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藤宮 大(MASARU)

ちーす

藤宮 大(MASARU)

おはよ

久我 莉音

おはよう

藤宮 大(MASARU)

今日も部活終わったら見に行くのか?

久我 莉音

うん

久我 莉音

俺、やっぱり虜になったみたい

久我 莉音

…力石に

藤宮 大(MASARU)

藤宮 大(MASARU)

力石モテるぞ

藤宮 大(MASARU)

アレが本当の力石じゃなくてもな

藤宮 大(MASARU)

気をつけろよ

久我 莉音

わかってるよ

久我 莉音

藤宮 大(MASARU)

何?

久我 莉音

今日放課後力石と話してきてくれない?

久我 莉音

あいつが俺のことどう思ってるのか知りたい

藤宮 大(MASARU)

おっとそれはハードルが高いな

久我 莉音

なんで?

藤宮 大(MASARU)

力石って実は柔道ができるんだよ

藤宮 大(MASARU)

有名な話だ

久我 莉音

あー、そうだったね

藤宮 大(MASARU)

仮にモデルの仕事やらせてもらってる俺が殴られて怪我でもしてみろ

藤宮 大(MASARU)

色んな人に迷惑かけることになる

藤宮 大(MASARU)

だからそれはまだパス

久我 莉音

それは納得

藤宮 大(MASARU)

代わりに布施に聞いてみるのがいいんじゃないか?

藤宮 大(MASARU)

今日俺と布施日直だからやろうと思えばできるぞ

久我 莉音

それがいいね

久我 莉音

よろしく

藤宮 大(MASARU)

布施

藤宮 大(MASARU)

こっちは全部終わった

布施 都

ま、待って

布施 都

まだ終わってな…

布施 都

きゃーっ!

藤宮 大(MASARU)

うぉっ!

藤宮 大(MASARU)

危ねぇ

藤宮 大(MASARU)

頭打ってないか?

布施 都

大丈夫

布施 都

助かったよ

藤宮 大(MASARU)

大体、そんな高さの本を一気に持ち上げられるわけないだろ

藤宮 大(MASARU)

俺でも無理だぞ

布施 都

へへ、ごめんごめん

布施 都

いっ…たっ!

藤宮 大(MASARU)

布施?

布施 都

あ、足が、ちょっと

藤宮 大(MASARU)

どこら辺?

布施 都

足首…

藤宮 大(MASARU)

あー

藤宮 大(MASARU)

酷くぶつけたなこれ

藤宮 大(MASARU)

保健室運ぶぞ

藤宮 大(MASARU)

おぶってやる

布施 都

ありがとう、ごめんね

藤宮 大(MASARU)

気にすんな

藤宮 大(MASARU)

よし、手当は済んだ

布施 都

ありがとう

布施 都

あの、迷惑をかけてしまったから

布施 都

なにかお礼をしたいんだけど…

藤宮 大(MASARU)

礼、か

藤宮 大(MASARU)

それじゃあ力石のことを教えて欲しい

布施 都

麗華のことを?

藤宮 大(MASARU)

ああ

藤宮 大(MASARU)

とあるやつの頼みでな

布施 都

とあるやつ?

藤宮 大(MASARU)

…莉音だよ

布施 都

あ、久我君か

藤宮 大(MASARU)

何だその安心した表情は?

布施 都

あ、いや、特には意味ないよ

布施 都

大丈夫

藤宮 大(MASARU)

そっか

布施 都

でも、どうして久我君が?

藤宮 大(MASARU)

はっきり言うと

藤宮 大(MASARU)

あいつ、力石に惚れてんだよ

布施 都

えっ!

布施 都

うそ!麗華に!?

藤宮 大(MASARU)

ああ

藤宮 大(MASARU)

莉音も莉音で不器用だし

藤宮 大(MASARU)

力石に惚れてるのに嫌がらせするくらいだから

藤宮 大(MASARU)

信じ難いかもしれねぇがマジだ

布施 都

ふふ、今誤解が解けたよ

藤宮 大(MASARU)

布施 都

私ね、久我君が麗華のこと毎日ずっと見てること気づいてたの

布施 都

でもそれが麗華に対する負の感情から来てる物じゃなくて良かった!

藤宮 大(MASARU)

負の感情もくそもねぇだろうな

藤宮 大(MASARU)

ずっとあいつは力石に惚れてたんだからよ

布施 都

そうだね

布施 都

で、麗華に関することで聞きたいことって?

藤宮 大(MASARU)

ああ、莉音も「自分磨き」ってやつを始めるんだとさ

布施 都

え!?

藤宮 大(MASARU)

驚きだろ?

布施 都

う、うん

藤宮 大(MASARU)

そこで、だ

藤宮 大(MASARU)

布施に莉音の悪い所を挙げて欲しい

藤宮 大(MASARU)

っていう頼みだ

布施 都

え、悪いところなんて私が思うには何も…

布施 都

あ、でも昨日ね、麗華が

布施 都

「久我はあのひねくれた性格が直ればちょっとはマシになるのに」

布施 都

って言ってて…

藤宮 大(MASARU)

藤宮 大(MASARU)

ちょっとだけなのかよ

布施 都

うん…

布施 都

それとね

布施 都

「私には色々言うくせにあいつは口ばっかりで説得力がない」

布施 都

って…

藤宮 大(MASARU)

なるほど

藤宮 大(MASARU)

莉音もおんなじこと言ってたぜ

布施 都

そ、そうなんだ…

布施 都

あと、最後に麗華がこう言ってた

布施 都

「久我は存在自体が邪魔」

藤宮 大(MASARU)

だとよ、莉音

久我 莉音

だとよ、じゃないだろ

久我 莉音

悪いところがあるどころか

久我 莉音

俺の印象最悪じゃん

久我 莉音

てか結局は力石の眼中に入らない方がいいってことなんじゃないの?

藤宮 大(MASARU)

まだそうと決まったわけじゃないだろ

藤宮 大(MASARU)

お前のその言葉遣いは少しずつ直していけるから問題ねえし

藤宮 大(MASARU)

あとお前、特技とかあるのか?

久我 莉音

俺にそんなものあると思う?

藤宮 大(MASARU)

…ねえか

久我 莉音

俺の親は厳しいから勉強以外やらせてくれない

久我 莉音

だから特技もないしやりたいことも無い

藤宮 大(MASARU)

…そうか

久我 莉音

ねえ大

久我 莉音

みんななんでやりたいことなんて出てくるの?

久我 莉音

俺がおかしいの?

藤宮 大(MASARU)

いいや

藤宮 大(MASARU)

違う

久我 莉音

そう

藤宮 大(MASARU)

じゃあ俺とやりたいこと探そうぜ

久我 莉音

…は?

藤宮 大(MASARU)

親の命令だかなんだか知らねえがそんなもの知ったこっちゃねぇ

藤宮 大(MASARU)

俺らのやりたいようにやろうぜ

藤宮 大(MASARU)

お前自身のことなんだからよ

久我 莉音

ふーん

久我 莉音

たまにはいいこと言うじゃん

藤宮 大(MASARU)

だろ?

久我 莉音

ま、考えとくよ

久我 莉音

自分のやりたいこと、か

久我 里代子

こら莉音!

久我 里代子

勉強しなさい!

久我 里代子

あなたに休んでいる暇なんてないのよ!

久我 莉音

ごちゃごちゃうるさいな!

久我 里代子

なっ、うるさいですって!?

久我 莉音

お前こそやることやれよ、毎日毎日ネイルだかメイクだかしらないけど

久我 莉音

鏡ばっか見て家事もしない、家事やったにしても洗濯物はぐちゃぐちゃ、料理は美味しくなくて住み込みの家政婦雇わなきゃいけないくらい壊滅的で

久我 莉音

その上息子にはお前がやりもしない勉強をさせて

久我 莉音

そんなに楽しいかよ!?

久我 里代子

莉音、私はあなたのために…

久我 莉音

今更母親面すんな!

久我 莉音

お前なんか親父の玉の輿に乗りたくて金のためだけに結婚して子ども産んだだけだろうが!

久我 莉音

金欲しいなら持ってさっさと出てけ!

久我 里代子

!!

久我 里代子

ううっ…!

バタン、と家のドアが閉まる音がした

どうやら出ていったらしい

むしゃくしゃしたまま勉強を始めたが、すぐに手につかなくなってしまった

勉強を辞め、入浴後に家政婦が作ってくれた料理を食べた後

親父が帰ってきた

久我 秀夫

ただいま

久我 莉音

久我 秀夫

あ、おい、里代子は?

久我 秀夫

いなくなったのか…!?

久我 莉音

しらない

久我 莉音

どっか徘徊してるんじゃない?

久我 秀夫

おい莉音!

久我 秀夫

なんだその口の利き方は!

久我 莉音

いちいちうるせえな俺のゾーンにズカズカ入ってきてさぁ!

久我 莉音

お前もあのクソババアとかわんないんだな!

久我 秀夫

なっ、莉音!

久我 秀夫

お前、いつからそんな口を聞く息子になったんだ!

久我 莉音

さあ?お前の子育ての仕方が悪かったんじゃない?

久我 莉音

おかげで今まで我慢してたことを全部爆発させてるイメージだよ

久我 莉音

それにあんな女のことなんか知らねぇよ、好きにさせとけばいいだろ

久我 莉音

俺には関係ないし興味もないね

久我 秀夫

まて莉音!おい!

久我 秀夫

くそっ、まずは里代子を探さなければ…

莉音の母親、里代子は夜中の0時を回っても家に戻ってくることはなかった

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