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10の物語⑩-夏音-

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10の物語⑩-夏音-

1 - 10の物語⑩-夏音-

♥

10

2018年06月20日

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今、貴女の眼は何を映しているの?

何を感じて、何を思って

何をー...

貴女の世界まとても華やかだから

私には眩しすぎて

どうしようもないよ

君のそばにいた時間が

まるで嘘みたいだ

嘘だったらよかったなぁ

“あの時”を思い出さずに済む

君といた時間

君と笑った回数

君を見つめ続けた日々

...全部、初めから何もなかったみたいに

『私は消えて行くの』

こんな私のことを

貴女は、覚えていますか?

ナツネ

あ...

声は、この空間にこだますることなく

どこかへと消えて行く

何もかも吸い込んでしまいそうだ

私のことも

吸い込んでくれれば、どんなに楽だろうか

今までの罪や未練を全て忘れられる

兄さんは...、あの男はどこへ行ったんだろうか

彼がいないと、自分が本当にこの暗闇の中にいるのか不安になってしまう

自分は本当に存在しているのか

相手がいないと、それは証明のしようがない

...もう、限界を超えていた

頭がおかしくなるとか、もうそんなレベルの話ではない

自分の生存を疑うほどだ

ルイ

ナツネ

ルイ

ナツネ、ナツネ

ルイ

ナつネっ、...ナツね

ナツネ

え...

ナツネ

兄さん...?

どういうことなんだ

ナツネ

なに、これ...

兄さんが、上の方からボロボロと崩れ落ちていく

ナツネ

...っ

突然の気色の悪い感覚に身を震わす

見ると、兄さんの口から巨大な蛇なウゾウゾと這い出てきていた

その蛇は、そのまま私の足に絡みつき、身体を這ってくる

私の口の中に入ろうと、必死に抵抗する私の口を開けようとする

ナツネ

...っぅがっ

霞む視界の中、もう足下まで崩れ落ちた兄さんの身体が“それ”を物語っていた

この世で一番恐ろしいこと

“死”より恐ろしい

“死ぬ”という概念のさらに向こう

『誰かに操られる』ということ

蛇は私のナカ『胎内』へと入ってくる

途切れ途切れになる

「もういいや」という感情とともに

意識は薄くなる

蛇は私に言った

『ツギハオマエダ』

兄さん...

いつからこんなことになってしまったんだろうね...

ナツネの身体を奪った後

蛇はまだまだ同化しきれないナツネの口で言った

アノ、オトコハ

バカダッタ

カッテニ意シキをボウ走させルからこういうコトニなるんダ

自ラ自ブンの首を絞めルとは...

私“自分の身体”が愛する妹ノことを自分の手で汚すことがそんなにモ気に入らなかったトは

結果、裏メに出たのには同情すルよ

まさか、私がその妹の身体を奪うとは思わなカッタんだろうね

皮肉な話だなぁ

蛇はシュルシュルと嘲笑う

完全に同化しきったナツネの口で

...さて

さっきからどうもこの『カゲロウデイズ』の世界が騒がしい

虫は退治しに行かないとね

一変

時空がグラグラと揺れた

同時に黒と白が混ざりあったマーブル模様の世界が広がる

...

虫...

退治しないとなぁ

...え

夏音...?

...

...あぁ、この身体ではそういうことになってたのか

な、なに言ってるんだよ

夏音...

やっと、君に会えた...

...

シネ

お前はこの世界に必要ない

邪魔だ虫ケラ

...っな

な、なつ

夏音...

...

...じゃ、ないな

君は

誰だ

夏音の身体でなにをやっている

夏音を返せ

ほう?

よく分かったなぁ

だか、君はただ“分かった”だけなんだよ

虫ケラ君?

なにもできやしないだろう

...なにもできやしないのは

それは、今までの俺だ

これからは違う

夏音を支配しているお前を、許さない

夏音を自由にしてやる

口先だけか

つまらないなぁ

うるさい

口先だけなのはお前の方だろう

気づかないのか?

この世界、『カゲロウデイズ』の許容上限は人間の数で表すと10人

今この世界には一体何人の人間がいると思う?

...な

何人だ

お前の存在はここへ乗り込む前から分かっていたさ

そこで仲間と攻略法を考えた

そして、この世界には許容上限があることに気がついたんだ

っ...

お、まえ...

残念だったな

俺がここにいる時点でお前の負けは確定していた

もうじきお前は自分で自分の制御ができなくなる

気づかなかったのか?

何故、夏音の兄が突然取り憑いているお前に反抗できたのか

彼の執念深さのためだとでも思ったか

違うんだなぁ、それが

お前の、取り憑いている人間への支配力が薄くなったからだよ

...ぁぁ

自らの力に溺れ過ぎたか

自分は神であると

馬鹿だったなぁ

...な、なん、ナ

夏音は必ず連れて帰る

仲間にそう約束したんだ

まもなく、蛇はズリズリと夏音の身体から這い出てきた

夏音はビクともしない

が、息をしているのを確認すると、俺はフゥと息を吐いた

蛇は頭の部分からボロボロと崩れ落ちていく

それと同時に、この世界も端の方からボロボロと崩れ落ちていく

崩れ落ちた所々から、本当の光が差し込む

ごめんなぁ、夏音

ずっと、苦しかったろうに

一人ぼっちで

本当に

俺は夏音の手を肩から前へとまわし、背中に担ぐ

ついに、差し込んだ光が俺たちを包み込んだ

俺は、君のことが大好きだったよ

だったよって、今はもう好きじゃないの?

違うよ。これからも好きってこと

本当に?

本当です。

そっか。

うん。

私も、貴女のことが大好きだよ

本当?

本当ですよ。

そっか。

幸せになりたいね

なれるよ

なれるかな?

2人で、幸せになろう

刹那

これで、爽&夏音の物語は終わります

刹那

長い間見てくださりありがとうございました。

刹那

これで、10の物語シリーズは無事に完結となります

刹那

よかったら、これまでの作品、これからの作品

刹那

どちらも興味を持っていただけたら幸いです。

刹那

それでは、また。

🙇‍♀️終わり🙇‍♂️

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