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『αの先輩が嫌いです』 – 第8話 – ※〈〉はシンが読み取った心の声です。
冷たい涙が、頬を伝って落ちた
部屋は静かだった
窓は厚いカーテンで閉ざされている 外の光はほとんど入らない
時計の針の音だけが、やけに大きく聞こえた
ここがどこなのか、俺には分からない。 ただひとつ分かるのは──
逃げ場がない、ということだけだった
ベッドの端に腰掛けたまま、シンはうなじに手を当てる
そこにはまだ熱を持った
噛み跡
触れるたび、体の奥がざわついた
後ろから、柔らかい足音が近づく
南雲だった
相変わらず、いつもの軽い笑顔。 まるで何でもない日常みたいに。
南雲はシンの後ろにしゃがみ込み、そっとその手を取った
そして、うなじから手を外させる
南雲の指が、代わりにその傷をなぞった
朝倉 シン
びくっと、シンの体が震える
南雲 与市
南雲は小さく笑った
南雲 与市
耳元で囁く声は、やけに優しい
けれど、その指は離れない
ゆっくり、
何度も、
噛み跡をなぞる
まるでそこに
" 自分の印があることを確かめるみたいに "
シンは歯を食いしばった
朝倉 シン
低く絞り出した声
南雲は少し考えるように首を傾ける
南雲 与市
冗談みたいな声だった
朝倉 シン
金色の髪の隙間から、怒りで潤んだ目が覗く
南雲はそれを見て、ふっと笑った
南雲 与市
言いながら、南雲はゆっくり距離を詰めた
シンの肩に手を置く
そのまま軽く押され、シンはベッドに倒れ込んだ
どさっ
朝倉 シン
逃げようとした腕を、南雲が簡単に押さえる
力の差は歴然だった
南雲は上からシンを見下ろした
相変わらず、笑っている
でもその目だけが、どこか暗かった
南雲 与市
南雲の指が、シンの頬の涙をすくう
南雲 与市
涙を指で拭いながら、南雲は静かに続けた
南雲 与市
指先が、うなじの噛み跡に戻る
南雲 与市
その言葉は、驚くほど穏やかだった
まるで愛の告白みたいに
でもシンの背筋には、冷たいものが走った
その時だった
ドンッ
重たい音が、遠くで響いた
シンの体がびくっと跳ねる
朝倉 シン
南雲の動きも止まった
しばらく沈黙
そして──
ドンッ!!
今度ははっきり、ドアの方からだった
南雲はゆっくり振り向く
その顔には、なぜか楽しそうな笑み
南雲 与市
もう一度
ドンッ!!!
ドアが大きく揺れた
シンの心臓が跳ねる
朝倉 シン
南雲は立ち上がった
余裕そうな足取りで、ドアの方を見る
次の瞬間
バキッ!!
鈍い破壊音とともに、ドアが蹴り破られた
木片が床に散る
埃が舞い上がる
その向こうに立っていたのは──
坂本だった。 静かな目で、部屋の中を見渡す。
坂本 太郎
その声を聞いた瞬間、
俺の胸の奥が一気に緩んだ。
朝倉 シン
助かった。
そう思った瞬間
ぐいっと腕を引かれる
朝倉 シン
俺の体が後ろに引き寄せられた
南雲だった
南雲は俺を自分の方に抱き寄せる
まるで、取られないようにするみたいに
坂本の視線が、ゆっくりシンの首に落ちた
そこに残る、はっきりした噛み跡
空気が一瞬で冷える
坂本は、ゆっくり南雲を見る
坂本 太郎
低い声
坂本 太郎
坂本 太郎
南雲は、いつもの笑顔のまま答えた
南雲 与市
南雲 与市
そして俺の肩を軽く抱いた
南雲 与市
その言葉に、
俺の心臓がまた大きく鳴った
部屋の空気が、ぴりっと張り詰める
坂本 太郎
坂本の目が細くなる
南雲の指が、シンのうなじをもう一度なぞった
わざと見せつけるように
南雲 与市
小さく囁く
南雲 与市
𝐍𝐞𝐱𝐭▶▷▶ ♡2000⤴︎
Bound to You. 「君に縛られてる」
おひさしぶりです。
めっちゃげんきです🥹
コメント
7件
お久しぶり!?のーんさん相変わらず最高ですぅぅ👍💕🥰
元気で良かった!! 今回も最高...
のーんさんが、めっちゃ元気で安心しました!! 坂本さーん!!✨😭 手遅れなのが、結構シンくんにとって、ショック受けそう…ッ! 本当にどうなっちゃうんだろう?? とても気になりますっ! BGMの使い方とても上手で感服いたしました!