コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
琴
音楽が鳴る 出発の合図
全力疾走で 階段を駆け下りた
琴
ぎりぎりで乗れた電車に安心して 息を整える
琴
セーターの袖でおでこの汗を拭う
もう3月も終わる頃 いくらまだ肌寒くても 走れば暑い
琴
色々がさつだけど なんだかんだで 女の子
パタパタと手で仰ぐ
琴
琴
琴
琴
電車の本数を恨む
ここから電車に揺られて 30分
琴
ガタンゴトン と 電車の音だけが車内に響く
琴
ぼーっと 暗い外を眺める
琴
ガラス越しに映る自分の髪を見て
琴
手ぐしでササッと直す
琴
と決めた瞬間
琴
後ろ側の席に座っている人の顔を見てしまった
琴
琴
琴
頭の中でぐるぐるわたわたと暴れる
琴
琴
この静かな社内で?
琴
足音聞こえるよ?
琴
自問自答が止まらない
チラッとガラス越しに見る
相変わらずカッコイイ
琴
コツンとおでこをくっつけて タイトルを読もうとしてみる
琴
当たり前だ
琴
琴
琴
帰りは一緒に帰るのが楽しいんだもん
あの二人を見てればわかる
琴
息を吐いて前を見る
琴
一瞬 目があった気がした
琴
琴
琴
そう言い聞かせた
琴
琴
わざわざ電車変えたのに…
いつもいないはずの人が乗っている
琴
見つからないように移動したかった
琴
電車の1両目 2両目のドアの近くには… いつものように本を読んでいる
琴
琴
これじゃ昨日と同じじゃないか
琴
琴
琴
パシパシと頬を叩く
30分
この時間は久々のドキドキを思い出していた
琴
なんかちょっと浮かれてた
久々だったからかな
琴
琴
琴
そう言いながらも顔がニヤける
琴
魅
琴
魅
琴
魅
琴
魅
魅
友達と思いっきり遊べばいいのに とか 言うみーちゃんが可愛い
ほっぺたが少し赤くなって トーンも少し高くなって 顔も嬉しそうなのが分かる
琴
琴
魅
琴
魅
魅
琴
琴
魅
私も早く誰かの1番にー…
琴
琴
美味しそうな苺の新作 看板の写真だけでも美味しそうなのが伝わる
琴
カフェのドアを開けた
そこで見てしまった
私の
恋の
分岐点
琴
琴
琴
琴
琴
無意識にカフェを出て駅まで走った
琴
あの男の人は誰
なんで飲み物シェアできるの
やっぱり彼氏
でもあの人とも…
どっちが
琴
どっちが本命?
琴
ピッと改札を通る
琴
階段の途中で止まった
琴
きっと知らない 知らないであの人を好きでいる
そんな気がする
琴
トントン と ゆっくり階段を降りた
琴
まだ来てない電車 ベンチには
あの人が ベンチに座って本を読んでいた
琴
私
ずるいヤツになっちゃうよ
カツン
カツン
ドキドキと心臓が鳴る
本当にいいの?
私が私に問いかける
あの人を傷つけちゃうかもしれないよ?
知らないのも傷つけてるのと一緒じゃない?
知らぬが仏って言葉もあるでしょ?
でも
琴
ストンと 後ろのベンチに座った
琴
琴
このまま電車を待とう
電車は車両変えよう
それがいい
それが…
何分経ったかな
辺りが薄暗くなってくる
琴
琴
琴
琴
琴
気合よし!
琴
琴
琴
わたわたと手が動く 心の叫びと共に
一織
琴
思わず声が出た
一織
琴
琴
恥ずかしさのあまり ちょうど出発する 逆方向の電車に飛び乗った
ガタンゴトン と 電車の音だけが
琴
…電車の音なんて聞こえない
琴
それは考えてなかった
琴
琴
嬉しくて
嬉しすぎて
琴
琴
琴
ニヤニヤが止まらなかった