TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

木曜日 10:00

~人形の館~ 玄関

コンコンコンッ!

ギィ…

青影

失礼します。

青影

(警戒しながら来たが、
特に問題なかったな。)

フワッ

リリー

……。

青影

(あ、前の人形…)

青影

(確かリリーって
名前だったな。)

青影

こんにちは、
青影です。

青影

昨日、武器が
完成したと聞いたので
取りに来ました。

リリー

……。

グイグイッ

リリーは一礼し、 青影の右袖を掴み、 引っ張った。

青影

(ついて来い
ってことか?)

青影は 右袖を持たれながら リリーに案内されて行った。

第25話

『遊戯①』

~人形の館~ 1階 大図書室

青影

……。

リリー

……。

青影

(…まだだろうか。)

現在、青影は大図書室の 中央に置かれたテーブルまで 案内され、待機している。

テーブルには 2つのティーカップと 複数のクッキーが入った籠が 置かれていた。

青影

(もう30分ぐらい
経ってるんな…)

青影

(連絡は事前に
したんだが、)

リリー

……。

青影

ありがとうございます。

青影はリリーが差し出した クッキーを受け取る。

青影

(この人形、
凄いお菓子を
すすめてくるな。)

青影

(そういう
命令されてるのか?)

大図書室では リリー以外にも人形がおり、

彼女達は 小さい身体でせっせと 掃除をしている。

人形

……。

青影

(赤い人形以外は
皆同じだと
思ってたが、)

青影

(一人一人髪型や目
とか違うんだな。)

青影

(服は役割ごとに
違うみたいか。)

青影

もぐ

青影

(うぉ、これ美味い。)

アマリス

やぁ、
ご機嫌よう♪

青影

こんにちは。

リリー

……。

アマリスが正面に座ると、 リリーがポットを持ち、 そちらへ飛んでいく。

そして、 アマリスのティーカップに お茶を注ぎ始めた。

アマリス

待たせて悪いね、
ちょっと手が離せなくて…。

アマリス

あ、それどうだい?

青影

美味しいです。

青影

(ケーキとか
甘すぎるの
お菓子は苦手だけど、)

青影

(控えめな甘さは、
好きなんだよな。)

青影

アマリスさんが
作ったんですか?

アマリス

そうだね、
まぁ本格的な味には
劣るけれどね。

青影

(凄いな。)

アマリス

狼君はお菓子作り
しないのかい?

青影

おそらく作ると、
真っ黒になります。

アマリス

真っ黒??

青影

俺、料理
駄目なんですよ。

青影

毎回、真っ黒に
焦げてしまって…

アマリス

へぇ…、
意外だね。

アマリスはリリーが 注ぎ終えたティーカップを 持ち一口飲んだ。

アマリス

まぁ、何度も
練習すれば
出来るんじゃない?

青影

そうですかね…

青影

(何度やっても
焦げるだよな。)

アマリス

まぁ、それでも
出来ないことは
あるけどね。

青影

そういう時、
どうするんですか?

アマリス

最終期間を決めて、
期間内に出来なかったら
諦めるよ。

アマリス

出来ないことを
長々とやっても
意味ないからね。

アマリス

だらけちゃうし、

アマリス

時には切り替える
決断も大事さ。

青影

そうですか。

アマリス

まぁ、君は
誰かに相談すれば
いいんじゃない?

アマリス

料理とかは
闇ちゃんや鬼ちゃんが
詳しいと思うよ。

青影

鬼?

アマリス

事務所にいる
長髪の女性だよ。

アマリス

月の耳飾りしてる…
名前…

青影

(あぁ、夜桜さんか。)

アマリス

あ、夜月だっけ?

青影

夜桜さんです…

青影

(微妙に違うな。)

アマリス

二人なら
相談乗ってくれる
んじゃない?

アマリス

料理上手いし、
君の頼みなら
断らなそうだしねぇ…

青影

(相談か。)

青影

(迷惑にならない
だろうか?)

青影

(でも、このまま
料理下手なのも
ちょっとあれか…)

アマリス

えっと…今日は
武器を取りに
来たんだったね。

青影

あ、はい。

アマリスがテーブルに 2つの武器を置いた。

アマリス

要望どおり、
2つ作ったよ。

リリー

……。

リリーが警棒を 青影に差し出す。

アマリス

それ持って
魔法出してみて
くれるかい?

青影

分かりました。

青影は警棒を受け取った。

青影

(とりあえず、
水魔法でいいか。)

ポワッ

青影

ッ!

青影が魔法を出した瞬間、 警棒が長く伸び 水を纏った。

アマリス

僕の魔法を
少し付与して
作ったんだよ。

アマリス

魔法を感知すれば
変形するように…

青影

命令魔法ですか?

アマリス

そうそう。

アマリスの魔法 『命令(操作)』

魔法をかけた対象へ 自分の思考を 通り動かす魔法。

通常は魔法陣を通して、 命令を指示するが、個別に 命令を付与することが出来る。

青影

(便利な魔法だな。)

アマリス

一応、
魔力があれば
誰でも使用可能さ。

アマリス

君の場合は、
水、氷の剣に
出来るね。

アマリス

刃は
想像力次第さ。

青影

(想像力か。)

アマリス

拳銃も
警棒と同様。

アマリス

水、氷の弾が
打てるよ。

アマリス

それに、サイズが
合えば、普通の弾も
使用可能さ。

アマリス

まぁ、サイズは
街の警官のものと
同じだね。

青影は再び、 リリーから銃を受け取った。

青影

なるほど…

青影

(これで、
戦闘が楽になる。)

アマリス

使い方は
分かったかい?

青影

だいたい
把握しました。

青影

作っていただき、
ありがとうございます。

アマリス

どういたしまして〜♪

アマリス

後は実践で
使えればだねぇ…。

青影

そうですね。

青影

(後で訓練場で
試してみよう。)

ガチャンッ

青影

ん?

青影は顔を上げ、 アマリスの方を見た。

彼の後方には 複数の人形達が集まり、 青影に銃を構えている。

青影

え、アマリスさん?

アマリス

じゃあ、
始めようか。

青影

え?

青影

(今、何て?)

アマリスは ニヤリと不敵な笑みをした。

青影

(嫌な予感っ!)

ダッ!

バンバンッ!

青影が近くの本棚に 隠れた直後、

人形達は一斉に 銃を発砲した。

バキッ!

ガシャンッ!!

パリンッ!!

青影

(やばっ…)

青影の隠れた本棚が 銃弾により めちゃくちゃになっている。

アマリス

いや〜最近、
とても暇だったんだよねぇ…

アマリス

体調悪くて、
なかなか治らなくて
外に出られなかったし…。

アマリス

だからさ、
少し遊びに
付き合ってくれよ♪

青影

いやいやっ、
弾、実弾ですけどっ!?

アマリス

ハハッ、
殺しはしないさ。

アマリス

遊んだ後も
ちゃんと怪我を
治療してあげるよ。

アマリス

だから、
何も問題だろう?

青影

(いやいやっ、
問題ありだろっ!!)

人形達は分散し、 青影を狙い始めた。

青影

(くそ、
話しても無駄か。)

青影

(ここにずっといると
挟み撃ちされるな。)

青影

(本棚裏に移動
しながら一体ずつ
戦うか。)

ブンッ!

青影

ッ!

青影は人形が 振り下ろした箒を避けた。

人形

……。

青影

(…うお、まじかよ。)

箒は穂先が外れ、 薙刀のようなものが あらわになる。

青影

(それで
よく掃き掃除できるな…)

フワッ!

人形は再びこちらに 向かってきた。

青影

ポワッ

バンバンッ!

青影は人形に向かって 銃を連射した。

バキッ!

氷の弾が人形の首に 命中し、頭が飛ぶ。

ブンッ!

だが、 人形は一向に動きが 止まる様子がない。

青影

(頭は駄目か。)

青影

(どこを撃てば
静止するんだ?)

青影

(ん?
なんか背中…)

青影は回避中に人形の背中に 赤い魔法陣の印が 浮かんでいるを見つけた。

青影

(まさか…)

バンッ!

バキンッ!

青影の撃った弾は 見事に命中し、魔法が壊れた。

魔法陣は通常の弾では 壊れない。

しかし、 威力のある魔法であれば 基本、破壊することができる。

バタンッ…

青影

(なるほど。)

青影

(人形についてる
赤い魔法陣を壊せば
動かなくなるのか。)

青影は棚から顔を出し、 近くにいる人形達を 観察した。

青影

(魔法陣の位置は
バラバラだ。)

青影

(瞬時に把握して
倒すのは困難だな。)

青影

(人形一体ずつ相手
してると時間が
かかるし、)

青影

(魔力もかなり
消費してしまう。)

青影

(何か方法を
考えないと…)

シュッ!

青影

ッ!?

突如、薙刀が 青影に襲いかかる!

青影

うおっ!?

ブンッ!!

パキパキッ!

ギンッ!

青影は瞬時に 警棒を変形させ、 氷の剣で防いだ。

青影

(危なっ!)

青影

(なんで人形の
武器が勝手に
動いてるんだっ!?)

青影

あっ!

バンッ!

バキンッ!

青影は薙刀に魔法陣が ついてるのに気づき、 銃弾で破壊した。

カランッ…

薙刀はそのまま地面に落ち、 動かなくなった。

青影

(人形の武器にも
魔法陣があったのか。)

青影

(かなり厄介な
魔法だな。)

青影

(油断できない。)

青影

青影

(他の人形が来た…)

リリー

……。

アマリス

(人形の動く
仕組みを見破られた
みたいだね。)

一方、アマリスは 中央のテーブルで タブレットを見ていた。

タブレットには 複数の区切れがあり、 その1つに青影の姿が写っている。

どうやら人形につけた カメラを通して 見ているようだ。

アマリス

ふふっ…
本当、嬉しいねぇ〜。

アマリス

(君はどのくらい
僕を楽しませて
くれるかな?)

夜猫依頼事務所~厄災の魔女~

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

30

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚