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如月拓篤
如月優子
帰宅した夫は開口一番
如月拓篤
如月拓篤
掃除していない玄関のことを聞いてきた
わざわざ床をチェックしてきたのか
少し不機嫌そうに鞄を床に投げ
洗濯物を畳んでいる真優奈の姿にため息を漏らし
怒りそのままに寝室へ行ってしまった
如月真優奈
すぐに後を追いかけ寝室の扉を開けると
夫が鋭い視線を私に向けてきた
如月優子
如月拓篤
夫の言葉に開いた口が塞がらなかった
玄関の掃除をしなかっただけで失格と言うのは酷すぎる
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
あの短時間に私の料理のチェックまでしていたのか……
まるで昼ドラに出てくる嫌みな姑のようだ
如月拓篤
夫の言うまともな家事とは?
もう何もかもがわからない
如月拓篤
如月優子
いきなり話題を変えられて少し混乱した
さっきまで私に向けられていた鋭い視線は一瞬でなくなり
ケロっとした顔で別の話を始める
如月拓篤
如月拓篤
如月優子
如月優子
如月拓篤
如月優子
私はこの一連の夫の言動が理解できないし信じられない
唖然とする私を他所に夫が話を続ける
それは朝の通勤電車内でのこと
佐藤寛貴
如月拓篤
佐藤寛貴
偶然、同じ車両に乗っていた佐藤さんのご主人に声をかけられた
如月拓篤
最初は素っ気ない態度を取った夫だったが
佐藤さんと家族の話で少し盛り上がり
如月拓篤
佐藤寛貴
お互いに子供自慢をしばらくした後
今度は妻の話に発展し盛り上がったと言う
如月優子
如月優子
如月拓篤
佐藤さんは子供の話と同じくらいのテンションで
奥さんの奈穂美さんの話を始めた
佐藤寛貴
如月拓篤
如月拓篤
佐藤寛貴
如月拓篤
佐藤寛貴
佐藤寛貴
佐藤寛貴
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
佐藤寛貴
佐藤さんの言葉に夫は驚き唖然とし
更に続けられた佐藤さんの話に夫はますます困惑
佐藤寛貴
如月拓篤
如月拓篤
佐藤寛貴
如月拓篤
佐藤寛貴
如月拓篤
如月拓篤
佐藤寛貴
佐藤寛貴
佐藤寛貴
佐藤寛貴
佐藤寛貴
佐藤寛貴
如月拓篤
如月拓篤
佐藤寛貴
如月拓篤
佐藤寛貴
如月拓篤
佐藤寛貴
佐藤寛貴
佐藤寛貴
佐藤寛貴
夫の話に私は驚きを隠せず
それが顔に出てしまっていたようで
夫はかなり不機嫌そうに大きなため息を漏らす
佐藤さん家と我が家とでは感覚が全く違うのだと思った
夫は私が家族のためにしていることを当たり前だと思っている
でも佐藤さんの旦那さんは
奥さんが家族のためにしてくれていると思っている
力関係も佐藤さん家は奥さんの方が上のように思えた
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
佐藤寛貴
佐藤寛貴
佐藤寛貴
佐藤寛貴
思わず笑みがこぼれそうになった
佐藤さんのご主人は凄く優しくて理想的な旦那様
だから佐藤さんもあんなに明るく優しいのだと思った
いつも頑張った家事を労ってくれるご主人と
一緒に家事を手伝ってくれる二人の子供達
如月拓篤
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
夫は佐藤さんの愚痴を一頻りしゃべって少し落ち着いたのか
着替えを終えると一階に降りていった
その夫が脱ぎ散らかした洗濯物を拾いながら思う
如月優子
感謝してほしい訳じゃない
してあげてると思ったこともない
ただ一言でいいから
優しい言葉をかけてほしい
その一言があれば……
如月優子
その後、夕食を終え
夫が入浴中に大慌てでワイシャツにアイロンを掛けた
小さなシワも許さない夫に文句を言わせないため
急ぎつつも丁寧にシワを伸ばしていく
佐藤奈穂美
佐藤奈穂美
佐藤さんの言う通り
私がどんなに完璧にアイロンがけをしても
着る時に小さなシワが寄ってしまう
如月優子
思わず漏れるため息
ふと頭によぎる"離婚"の文字
それを真優奈のために掻き消す
今一人親になるわけには行かない
せめて真優奈が高校生になるまでは我慢したい
私が我慢すれば丸く収まる
夫の言うことがどんなに理不尽でも
私が我慢すれば……
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
もう気づいてしまったのか……
夫の言動に吐き気がしてトイレに駆け込んだのを
夫は勝手に悪阻と勘違いして舞い上がっていた
如月優子
如月拓篤
如月優子
如月優子
もちろん全部わかっているが
あえて気づかないふりをする
如月拓篤
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月優子
如月優子
私は嘘なんてついていない
妊娠したふりをしようか迷ったこともあったけど
真優奈のために嘘をつくのはやめた
月経が始まったことを伝えてはいなかったが
決して隠していたわけではない
でもそれで嘘をついたことになるのだろうか?
如月拓篤
やっぱり……
夫はまた夜の行為を要求してきた
如月優子
如月優子
如月優子
私はもう限界だった