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翌日(火曜日)
夫は朝から不機嫌そうにしていた
如月真優奈
如月優子
真優奈に心配をかけないように平静を装うも
夫はそれを掻き消すように大きなため息を漏らす
如月優子
如月優子
夫がこんな態度を取るのは
昨夜の私の言葉が許せなかったからだろう
夫はほぼ毎日、私に夜の行為を要求してきていた
夫は次男で跡継ぎの心配はしなくてもいい立場だったのだが
突然、男の子が欲しいと言うようになり
痛がる私を無視して強引に進められるその行為に
私の中の夫への愛情は徐々に薄れていった
それに追い討ちをかけるように
夫は私に不妊治療の話をし始め
如月拓篤
如月拓篤
如月優子
如月優子
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
夫のこの発言に吐き気がした私はトイレに駆け込み
トイレでゲェゲェ吐く私に対し
如月拓篤
夫は盛大な勘違いをしてしまった
その後、夫は私が月経中であることに気づき
如月拓篤
私に対して怒りをぶつけてきた
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
私は嘘なんてついていない
夫が勝手に勘違いをしただけだ
如月優子
如月優子
如月拓篤
如月優子
はっきりと言わなければ伝わらない
勇気を振り絞って出した言葉を跳ね返すように
如月拓篤
如月優子
夫は私の腕を掴み
如月優子
私をベッドに押し倒す
如月優子
如月拓篤
そう言って強引に服を脱がそうとしたが
私が月経中だと言うことを思い出したのか
如月拓篤
舌打ちをして寝室を出ていった
突然の夫の行動に驚きとショックで溢れる涙
優しかったあの頃の夫はもういない
その後しばらくして戻ってきた夫から逃げるように
居間のソファに横になって朝まで過ごした
なかなか寝付くことができず
さっきまでの夫の言動が頭の中をぐるぐると旋回する
その間ずっと
涙が溢れて止まらなかった
明け方になってやっと
泣き疲れた私は眠りについたのだが
いつもと同じ時間に目が覚めてしまい
目を腫らしたまま夫を起こし
真優奈を起こして朝食の用意をした
いつもと同じことの繰り返し
けれど心の中は虚しさでいっぱいになり
如月優子
いつも当たり前にしていたことも嫌になるほど
昨夜の夫の言動が心に残っていた
如月真優奈
如月真優奈
如月優子
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
如月優子
夫の声を聞きたくない
それが何気ない言葉でも
聞くだけで気分が悪くなりそうだった
如月拓篤
如月真優奈
如月優子
真優奈の前でため息をつかないでほしい
自分勝手な発言を繰り返しておきながら
なぜ夫がため息を漏らすのか理解できなかった
如月拓篤
落ち着いた夫の声が私に向けられる
やっと折れて謝罪する気にでもなったのだろうか?
でも今さら謝ったってもう遅い
それだけのことを夫はしたのだ
それなのに……
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
如月優子
夫の口から出た言葉に唖然とした
如月優子
私に何の謝罪を求めているのか
私には全く理解ができない
如月拓篤
突然の夫の言葉に真優奈も困惑した様子で私達を見ている
そもそもこんな話を子供の前でするなんて
如月真優奈
如月拓篤
如月真優奈
如月優子
如月拓篤
如月真優奈
如月優子
如月拓篤
プツンッ……
張り詰めていた心の糸
もう限界だったのかもしれない
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
ぶちギレた私と夫の激しい逆ギレに
間にいた真優奈が驚いて固まってしまった
如月優子
我に返って真優奈に駆け寄ると
真優奈は私にしがみついてわんわんと泣き出した
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
この状況でも夫に謝罪の意思はなく
全面的に私が悪いと責め立て続ける
もう何もかもが限界を超え
"離婚"の二文字が喉から出かかった
その時……
ピーンポーン
インターホンが鳴り響いた
如月優子
扉を開けるとそこにいたのは
如月優子
佐藤寛貴
佐藤さんは私の姿に少し驚いた顔をしていた
泣き腫らした目に疲れた顔
こんな姿をお隣さんに見せたくはなかった
如月優子
佐藤寛貴
そう言って手渡されたプラスチック容器
佐藤寛貴
佐藤寛貴
如月優子
佐藤寛貴
優しい佐藤さんの笑顔
さっき逆ギレした夫とは大違いだ
スーツ姿のご主人はにっこり笑って軽く会釈をして
佐藤寛貴
そう言って扉を閉めた
まるで狙ったかのように現れた佐藤さんのご主人
如月優子
偶然でも来てくれてよかった
ほんのわずかな時間でも夫と離れることができたから
如月優子
慌てて居間に戻ると真優奈はまだ泣き続けたまま
夫は泣きじゃくる真優奈に冷たい視線を向け続けている
如月拓篤
如月拓篤
如月優子
そう言ってプラスチック容器を見せるも
夫は不機嫌な態度のまま
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
もう何を言っても通じないのか
夫は怒りそのままに家を出ていった
真優奈はずっと泣き続けたまま
でもここで私が泣くわけにはいかない
私まで泣いてしまったら真優奈を不安にさせてしまう
如月優子
そう思った直後
ピーンポーン
如月優子
再び鳴り響くインターホン
まさか夫が忘れ物でもして戻ってきてしまったのか?
震える手で扉を開く
如月優子
佐藤奈穂美
満面の笑みで立っていた奈穂美さんの姿に
如月優子
涙が溢れて止まらなくなった