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あーもんど
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駅前のカフェ
約束の時間より少し早く着いた私は
窓際の席でカフェラテを飲みながら
向かいに座った女性を見た
内藤桃子
内藤桃子
内藤桃子
内藤桃子
25歳
大人しそうな人だった
細いフレームのメガネをかけていて
さっきから何度もメガネの位置を直している
内藤桃子
内藤桃子
内藤桃子
〇〇
内藤さんは、鞄から資料を取り出そうとしていた
けれど
ーービリッ
紙が破れる音がした
内藤桃子
一瞬固まったあと、何事も無かったかのように
その紙を鞄の中に戻した
〇〇
アリなのか、それは
〇〇は心の中で小さくため息を着いた
ただの高校生相手なのに
こんなに緊張するなんて
適当に話を聞いて帰ろう
そう思って、もう一口カフェラテを飲んだ
内藤桃子
内藤桃子
内藤さんが、少しだけ姿勢を正した
内藤桃子
内藤桃子
内藤桃子
内藤桃子
〇〇
すぐには思い出せなかった
でも、少し考えてから
〇〇
あの原稿だ
お母さんがまだ、少しだけ
私のそばにいた時の話だ
一緒に家にいる時間もあって
その時に書いたものだった
内藤桃子
内藤桃子
内藤さんはそういって少し笑った
内藤桃子
内藤桃子
内藤桃子
〇〇
内藤桃子
内藤桃子
内藤桃子
内藤桃子
内藤桃子
内藤桃子
内藤桃子
何度もメガネを触っていた手が止まっていた
内藤桃子
内藤桃子
その声には
さっきまでの頼りなさがなかった
内藤桃子
内藤桃子
内藤桃子
内藤桃子
内藤桃子
〇〇は黙って聞いていた
内藤桃子
内藤桃子
内藤さんが私を見る
内藤桃子
内藤桃子
胸の奥が、ほんの少しだけ動いた
忘れていたと思っていた
小説を書くことも
あの原稿のことも
でも、誰かが覚えていてくれてた
内藤桃子
内藤さんは一度息を吸った
内藤桃子
内藤桃子
その言葉を聞いて
私は少しだけ嬉しくなった
誰かが
見つけてくれた
ずっと前に書いたものを
もう自分ですら
大したものじゃないと思っていたものを
〇〇
〇〇
内藤桃子
返事が早かった
内藤桃子
内藤桃子
その顔はさっきまでメガネを何度も触っていた人とは
別人みたいだった
内藤桃子
しばらくは何も言えなかった
それから小さく頷いた
〇〇
久しぶりに言った気がした
その言葉を口にするのが
内藤桃子
内藤桃子
内藤さんが資料を見せる
〇〇
入試の前日の日だった
一瞬だけ迷った
でも
私はまた頷いた
〇〇
その時の私は、かなり乗り気だった
カフェを出た私は、少し浮き足たっていた
駅から家に帰る予定だった
でも、気づけば私は
はじめくんの家の近くに来ていた
会いたかった
この事を1番に伝えたかった
公園のベンチに座っていると
少ししてから見慣れた姿が見えた
〇〇
岩泉一
私の隣に座る
岩泉一
私は、まだ上手く整理出来ていないまま話し始めた
〇〇
〇〇
岩泉一
そこまで言うと
はじめくんの顔が少し明るくなった
岩泉一
〇〇も頷く
〇〇
〇〇
〇〇
岩泉一
思っていたよりずっと嬉しそうだった
〇〇
〇〇
岩泉一
はじめくんが笑う
岩泉一
その言葉に、胸が少し熱くなった
わたしのことなのに
まるではじめくんは自分の事のように喜んでくれる
〇〇
私が笑う
〇〇
岩泉一
〇〇
〇〇
岩泉一
そう言いながらも少しだけ笑っていた
その顔を見ながら
もう一度だけ思った
また
書いてみよう。と
12月
二人はさらに会えなくなった
私は受験勉強と小説
はじめくんも大学に向けての準備や
残りの高校生活に追われていた
それでも、私たちはお互いを支え合っていた
ある日の夕方
ピンポーンとチャイムがなった
〇〇
岩泉一
〇〇
〇〇はニコッと笑う
はじめくんを見ると
なにか袋を持っていた
岩泉一
〇〇
岩泉一
袋の中にはまだ暖かいご飯が入ってた
〇〇
〇〇
岩泉一
〇〇
〇〇
岩泉一
〇〇
岩泉一
〇〇
はじめくんはくっと笑う
岩泉一
〇〇
ふたりで笑った
岩泉一
〇〇
岩泉一
〇〇
〇〇
岩泉一
〇〇
岩泉一
〇〇
岩泉一
そんな何気ない会話をして
少しだけ一緒にいる
それだけだった
でもそれだけで十分だった
小説は思っていたより順調だった
勉強もちゃんと進んでいる
どちらも上手くいっている
このまま
全部上手くいくような気がした
そして1月1日
2人で初詣に行った
次に会えるのはきっと共通テストの後だ
そう思うと
少しだけ寂しかった
人の流れに混ざりながら
2人は境内を歩く
岩泉一
〇〇
岩泉一
〇〇
岩泉一
〇〇
賽銭を入れる
鈴を鳴らしてから
2人は手を合わせた
私は目を閉じる
受験と小説
両方とも上手く行きますように
ゆっくり目を開ける
隣を見ると
はじめくんはまだ目を瞑っていた
〇〇
何をお願いしてるんだろう
少しだけ気になった
でも、聞かなかった
私はもう一度目を閉じる
今度は別のことを願った
はじめくんと、ずっと一緒にいれますように
そして2人は列を抜けた
岩泉一
はじめくんは少し笑いながら言った
〇〇
岩泉一
〇〇
岩泉一
ふっと笑う
岩泉一
〇〇
私は笑った
はじめくんも笑った