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山間部で伐採をしていた作業員が林の木の間から赤いレインコートを着た女がこちらを覗いているのが気になっていた。
休憩時間になると作業員は女に何故こちらを見てくるのか聞いてみようと声をかけようとすると
手招きをした。そしてこっちへ来いというジェスチャーをした。
作業員は誘われるがままに獣道を歩き、着いていくと女はある巨木の前で止まった。
レインコートの女の人
と、掠れた声で話しかけてきた。
作業員は言われるがまま手で土を少掘ると──
指輪をした白骨の手が出てきた。
驚いた作業員は傍にいるレインコートの女の方を見た。
するとそこには雨風に晒され苔むした赤いレインコートが木に引っかかっているだけだった。
作業員は不思議に思い作業場に戻ってみると
そこは苔むして半壊したロッジと大きな濁った湖があるだけで、人は誰もいなかった。
その作業員は3年もの間行方不明で捜索されている人だったのだ。