地下牢の中
主
主
わたしはラトに1歩近づいた。
ビクッと震えた彼は叫びながら、 またものを投げ始める。
ラト
ラト
主
主
主
ラト
ラト
悲痛な彼の姿に顔がひきつりそうになるのをぐっとこらえた。
主
主
主
主
主
主
ラト
苦しそうにもだえるラトの名前を私はたくさん呼んだ。
わたしに名前を呼ばれると心が温かくなると、
いつかラトが言ってくれた。
それがすごくすごく嬉しかった。
忘れられない、大切な思い出。
主
主
主
主
ラト
ラト
涙でぐしゃぐしゃになったラトと、ようやく目が合う。
主
わたしは必死に呼びかける。
主
主
主
主
主
ラト
ラト
ラトが攻撃を躊躇った一瞬をついて
私はそのからだをぎゅっと抱きしめた。
荒い呼吸と激しい心臓の音と
優しいぬくもりが私の中になだれこんできた。
ラト
ラト
ラト
ラトは抵抗を続けた。
喉の焼けるような叫びが痛かった。
振りほどかれそうな強い力に負けないようにぎゅっと彼を抱きしめた。
主
ラト
ラトの目から涙がこぼれる。
主
わたしはその涙を拭うために手を頬に近づける。
ラト
バチン!!!
ラトが勢い良くわたしの手をはらった。
主
突然の痛みに思わず声が漏れてしまう。
ラト
ラト
攻撃的な声とは裏腹に
酷く怯える無力な子どものような目だった。
主
主
主
主
主
主
コメント
2件
…コメント失礼します、書き方がスゴい上手だと思います。俺もラトが大好きなので、この物語が好きになりました。