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和田 留美

……っ!!

羽山 祐樹

おいおっさん、離れろ

羽山 祐樹

そいつに触んな、こっから消えろ

変質者

はあ?

羽山 祐樹

聞こえねぇのか、とっとと消えろっつってんだよ

変質者

ひいぃぃ!!

男は祐樹先輩に 恐れおののき逃げていった。

留美と祐樹先輩は近くの公園の ベンチに座って話していた。

1時間ほどが経ち──

羽山 祐樹

……落ち着いた、かな…

和田 留美

和田 留美

……はっ、はい……

羽山 祐樹

その、無理しないで泣いていいから

和田 留美

…っ

和田 留美

でもなんで、祐樹先輩が……?

羽山 祐樹

実は、ちょっと補習で帰り遅くなってたんだけどさ

羽山 祐樹

その帰り道に留美ちゃん見掛けてさ

羽山 祐樹

変な男に絡まれてたから後を追ってみたら…ってとこ

和田 留美

そ、そうだったんですか

羽山 祐樹

留美ちゃん、……ごめん

和田 留美

……え?

羽山 祐樹

今日の昼のこと

羽山 祐樹

襲って恐がらせてごめん

和田 留美

それは……もう、いいです、私こそ

和田 留美

先輩にビンタしてすみませんでした…まだ、怒ってます……か?

羽山 祐樹

怒ってないよ、自分に呆れてるよ

和田 留美

……えっ

和田 留美

(先輩……なんか昼と全然、雰囲気が違うような……?)

羽山 祐樹

何故かさ、留美ちゃんにビンタされた時

羽山 祐樹

どこか悲しかった

和田 留美

……!

羽山 祐樹

今までの女の子なら「めんどくせぇ」とか思ってた

和田 留美

……っ

羽山 祐樹

…最低な男ってのはわかってる

羽山 祐樹

けど、どうしてか…泣きそうな留美ちゃんを見てたら

羽山 祐樹

胸が苦しくなった、罪悪感をも覚えた。

和田 留美

そんな…気にしてくれてたんですね……

羽山 祐樹

さっきも、留美ちゃんが襲われてるとこ見て

羽山 祐樹

野放しにはできなかった。

和田 留美

……ほんと、チャラいんだから優しいんだか笑

羽山 祐樹

……笑うとこじゃないんだけどー

和田 留美

今だって、私が怖がらないように距離とってくれてますし…

羽山 祐樹

俺は…別に優しくなんか…

和田 留美

先輩は、いつも無理してるように見えますよ

羽山 祐樹

……っ

羽山 祐樹

俺、どうしてか…留美ちゃんだけは傷付けたくない、泣かせたくない

羽山 祐樹

守りたいって思ったんだ…

和田 留美

え、…?

羽山 祐樹

羽山 祐樹

その、好きだから

和田 留美

……は、はい?!

羽山 祐樹

多分、好きなんだと、思う。

和田 留美

た、多分て……

羽山 祐樹

でも俺、こんな気持ちなったの初めてでさ……

羽山 祐樹

今日みたいなことがあったあとじゃ、留美ちゃんにどう接していいかわかんないし…

祐樹先輩はチャラい一面も多いけど 今の言葉は信じれた。 表情も声も真剣そのものだったから

和田 留美

普通に接して欲しい……ですね

羽山 祐樹

羽山 祐樹

……そっか、わかった。

羽山 祐樹

あと、留美ちゃん

和田 留美

なんですか…?

羽山 祐樹

もう彼女役、いらないや

和田 留美

え……もういいんですか?

羽山 祐樹

うん

羽山 祐樹

だって、生まれて初めて

羽山 祐樹

「本気で落としたい人」見つけたし笑

そう笑いながら言う祐樹先輩の笑顔は 前の何十倍も輝いて見えた。

和田 留美

……っ…ま、全くチャラいんだから……

プイっとする留美

羽山 祐樹

ふふ…これから留美ちゃん以外の女子はもう見ずに

羽山 祐樹

留美ちゃんに猛アタックするから

羽山 祐樹

覚悟しといてね

和田 留美

ぎょ、御意……

羽山 祐樹

御意って‪……笑

羽山 祐樹

ほんと留美ちゃん面白すぎ‪

翌日──

和田 留美

なんか、彼女役もう要らなくなったんだって

長野 三玖

えっマジで?早かったな~

和田 留美

あはは…実は──

和田 留美

和田 留美

昨日、告白?…された

長野 三玖

はっ…

長野 三玖

はあぁああ…っ?!!

長野 三玖

留美ってば一体どうやってそこまで……?!

和田 留美

ちょ!声大きいってば…!

和田 留美

なんか、まぁ、色々ありまして…

和田 留美

帰り際に、真剣な表情で「生まれて初めて「絶対に落としたい人」見つけたから」って言われて……

長野 三玖

いやめっちゃプロポーズやんそれ…!!

長野 三玖

それでなんて言ったのよ?留美は

和田 留美

でも、付き合ってって言われたわけじゃないし…それだけ言われて帰ったよ…

長野 三玖

いやもう付き合っちゃいなさい?笑

和田 留美

いやそれは…まだ…さ?

和田 留美

先輩のこと全然知らないし

羽山 祐樹

留美ちゃん…今いい?

和田 留美

あっ、祐樹先輩…!

長野 三玖

あらあら…私はお邪魔のようね♡

長野 三玖

ごゆっくりどーぞ♪

和田 留美

えっいや、三玖…!それ誤解を招く言い方…っ!

長野 三玖

ふふっ…じゃあまた後でね~

羽山 祐樹

ごめんね~ありがと!

長野 三玖

(うっ…!天使…っ!!)

羽山 祐樹

あのさ、今日のお昼……一緒に食べない?

和田 留美

お昼…ですか…?

羽山 祐樹

あ、嫌だったら断ってくれてもいいからね

和田 留美

あっいえ…全然大丈夫です

羽山 祐樹

ほんと…!?

羽山 祐樹

やったー!

和田 留美

(ほんと、子犬みたいで可愛い人だなっ笑)

祐樹様ファンクラブ

祐樹様ファンクラブ

え、なになに?

祐樹様ファンクラブ

最近祐樹様あの子にベタベタしすぎじゃない……?

祐樹先輩と留美が喋っていると ファンクラブの子達がコソコソと言っていた。

祐樹様ファンクラブ

だよね~…!私たちと同じ1年のくせに…っ!!

祐樹様ファンクラブ

しかも昨日…一緒に帰ってたって噂だよ~?

祐樹様ファンクラブ

え?それマジで……?

祐樹様ファンクラブ

は?何それズルくない……?!

留美を睨みつけて言う

祐樹様ファンクラブ

絶対調子乗ってんなあの子~……

祐樹様ファンクラブ

なんか、幼馴染らしいよ??

祐樹様ファンクラブ

はあ?先輩幼馴染ってこと?!ずるすぎでしょ!!

祐樹様ファンクラブ

それにあの子は気に食わないし、見てるだけでムカつくわ

祐樹様ファンクラブ

ちょっと、馬鹿なあの子のために

祐樹様ファンクラブ

優しい私たちが『忠告』してあげなきゃよね~?

昼休み─屋上にて

羽山 祐樹

いただきま~す!

和田 留美

いただきます…!

和田 留美

和田 留美

んー おいしい……!

羽山 祐樹

ほんとに留美ちゃんって美味しそーに食べるよねぇ

和田 留美

え…そっそうですか…?

和田 留美

(なんか恥ずかしいな……笑)

羽山 祐樹

てか、その4角いタッパーはデザート?

和田 留美

あっはい!

羽山 祐樹

フルーツとか?

和田 留美

あ……えっと、その…私

和田 留美

フルーツ苦手なんですよね

羽山 祐樹

えっそうなの?!

和田 留美

引かれるかなぁと思って言ってこなかったんですけど

羽山 祐樹

それだけで引くとかないって笑

和田 留美

あはは、でも女子なのにフルーツ苦手とか、変ですよね……笑

羽山 祐樹

え、好き嫌いに女子は関係なくね?

和田 留美

え……笑わ、ないんですね

羽山 祐樹

笑う要素ないでしょ笑

和田 留美

先輩や三玖だけですよ、そんなこと言ってくれるのは……!笑

羽山 祐樹

笑う方がおかしいって

羽山 祐樹

てか、じゃあ何入れてるの……?

和田 留美

ふふ……!よくぞ聞いてくれました……!!

和田 留美

この中に入れているものは……っ!

和田 留美

和田 留美

手作りプリンです!!

羽山 祐樹

えっやば、凄くね?

羽山 祐樹

えーめっちゃ美味しそう!

羽山 祐樹

食べてみたいなぁ~?

和田 留美

(うっ……そんな眩しい笑顔で見つめられたら断れるわけが無い……)

和田 留美

は、半分だけですよ……?

和田 留美

私も食べたいので……

羽山 祐樹

ありがと~♪

羽山 祐樹

やっば!美味すぎなんだけど…!?

羽山 祐樹

って、留美ちゃん……?

和田 留美

うんうん………んー…

和田 留美

カラメルソースはまあまあ上手くできてるけど…

和田 留美

カスタードの方がなぁ……なんかが足りない……

和田 留美

とろ甘感はあっても、まだプルプル感が出せてないかも……っ

羽山 祐樹

完全に自分の空想ん中入っちゃってるなコレ…

羽山 祐樹

羽山 祐樹

…留美ちゃんほんとプリン大好きだよね‪‪

和田 留美

えっ、あ、……え、そんな分かります…?!

羽山 祐樹

見てればわかるよ‪笑

羽山 祐樹

って、口にプリンのカラメル着いてんじゃん

羽山 祐樹

取ったげる

和田 留美

え……!

和田 留美

ちょっと待っ……!

祐樹先輩はまたキスでもしてくるのかと思いきや、手で取ってくれた。

和田 留美

………っ

羽山 祐樹

そんなビックリした?笑

羽山 祐樹

ごめんごめん、キスなんてしようとしてないから安心して

和田 留美

ほんと、ですよね……?!

羽山 祐樹

それに意外と留美ちゃんガード硬いからね

和田 留美

ガードも口も硬いのです…!

羽山 祐樹

はは…でも、素で話してくれてるよね、いつも。

和田 留美

まあ……こうやって、素で話せるのも幼馴染だからということもあるんでしょうけど……

和田 留美

新たな先輩を知れたからでもあるかもですね…!

羽山 祐樹

(…っ……その笑顔は反則でしょ…)

‎【Sad love】留美ちゃんは祐樹先輩依存症【連載終了】

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