見知らぬ本屋と12冊の呪われた絵本

先ほどの自分と同じように、初手での【ノンオープン】に誘い込んだつもりだった七星。

あえて初手で【３】を回避し、失策したら相手に【３】を取られてしまうという、ある意味愚策を講じたわけだが、まさかそれが本当に愚策になってしまうとは思わなかった。

初手で【ノンオープン】まで誘い込んだまでは良かった。

しかし、そこでまさか、ピンポイントで七星の出したナンバーを当ててくるなんて、まるで予期できていなかった。

オープンされた七星のナンバーは……【１】。

ゲーム開始からしばらく、とうとう追い詰められてしまった七星。

次はなんとしてでもポイントを取らねば負けてしまう。

警戒をしつつも、次のゲームへと移る。

次は十一月二十九日が先攻。

十一月二十九日が絵本を伏せる。

気味の悪い水玉模様が、七星のことを見つめていた。

先ほどのはセオリーという根拠があるからこそ成立した奇襲であって、二度目は多少なりとも警戒される。

ゆえに、七星は【ノンオープン】を温存する。

七星の宣言を受けて、十一月二十九日、絵本をオープン。

浮かび上がった数字は……【２】。

やはり十一月二十九日はセオリーを無視。

七星、絵本を選択。

選んだナンバーは……【３】だった。

絵本を伏せるとセットを宣言する。

あえてセオリーから外した七星の一手。

十一月二十九日は【ノンオープン】を宣言せず。

七星が絵本をオープン。

出したナンバーは【３】であるがゆえに、これで合計値は【５】となる。

次で【２】を通せば、十一月二十九日の勝ち。

セオリーを崩してくる相手には、こちらもセオリーを崩していくしかない。

十一月二十九日がセットするとほぼ同時だった。

ここで七星仕掛ける。

十一月二十九日という男の傾向から考える、彼女なりの答え。

それは――。

すなわち、十一月二十九日の【７】狙い！