
0点取っちゃったよ~!

デーもん

また0点!?

デーもん

え···今回のテストって
○✕問題じゃなかった?

デーもん

そんな中で0点は
もはや逆に見事だよ!

さん太

どうしよう···
このままじゃママに
怒られちゃうよ···

デーもん

勉強しないんだから
怒られて当然だよ

さん太

お願いだよ、デーもん!

さん太

ママの記憶を
2ヶ月分くらい
ごっそり消してよ!

デーもん

証拠隠滅の方法が
豪快過ぎるんだよ

さん太

お願いだよ~、
寿命10年払うから~!

デーもん

寿命を
何だと思ってるの?

デーもん

『ランチ奢るから』
ぐらいの軽いノリで
差し出すの止めてよ

さん太

10年で足りないなら
15年払うから~!

デーもん

自ら条件を
吊り上げるんじゃないよ

楽しくてたまらなかった

しかし、そんなある日

さん太

え···

さん太

悪魔界に帰る!?

さん太

何で···

デーもん

上司に怒られたんだ···

デーもん

「お前は一体いつまで
人間界で遊んでるんだ」

って···

デーもん

だから悪いが、
契約は無かった事に
させて貰う···

そう言うと悪魔は 手から真っ黒い炎を出し 契約書を消し去ってしまった

デーもん

···とは言え

デーもん

我も何かしらの契約は
持って帰らないと
また怒られるから···

デーもん

代わりに何か
願い事はあるか?

さん太

··············

さん太

···じゃあ

さん太

これからもずっと···
僕の事を
忘れないでいてほしい

デーもん

そんな事で良いのか?

デーもん

相変わらず
リスクとリターンが
釣り合ってない願いだが

デーもん

···分かった

デーもん

では、お前の寿命
10年と引き換えに···

さん太

あ、いや···
寿命じゃなくて

さん太

僕のこれまでの記憶を
持っていってほしい

デーもん

記憶を?

さん太

うん···

さん太

せっかく出来た親友と
お別れするのは
とても辛いから···

さん太

デーもんの存在を
忘れたいんだ···

さん太

そうすれば····
悲しまなくて済むから

デーもん

···············

デーもん

···分かった

デーもん

我はこの先ずっと
お前の事は忘れない

デーもん

ただし──

デーもん

お前の記憶は
奪わない事にする

さん太

え···?

デーもん

我は悪魔、
人を不幸にする存在だ

デーもん

記憶を消さない方が
お前は辛い思いを
しそうだからな

デーもん

···さぁ、契約成立だ!

デーもん

この先も
我の事を忘れられずに
苦しむが良い!

デーもん

フハハハハッ!

そう言うと 高らかに笑い声をあげながら

悪魔『デーもん』は 少年の前から姿を消した

ゴゴゴゴゴゴッ

さん太

·····っ!

さん太

デーもん!?
何で──

デーもん

ごめん、契約書に
受け取りのサイン
貰って良い?

さん太

あぁ、そうだったね

─悪魔界─

あれからどれくらいの時間が 経過しただろう

200年か···300年か··· あるいはそれ以上か···

悪魔からすれば 大した時間では無いが、 寿命が削られてないとは言え あの人間が生きている事は 無いだろう。

しかしそれでも、 我はあの人間の事を一日たりとも 忘れた事が無い。

それは、あの人間と 契約を交わしたからだろうか?

我があの人間の記憶を 消さなかったのは本当に 苦しめる為だったのだろうか?

もしかしたら我は───

デーもん

···ん?

デーもん

人間界で
悪魔召喚の儀式が
行われた様だな

デーもん

では···人間界へ
向かうとするか

ゴゴゴゴゴゴッ

デーもん

欲深き人間よ

デーもん

悪魔召喚の儀式により
我を呼び出したのは
お前だな?

デーもん

我が名は『デーもん』

デーもん

お前の
寿命や記憶と引き換えに
どんな願い事でも
叶えてやる

デーもん

さぁ、
願い事を言ってみろ

好きな子に
振られたんだ···

何回も告白してるのに
全然手応えが無くて···

でもちょいちょい、
思わせ振りな事を
言ったりしてきて···

正直、
彼女が何を考えてるのか
さっぱり分からなくて···

だから僕は···
今の彼女の本音が
知りたいんだ!

デーもん

···なるほどな

デーもん

しかし、
願い事を叶えるとなると
お前の寿命10年と
引き換えになるが···

デーもん

それでもお前は
その人間の本音が
知りたいのか?

あぁ、頼む!

デーもん

そうか···

デーもん

··············

デーもん

やめなよ···

悪魔と人間 ─完─

願い事を聞く奴等

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コメント

9

ユーザー

これが噂の悪魔の契約ですか…面白かったです!

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