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新年、三が日が過ぎた頃小学校のバレー仲間から、小学校のクラブの練習初めに顔を出さないかという連絡が入った。

もちろん承諾して基君も誘っていいか聞くと、男子もそれなりに集まるそうなので誘ってみたら、OKしてくれた。

◯◯

試験勉強は順調??

月島基

それなりに。

◯◯

なんか、体ゴツくなった??

月島基

来るべき体力テストに備えてトレーニングしてる。

◯◯

なるほど。

監督や小学生達への差し入れを手に体育館へ向かうと皆揃っており、久しぶりの再会を喜び合う。

監督のお手伝いをしたのち、小学生が休憩している間にコートを借りる。

月島基

トス上げてくれ。

男子チームで当時セッターをしていた子に声をかけた。

◯◯

(久しぶりに打つんだ…!!)

上げてもらって打つフォームは相変わらず綺麗で、つい見とれる。

月島基

◯◯、拾ってみるか。

◯◯

へ??お、お安いごようよ!!
晩年リベロを舐めてもらっちゃ困る!!

指名されるとは思ってなくて、当時の私のポジション、ライトバックで構える。

レフトから強烈なスパイクが放たれた。

◯◯

っしゃー!!

滑り込んで拾ったボールはセッター位置に落ちた。

月島基

あー。こうも綺麗に拾われると敵わんな…。

彼は悔しそうに頭を掻いた。

◯◯

いやでも、小学校の時よりパワーが段違いで…。

私はまだ赤く痛む腕をさする。

あれから皆最後まで練習につきあって、その帰り道。

月島基

大学受かって良かったな。

◯◯

うん。

月島基

大学でバレーしないのか??

◯◯

うん、もうしない。バレーよりバイトして親孝行したり推し活したい。

月島基

そっか…。ボール追いかけてる◯◯好きだったんだけどな…。

◯◯

それをいうなら、スパイク打つフォーム、基君がダントツで綺麗だから好きだったよ…。

月島基

身長がもっと伸びてりゃ、プロ目指しても良かったけどな…。◯◯だってその気になれば目指せたろ。

◯◯

1回は普通の女の子みたいにお洒落して遊びに出かけたいかな…。

月島基

俺から見たら◯◯は普通の女の子だ…。

◯◯

こ、こんな短髪で無駄に声がデカい変態ヲタクのどこが普通の女の子なの…!?

お互い歩みを止め向かいあうが、恥ずかしくて目線は合わない。

月島基

俺、◯◯のこと好きだよ。

◯◯

私も好きだよ、基君のこと。卒業したら告白しようと思ってたのに、自衛隊に入るなんて。もっと早く伝えてたら良かった。

月島基

卒業するまではできるだけ一緒にいよう。寄り道したり、休みの日は出かけたりして。

◯◯

そんなことして大丈夫なの??

月島基

大丈夫だ。絶対試験に合格してみせる。

自信に満ちた表情で差し出す手を握取り、暗くなりかけた帰り道を急いだ。

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