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#ミステリー
鬼霧宗作
414
#デスゲームパロ
――数週間後。
梶田
梶田
梶田宗介(かじたそうすけ)は、内覧で見た部屋を思い出して笑みを浮かべる。
沙優
沙優
梶田の妻である沙優(さゆ)が、助手席でおにぎりのフィルムを開け、それを運転席の梶田に手渡してくれる。
梶田
おにぎりを頬張りながら返す。
中の具は明太子。
さすがは長年連れ添ってきた妻、旦那の好みを知っている。
美乃梨
美乃梨
美乃梨
梶田
後部座席で足をぶらぶらさせながら、流れゆく外の景色を眺める美乃梨(みのり)を、ルームミラー越しに眺める。
梶田
梶田
梶田
沙優
梶田
沙優
沙優
沙優の言う、根に持ってるいること――とは、おそらくあれのことだろう。
梶田
健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、妻を愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?
チャペルにて神父から問われた際、梶田は誠実に真実を述べさせていただいた。
まだ、未来は確定しておらず、だから確約はできない。
だから梶田はこう答えた。
「前向きに検討させていただきます」
これが、いまだに沙優は気に入らないらしい。
梶田
梶田
梶田
梶田
そう答えると、いつものように溜め息をつく沙優。
沙優
沙優
梶田
梶田
そんなやり取りをしている間に、車は目的地へと到着。
梶田
車を停めると外に出て、後方に同行してくれていた引越し業者のトラックに手を振って合図を出す。
梶田
業者を誘導すると、トラックから引越し業者の人達が降りてくる。
引越し業者
引越し業者
引越し業者
梶田
沙優
梶田
梶田
段取りを始めた業者に声をかける。
梶田
引越し業者
引越し業者
引越し業者
梶田
引越し業をやっていると、同じマンションに出向くこともあるのだろう。
やたらと業者は慣れている様子だった。
沙優
梶田
梶田
沙優
沙優
梶田
梶田
沙優
沙優
美乃梨
沙優と美乃梨は車に乗り、菓子折りを買いに出て行ってしまった。
梶田
梶田は小さく溜め息を漏らすと、マンションの中へと足を踏み入れた。
エレベーターはついていないため、階段で登る。
――奇妙なものを階段踊り場の掲示板に見つけたのは、息も絶え絶えに4階までのぼって来た時のことだった。
梶田
そこには、汚いながらも力強い黒文字で、こう書き殴られていた。
4階の住人どもへ。
王による税の納入が遅れている部屋があるようだから、もう一度だけ警告してやる。
4階の住民税は、王の決定により、毎月10万円ずつと定められている。
お前らにも生活があるかもしれないが、納税もまた、住人の義務である。
なお、ここまで警告しているにも限らず、一度も住民税を支払っていない世帯は――今週末をもってして処刑とする。
王様
梶田
梶田
これは一体なんのいたずらなのか。
思わず言葉を失ってしまった梶田は、階段から何者かがのぼってきていたことに気づかなかった。
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声をかけられて、ようやく気づく。
梶田
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梶田
道を譲ると、男はあからさまな舌打ちをして、梶田の脇をすり抜ける。
そして、しばらく歩いたのちに振り返った。
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梶田
梶田
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男はニヤニヤとしながら、梶田のほうへと戻ってくる。
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男はおもむろに手を差し出してくる。
梶田
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梶田
梶田
梶田の問いに、男は溜め息混じりに口を開く。
このマンションが異常であることを梶田が知ることになる、最初の一言を。
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