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私達は 単なる幼なじみという関係

でも

それじゃ少し足りなかったのかもしれない

だから私は

初めはちょっとした甘酸っぱい好奇心に身を委ね

彼に言葉を放っていた

魅月 ヒカリ

ねぇ 海音

夜空に浮かぶ小さな星達を眺めていた彼が 静かに視線を私に向ける

海音 カイト

なんだよ

魅月 ヒカリ

私さ

魅月 ヒカリ

海音のこと好きかも

何気なく発した言葉だった

ただ単に 彼がどんな反応をするのかが気になっただけだった

海音 カイト

……好きかもってなんだよ

魅月 ヒカリ

私自身にもわかんないから 好きかもなんだよ

海音 カイト

…あっそ

案の定 彼は興味がなさそうな反応をした後に

視線を夜空の星達に戻した

海音 カイト

……でも

彼が顔色一つ変えずに言葉を付け足した

海音 カイト

……俺もお前のこと嫌いじゃねぇよ

魅月 ヒカリ

え?

よくよく見てみれば 彼の顔が少しだけ桃色に染まっていた

魅月 ヒカリ

…ふふっ

魅月 ヒカリ

私達
案外似た者同士かもね

私が軽く笑いながら 彼の肩に手を置くと

彼は「辞めろ」とは言ったものの 無理矢理手を剥がそうとはしなかった

そこから私達の不思議な関係は始まった

魅月 ヒカリ

おっはよ~!海音!

海音 カイト

ん…はよ

魅月 ヒカリ

…朝からテンションひっくいなぁ…

海音 カイト

あ"ぁ?悪かったな?

海音 カイト

でも お前みたいな暇人とは違って こっちは勉強で疲れてんだよ

魅月 ヒカリ

はぁ"?!なにそれ!

学校では 挨拶をしてから 雑談を交えてから

魅月 ヒカリ

ねぇ~…海音~

海音 カイト

あ"?なんだよ

魅月 ヒカリ

こわ…ヤンキーかよ

海音 カイト

巫山戯んな

海音 カイト

というか…なんだよ

魅月 ヒカリ

…勉強教えて

海音 カイト

…お前 本当に馬鹿だよな

魅月 ヒカリ

なっ!?…そ、それは…ひ、否定できない…けどさ

海音 カイト

否定できねぇのかよ

魅月 ヒカリ

…まぁ…事実だし?

喧嘩ばっかりする

でも

魅月 ヒカリ

だーかーら!

魅月 ヒカリ

お花畑じゃなくて!向日葵畑だって!

海音 カイト

はぁっ?!どっちもそんなに変わんねぇだろうが!

魅月 ヒカリ

変わるよ!!!

魅月 ヒカリ

お花畑は、沢山の種類の花が植えられている畑で!

魅月 ヒカリ

向日葵畑は 向日葵しか植えられてないんだよ!?

海音 カイト

はぁ?!だからなんだよ?!

海音 カイト

そんな事知って テストで役にたつのか?

魅月 ヒカリ

…国語では役にたつんじゃない?

海音 カイト

阿呆か

魅月 ヒカリ

なっ!?

でも

海音 カイト

俺 死ぬらしい

魅月 ヒカリ

は?

突然 彼は思い出したかのように呟いた

海音 カイト

医者に…あと1週間ほどで死にますよって言われた

魅月 ヒカリ

…な、なんで?

私は 動揺を隠せずに 思った事をそのまま 口にした

海音 カイト

…心臓病

魅月 ヒカリ

…し、心臓病…って

魅月 ヒカリ

な…何とかなんないの?

魅月 ヒカリ

そ、その…心臓を移植してくれる人…とか

海音 カイト

…お前 本当に馬鹿だな

魅月 ヒカリ

は、はぁ?

海音 カイト

心臓を移植してくれる人がいねぇんだよ

魅月 ヒカリ

[ 海音がいなくなる ]

それだけは 嫌だった

私が独りぼっちになるのが怖いわけじゃなくて

海音がいなくなるのが 嫌だった

ただ それだけだった

魅月 ヒカリ

…海音…丁度 1週間後に誕生日だよね?

海音 カイト

あ?…そうだけど…

魅月 ヒカリ

…海音 誕生日プレゼント 楽しみにしててね

だから 私は 私が海音にあげられるものを 彼の誕生日プレゼントにしようと思った

俺は 人と関わる事が嫌いだった

だから俺は 他人との境界線を引くために

勉強に没頭した

「 人と距離を置くため 」と

口調も荒くした

だけど あの馬鹿だけは_

カーテンの隙間から 微かに入ってくる 橙色の光に照らされながら

あの馬鹿は 俺の視界に入ってきた

魅月 ヒカリ

なぁ~に してんの?

俺は 視線を本に向けたまま 素っ気なく答えた

海音 カイト

見て分かるだろ

魅月 ヒカリ

ん~…つまんな

海音 カイト

は?

幼なじみの 女

月華 魅月 ゲッカ ヒカリ

それが あの馬鹿の名前

彼奴だけは 俺が幾ら 突き放そうと

何も気にせず 笑顔で俺の元へ来た

自分の心に素直になれない俺

太陽の光ではなく

月の光で そっと穏やかに俺を照らしてくれた彼女

対照的な二人だと思う

だけれど… 俺は そんな彼奴の事が好きになってしまったんだと思う

やっとの思いで 自分の気持ちに素直になれた筈なのに

なのに

素直になりすぎるのが遅すぎた

あの時から 約 三日程 経過した

突然 病院から電話がかかってきたと

「 新鮮な心臓を提供してくれる方が現れました 」

俺は自分の耳を疑った

でも それが現実だと理解した瞬間

俺は 嬉しくて堪らなかった

[ これで これからも彼奴と一緒に居られる ]

そう 安堵していた

だけど……この世界はそんなに"甘くはなかった"

手術は 無事成功し

俺は 勿論のこと 喜んだ

だけど

医者の口から溢れた 言葉によりその喜びは

一瞬で消え失せた

「心臓を提供してくれたのは、 魅月さんという同い年の少女でした」

「は?」

その言葉と同時に あの馬鹿が言っていた言葉を思い出した

「…海音…丁度 1週間後に誕生日だよね?」

「…海音 誕生日プレゼント 楽しみにしててね」

もしかして__

[ 俺の脳内に 最悪すぎる予想が出てきた ]

「 これが…誕生日プレゼント………なのか? 」

巫山戯んなよ

これが…誕生日プレゼント?

なんで…なんで……なんでだよっ!

巫山戯んなっ!

こんなの………俺は望んでねぇのに…

お前と一緒に居たかっただけなのに…

俺の本音は 静かに闇の中に溶け込んでいった

あの後 俺は 魅月の家に行った

そして 頭を下げて 出来る限り 謝った

すると 魅月の両親達は 顔を見合わせてから

俺に一通の手紙を手渡してきた

その手紙に書かれていたものは

一文だけだった

だけど その一文を読んだ瞬間に

涙が止めどなく溢れ出してきた

俺は 運命や あの世なんて信じない

でも……

それは 都合がよすぎる

だけど それでいいと思う

何故なら

とある本で読んだんだ

" 人の本当の死は 誰かに忘れられること "

じゃあ 俺が彼奴の事を忘れなければ

「 あの馬鹿は 死んでない 」

という理屈も成り立つ

自分でも馬鹿な考えだと思う

でも それでいい

少しの間の別れも

また会えた時の感動に比べれば 大したことはない

_ 星空の下

俺は そっと 夜空を仰いでから

花弁のようにふんわりと笑ってみせた

[ さよなら ]じゃなくて " またね " 魅月より

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コメント

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ユーザー

いやだあああぁぁもう泣くじゃん!!!!!😭😭😭😭 ……泣くじゃんッッッッ!!!!!!!😭😭😭 表現がとっても綺麗で、名前の読みにその漢字をよく当てはめたね!?個性溢れてて好きです👍🏻 ̖́-❤︎ 誕生日プレゼントに心臓を…死ぬのは怖いことなのに、それをやってのけた女の子は尊敬すべきよ…来世では2人が幸せになることを願うばかりです💞🙏✨️

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