白いバスの運転手
白いバスの運転手
白いバスの運転手
運転手のおじさんはそう言って、口元を釣り上げたように笑った。
健
健
優
愛斗
白いバスの運転手
白いバスの運転手
いつもぶっきらぼうな喋り方の男鹿さんと違って
言葉遣いは丁寧だけど、どこか突き放されたような気分になる言い方だ。
白いバスの運転手
陽子
陽子
白いバスの運転手
白いバスの運転手
白いバスの運転手
運転手さんは、まるで早く仕事を終わらせたいかのように
不機嫌そうな顔をした。
鬼塚先生
ロクじい
ロクじい
先生二人が頭を下げたら、運転手さんは顎に手を当てて考えこんで
その後、ポケットから懐中時計を取り出して見つめながら
仰々しく話し始めた。
白いバスの運転手
白いバスの運転手
陽子
陽子
陽子
鬼塚先生
鬼塚先生
ザック先生
ザック先生
陽子
陽子
ザック先生
涙を流す私の肩に、先生は優しく手を置いた。
ザック先生
ザック先生
ザック先生
ザック先生
陽子
陽子
テミ先生
陽子
陽子
陽子
テミ先生
テミ先生
テミ先生
いつものポーカーフェイスのまま先生が差し出したのは
赤く豆粒のような小さい花の鉢植えだった。
陽子
テミ先生
テミ先生
テミ先生
テミ先生
テミ先生
テミ先生
テミ先生
そういつもの調子で話す、先生の口元が優しくほころんでいた。
テミ先生
陽子
陽子
蔵内先生
蔵内先生
園長先生は少し涙ぐんでいる。
蔵内先生
蔵内先生
蔵内先生
蔵内先生
蔵内先生
蔵内先生
蔵内先生
陽子
蔵内先生
陽子
生前ではもう忘れかけていたこの温もり。
私は先生に抱っこされるのが大好きだった。
蔵内先生
蔵内先生
蔵内先生
陽子
陽子
陽子
陽子
白いバスの運転手
白いバスの運転手
苦しそうに息を吐きながら戻ってきた陽子さんに、運転手のおじさんは冷たく当たった。
男鹿さん
男鹿さん
白いバスの運転手
白いバスの運転手
男鹿さん
ロクじい
ロクじい
男鹿さん
白いバスの運転手
白いバスの運転手
白いバスの運転手
白いバスの運転手
陽子
白いバスの運転手
ロクじい
健
優
優
桜
愛斗
優
優
ロクじい
騒ぎを他所に、ロクじいは何処からか取り出した
辞典のように大きい本を、筆片手にめくっていた。
ロクじい
ロクじい
ロクじい
ロクじい
陽子
ロクじい
ロクじい
ロクじい
ロクじい
白いバスの運転手
そう促されて、陽子さんはバスに乗り込んだ。
……けれど窓を開けて身を乗り出し、叫び出した。
陽子
陽子
陽子
陽子
陽子
陽子
桜
桜
愛斗
優
健
健
白いバスは園の門柱を通りすぎ……
モヤに隠れて見えなくなった。
陽子の母親
陽子の母親
看護師
看護師
看護師
陽子
陽子
陽子の母親
陽子の母親
お母さんは泣きながら私を抱きしめた。
陽子
陽子
陽子の母親
陽子の母親
陽子の母親
涙を堪えようときっと口を結び、目頭に力を入れるけれど
お母さんの目からはボロボロと涙が零れ落ちていた。
陽子
陽子
陽子の母親
陽子の母親
陽子の母親
陽子の母親
陽子
陽子
陽子
陽子
陽子
陽子の母親
桜
桜
優
優
愛斗
優
健
優
優
健
優
愛斗
愛斗
桜
桜
蔵内先生
蔵内先生
蔵内先生
健
桜
優
愛斗
愛斗
バスが止まって、男鹿さんと……
ぬいぐるみを抱いた小さな女の子が降りてきた。
男鹿さん
男鹿さん
ぬいぐるみを抱いた子
女の子は男鹿さんの後ろに隠れて
こちらを不安そうに覗いたまま動かない。
健
ぬいぐるみを抱いた子
健
健
Re glow ─よいこの賽原保育園─ 完
3ヶ月の間ありがとうございました
コメント
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この話ができたきっかけは2年前の虐待事件です。 作者である私の子供と同い年の子供が凄惨な亡くなり方をして、リアルな事件をあまり引きずるタイプではない私も随分感情移入してしまい、そのショックから心を守る為、「虐待等で傷ついた子供は神仏に見守られながらお迎えを待つ」と言う話を作り上げ、そう信じようとしました。 世の中から虐待がなくなり、傷つく子供がいなくなることを祈ります。