ゴゴゴゴゴゴッ
我を呼び出したのは
お前だな?
さん太
さん太
本当に出てきた···!
デーもん
寿命や記憶と引き換えに
どんな願い事でも
叶えてやる
さん太
叶えてくれるの?
デーもん
デーもん
デーもん
デーもん
願い事を言ってみろ
さん太
デーもん
さん太
イヤミ沢
新しいゲームを
買ってもらったんだ、
家で一緒にやろうよ!
ビッグ
ビッグ
お前も一緒にどうだ?
さん太
さん太
ゲームするよ!
イヤミ沢
イヤミ沢
2人用なんだよ
さん太
ビッグ
残念だったな、さん太
イヤミ沢
さん太も買ってもらえよ
さん太
イヤミ沢
ビッグ
アッハッハッハッハ
さん太
僕を誘うつもりなんて
無かったんだ···
さん太
ビッグとイヤミ沢め···!
デーもん
さん太
許せないんだ!
さん太
あの2人に
仕返しをしてくれ!
デーもん
デーもん
10年と引き換えに
願いを叶えてやろう
デーもん
さん太
デーもん
デーもん
言ってみろ
さん太
デーもん
さん太
さん太
いじめられてる事を
先生に言いつけてくれ!
デーもん
デーもん
さん太
デーもん
デーもん
もっとよく考えろ
デーもん
さん太
さん太
先生に怒られるなら···
デーもん
さん太
デーもん
デーもん
デーもん
さん太
さん太
言ったじゃないか···!
デーもん
我は良いんだけど···
デーもん
頼み事がそれ···?
デーもん
自分で言えば良いだろ
さん太
あの2人にバレたら
きっとまた意地悪される
さん太
デーもん
怖くない?
さん太
僕は自分で先生に言う
勇気が出ないんだ!
デーもん
召喚の儀式までして
悪魔呼び出したんだよ?
デーもん
大丈夫だって
さん太
寿命持ってって良いから
代わりに言ってよ!
デーもん
デーもん
デーもん
大事にした方が良いよ?
デーもん
こんな事言わせるって
なかなかだぞ?
デーもん
デーもん
今から先生に
伝えてきてあげるから
デーもん
そう言うと悪魔は 目の前から姿を消した
─20分後─
ゴゴゴゴゴゴッ
デーもん
さん太
デーもん
デーもん
いじめの相談された!」
って
デーもん
伝えてきたから
さん太
デーもん
デーもん
願い事は無いの?
さん太
デーもん
デーもん
契約を持ち帰らないと
上司に怒られるんだよね
さん太
さん太
さん太
デーもん
さん太
僕、親友がいないから
デーもん
デーもん
親友になりたいとは···
本当に変わった奴だ
デーもん
さん太
デーもん
契約完了の証として
デーもん
受け取りのサインをくれ
デーもん
名字だけで良いから
さん太
こうして、 一人の少年と悪魔の間に 奇妙な友情が生まれた。
しかし、少年は
さん太
大変だ~!
さん太
リコーダーの演奏会を
開催するって!!
デーもん
ビッグのリコーダーは
あまりに下手すぎて
聞いてられないからな···
さん太
さん太
リコーダー演奏会を
中止にしてよ!
デーもん
悪魔と過ごす賑やかな毎日が
さん太
デーも~ん!!
さん太
0点取っちゃったよ~!
デーもん
デーもん
○✕問題じゃなかった?
デーもん
もはや逆に見事だよ!
さん太
このままじゃママに
怒られちゃうよ···
デーもん
怒られて当然だよ
さん太
さん太
2ヶ月分くらい
ごっそり消してよ!
デーもん
豪快過ぎるんだよ
さん太
寿命10年払うから~!
デーもん
何だと思ってるの?
デーもん
ぐらいの軽いノリで
差し出すの止めてよ
さん太
15年払うから~!
デーもん
吊り上げるんじゃないよ
楽しくてたまらなかった
しかし、そんなある日
さん太
さん太
さん太
デーもん
デーもん
人間界で遊んでるんだ」
って···
デーもん
契約は無かった事に
させて貰う···
そう言うと悪魔は 手から真っ黒い炎を出し 契約書を消し去ってしまった
デーもん
デーもん
持って帰らないと
また怒られるから···
デーもん
願い事はあるか?
さん太
さん太
さん太
僕の事を
忘れないでいてほしい
デーもん
デーもん
リスクとリターンが
釣り合ってない願いだが
デーもん
デーもん
10年と引き換えに···
さん太
寿命じゃなくて
さん太
持っていってほしい
デーもん
さん太
さん太
お別れするのは
とても辛いから···
さん太
忘れたいんだ···
さん太
悲しまなくて済むから
デーもん
デーもん
デーもん
お前の事は忘れない
デーもん
デーもん
奪わない事にする
さん太
デーもん
人を不幸にする存在だ
デーもん
お前は辛い思いを
しそうだからな
デーもん
デーもん
我の事を忘れられずに
苦しむが良い!
デーもん
そう言うと 高らかに笑い声をあげながら
悪魔『デーもん』は 少年の前から姿を消した
ゴゴゴゴゴゴッ
さん太
さん太
何で──
デーもん
受け取りのサイン
貰って良い?
さん太
─悪魔界─
あれからどれくらいの時間が 経過しただろう
200年か···300年か··· あるいはそれ以上か···
悪魔からすれば 大した時間では無いが、 寿命が削られてないとは言え あの人間が生きている事は 無いだろう。
しかしそれでも、 我はあの人間の事を一日たりとも 忘れた事が無い。
それは、あの人間と 契約を交わしたからだろうか?
我があの人間の記憶を 消さなかったのは本当に 苦しめる為だったのだろうか?
もしかしたら我は───
デーもん
デーもん
悪魔召喚の儀式が
行われた様だな
デーもん
向かうとするか
ゴゴゴゴゴゴッ
デーもん
デーもん
我を呼び出したのは
お前だな?
デーもん
デーもん
寿命や記憶と引き換えに
どんな願い事でも
叶えてやる
デーもん
願い事を言ってみろ
振られたんだ···
全然手応えが無くて···
思わせ振りな事を
言ったりしてきて···
彼女が何を考えてるのか
さっぱり分からなくて···
今の彼女の本音が
知りたいんだ!
デーもん
デーもん
願い事を叶えるとなると
お前の寿命10年と
引き換えになるが···
デーもん
その人間の本音が
知りたいのか?
デーもん
デーもん
デーもん
悪魔と人間 ─完─








