コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ラト
ラト
ラト
普段の穏やかな口調からは 想像も出来ないラトの叫びが耳を貫く。
わたしはまた、 ぎゅっとこぶしを握る。
主
主
主
主
深呼吸をひとつ。
主
いつものように彼の名前を呼んだ。
主
主
ラト
ラト
ラト
頭を掻きむしり、 苦しそうにうめきながらラトは叫んだ。
ラト
ラト
ラト
主
主
主
主
ラト
ラト
ラト
ラト
ラト
ラト
ラトは叫び続けながら、 手近にあるものを投げつけてきた。
わたしは身構えながら、 少しずつ彼の元へ近づいた。
ラト
ラト
掠れた彼の声と、叩きつけられ、砕ける音で耳がいっぱいだった。
その中で、溢れ続ける思いがあった。
時々、彼の表情が曇る時があった。
この世界に来て、 悪魔執事の存在を知って
少し怖かったし、戸惑ったけれど、 みんなの優しさや天使との戦いのことを知って、
わたしはみんなを支えたいと思った。
その中で、 いつからか彼が特別になった。
最初はとっても怖かったし、 不思議な人だなって思ったけれど、
温かい優しさを持っている人だとすぐに気づいた。
それからは
一緒にお話をしたり、 食事をしたり、 本を読んだり、 演奏を聞いたり
時間をともにするなかで すこしずつだけれど、 自分のことを話してくれるようになった。
やわらかい笑顔をむけてくれるようになった。
それがすごくすごく嬉しくて
だけれど、わたしは、
全然彼のことを知らなかったんだと思い知らされた。