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2 - 瀧弥くん

♥

82

2019年11月24日

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瀧弥

名前、言ってないよね。俺は、海驢瀧弥。瀧弥って呼んでね

夢叶愛

...瀧弥さん、変わってるね

瀧弥

あはは、よく言われるよ。瀧弥くんって言ってくれると嬉しいな

夢叶愛

...なんで?

瀧弥

俺...施設で過ごしてるから友達とか家族とかいなくて。なんか...友達みたいじゃない?名前で呼び合うって。

夢叶愛

まぁいいや。瀧弥くん。これでいい?

瀧弥

うん!ありがとう。

夢叶愛

でも、私、あんまり公園来ないし、名前で呼び合うったって今日限りになると思うけど。

瀧弥

...じゃあ...来てよ。

夢叶愛

...え?

瀧弥

俺、毎回同じくらいの時間にここにいるから夢叶愛ちゃんも来てよ

夢叶愛

はぁ?

瀧弥

お願いだよ。俺...ほんとに人との関わりなくて、寂しいんだ

夢叶愛

...

めんどくさいな

でも...

なんか

この人とは分かり合えるかもしれない

何となくそんな気がした

夢叶愛

まぁいいけど。そんなに忙しくないしね。けど、私つまんないわよ。

瀧弥

ごめん。それはごめん。夢叶愛ちゃんはつまらないよね...

夢叶愛

いや、私自体がつまらないやつだよってことよ

瀧弥

えぇ?!そんなことないよ。夢叶愛ちゃん、面白いよ

夢叶愛

嘘だ。私は友達1人もいない捻くれ者だし、話はつまんないし、目つきは悪いし...ほんとにつまんないやつなんだよ?それでもいいの?

瀧弥

そうじゃないと思うけど...もし夢叶愛ちゃんがそうだったとして、俺だって同じようなもんだよ。

夢叶愛

...まぁいいや。なるべく毎日来るようにするわ。

瀧弥

いいの?!本当にありがとう!!

変わってる

でも私のことこんなにすんなり受け入れてくれる人めっちゃ珍しいし、悪い人じゃないのかも...。

この人は

私の知っている人間とは違うのかもしれない

夢叶愛

ただいま...。

お母さん

なんだよお前。遅いじゃねぇかよ

夢叶愛

別にいいじゃん。私これから遅くなる

お母さん

お前、夜遊びとかしてるんじゃねぇよな

夢叶愛

まだ明るいし、夜遊びじゃないでしょ

お母さん

...お金はあげねぇからな!!

そう言うとお母さんは私を殴ってきた

こんな身勝手な理由で怒られるのは当たり前

お父さん

おい、聞いてんのかお前!!

お母さん

はぁ、聞いてるわよ!それに、あんたが勝手に語ってるだけでしょ!!

お父さん

なんだとてめぇ!!

これも、いつも通り

そして私はすぐ部屋に逃げ込むのもいつも通り

夢叶愛

...

みんなはなんで親を通報しないんだって思うかもしれない

でも、私は通報する意味が分からない

死んだら死んだで別にいいし、育ててくれてる親を通報したら、あの子と同じように施設で過ごすことになる

だから通報なんてしない

何があってもしない

警察になんて会いたくもない

夢叶愛

...あ

瀧弥くんに電話番号を教えたから電話がきた

夢叶愛

もしもし

瀧弥

よかった。出てくれたんだね!!

夢叶愛

電話番号教えといて無視とかその方が意味わかんないわよ

瀧弥

それもそうか笑

なんか人と電話することなんて滅多にないからなんか新鮮な気持ちになる

夢叶愛

で?なんか用?

瀧弥

話したかったから電話をかけたんだよ

夢叶愛

はぁ?用がある訳じゃないの?

瀧弥

うん。友達と話したいのは当然だろう?

夢叶愛

わかんないわよ、私友達いないんだし

瀧弥

俺、友達だろ?

夢叶愛

は?さっきから何よくわかんないこと行ってんのよ

瀧弥

俺と夢叶愛ちゃんは友達だよ。...ていうか、幼稚園の頃は友達いたろ?

夢叶愛

...いなかったわよ

瀧弥

嘘?!その頃から目つきのせいで?!

夢叶愛

違う。幼稚園の頃は違う。

夢叶愛

私が...今とは正反対の性格で、ウザがられてた。

瀧弥

正反対の性格だったの?!

夢叶愛

そうよ。...そんなに驚く事じゃないでしょ。人はみんな変わるんだから

瀧弥

そ、そうだよね。

夢叶愛

...やっぱり変な人

瀧弥

ん?今なんて言ったの?

夢叶愛

何も言ってないわよ

瀧弥

?まぁいいや。

瀧弥

夢叶愛ちゃん、両親はいるの?

夢叶愛

いる

瀧弥

どんな人なの?

夢叶愛

凄い身勝手な親だよ。

瀧弥

夢叶愛

家に帰れば取っ組み合いしてることもよくあるし、殴られるし蹴られるしお金だってかけて貰えないし。しかも、私が何も悪いことしてなくても勝手な理由で怒ってくる人だよ

瀧弥

えぇ?!それって虐待...

夢叶愛

知ってる。でも私は施設で過ごしたくないから通報しない

瀧弥

...なんで?なんで君は人を頼らないの?

夢叶愛

じゃあ逆に聞くけど、なんでそんなに簡単に人を信じて頼れるの?

瀧弥

それは...信じなきゃ何も変わらないからだよ

夢叶愛

何それ。

瀧弥

信じなければ俺は生きて行けないし、生活できる場所もない

瀧弥

それに...人はそんなに信用出来ない生き物じゃないよ

夢叶愛

...瀧弥くんはそうかもね。けど私は生活できる環境があるから人間を信じなくてもやって行ける

夢叶愛

だから

夢叶愛

私は人を頼らないし信じないの

瀧弥

そうか...。でも、頼れる時は俺の事も頼ってね

夢叶愛

...

瀧弥

なんて...俺は頼りないよなぁ...。

瀧弥

夢叶愛ちゃんは人を信じられない環境にいるのかもしれないね。

夢叶愛

...

なんか...今の傷付いた

なんでだろう。瀧弥くんの言っている通りなのに...。

瀧弥

じゃあ、明日公園で会おうね!!

夢叶愛

...ハイハイ

夢叶愛

もう、なんか私変...

なんでだろうな

瀧弥くんのせいで調子が狂う

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