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じいちゃんのタイムマシーン

じいちゃんのタイムマシーン

「じいちゃんのタイムマシーン」のメインビジュアル

111

第百十一話:迫り来る鉄猪(てつい)

2022年08月28日

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母ちゃんを助けるため

地下室に侵入してタイムマシーンを使った

接続されたパソコンに入力した日付は

俺の誕生日の前日の2014年7月18日

でも改良中タイムマシーンが不完全だったのか

キャスター

7月19日、こちら江の島のお天気は雨となってしまいましたが

キャスター

土曜日の今日はたくさんの観光客で賑わっています

明日夢

え……

俺が辿り着いたのは事故が起きる当日だった

明日夢

母ちゃん!!

テレビを消して玄関に走った

外に出たところでじいちゃんに出会し

作造

隣の家にどうやって侵入したんだ!?

まだタイムマシーンを制作途中だったじいちゃんは

俺が未来から来たなんて思いもしなかったのか

完全に俺のことを疑っていた

作造

鍵を盗んだのか?

琴音

とにかく警察に!

作造

今すぐ連絡して!

明日夢

ちょっと待って!!

明日夢

あの……

明日夢

タイムマシーン……

明日夢

作ってますよね?

本当は話しちゃいけなかったかもしれない

でも今ここで本当に警察を呼ばれたりしたら

母ちゃんを助けられなくなってしまう

だから思いきって打ち明けた

じいちゃんならわかってくれると思った

作造

君は……

作造

いったい……

明日夢

明日夢です

明日夢

中崎明日夢

琴音

明日夢って……

おばあちゃんは驚いていた

だって母ちゃんから聞いていたから

愛紗

琴音さん

愛紗

私もう名前、決めてあるんです

琴音

え?

琴音

でも……

琴音

まだ安定期にも入ってないわよね?

愛紗

でも待ちきれなくて!

琴音

何て名前にしたの?

愛紗

明日夢です

琴音

あすむ?

愛紗

明日の夢と書いて明日夢

琴音

素敵な名前

琴音

でも女の子だったらどうするの?

愛紗

大丈夫ですよ

愛紗

この子は男の子ですから

琴音

まだ性別はわからないでしょう?

愛紗

私にはわかるんです

愛紗

だって私の大切な宝物ですからね

子供の名前は明日夢にすると母ちゃんから聞いていた

そして明日夢と名乗る少年が目の前に現れた

しかも俺は若い頃の父ちゃんに似ていると言われたこともある

じいちゃんはそれに気づいたのか黙って頷いて

作造

駐車場に向かった

母ちゃんの行き先を教えてくれた

握りしめていたキーホルダーをポケットに入れて

駐車場に向かって全速力で走った

その道の途中で父ちゃんとすれ違った

俺の姿に気づくことはなく

家の方に向かって走り去っていく

何か忘れ物があったのか

理由はわからないが母ちゃんが一人なのは間違いない

明日夢

急がないと!!

俺は再び駐車場に向かって駆け出した

琴音

丈太郎さん?

琴音

丈太郎さん!!

作造

どうしたんだ?

丈太郎

母子手帳を忘れちゃって

琴音

愛紗ちゃんは?

丈太郎

駐車場の近くで待っててもらってます

丈太郎

自分で取りに行こうとしたから止めたんですよ

丈太郎

身重だってのに無茶しようとするから

琴音

丈太郎さん!

丈太郎

はい?

琴音

さっきあなたの家から……

作造

琴音……

作造

その話はいい……

琴音

何、言ってるの!?

丈太郎

何ですか?

作造

いや、何でもないんだ

琴音

あなた!!

丈太郎

???

駐車場に向かって走っている途中

不意にこれまでの母ちゃんとのことが頭の中を駆け巡った

愛紗

嘘……

愛紗

未来人!?

明日夢

え……

明日夢

何で!?

明日夢

父ちゃんが誰かは言えないけど

明日夢

母ちゃんにとって父ちゃんは運命の人なんだよ

明日夢

父ちゃんも母ちゃんのことが大好きなんだ

愛紗

運命の人……

愛紗

あんたの父親が?

愛紗

私……

愛紗

男の人が怖いの……

明日夢

え……

愛紗

頑張ったら……

愛紗

褒めてくれる?

明日夢

うん

明日夢

褒めるよ

明日夢

むしろ讃えちゃうかも

愛紗

ふふふ

愛紗

何それ……

愛紗

本……当に……

愛紗

私……

愛紗

あんたの……

愛紗

母親……なの?……

明日夢

母ちゃん……

愛紗

あんたのお父さん……

愛紗

きっと素敵な人なんだろうな……

明日夢

母ちゃんが大好きになる人だよ

愛紗

運命の人なんだもんね

明日夢

うん

明日夢

やっぱ父ちゃんは凄いや

愛紗

え?

明日夢

ちょっとのメールだけで

明日夢

母ちゃんを笑顔にできる

愛紗

もうね……

愛紗

最高に幸せ

愛紗

私やっと前に進めた

愛紗

丈ちゃんのおかげだよ

愛紗

もう大丈夫だから

明日夢

父ちゃんかっこいいな~

明日夢

まるでナイト様だね!

愛紗

ナイトじゃなくて王子様!

明日夢

白馬に乗った?

愛紗

白馬じゃなくて

愛紗

青い車の王子様~

愛紗

なんてね~

明日夢

母ちゃんは凄いね……

愛紗

な、何が?

明日夢

いきなり現れた俺の言うこと信じてくれたし

愛紗

何でかな~

愛紗

明日夢だからかな

明日夢

え?

愛紗

だって明日夢は……

愛紗

大好きな人との間に生まれてくる宝物だもん!

明日夢

宝物……

母ちゃんは悩んだり迷ったりしながらも

今の幸せを手に入れて

俺のことも諦めずにいてくれた

だから守りたい……

愛紗

痛ーい!!

全速力で走って辿り着いた先に

転倒して動けずにいる母ちゃんの姿が……

愛紗

やだ……

そこに大型のトラックが迫っていた

愛紗

明日夢……

明日夢

母ちゃん!

明日夢

母ちゃーん!!

愛紗

え!?

キキィィィィィィ!!

ドォォォォォォン!!

全身に走る激しい痛み

自分に何が起きたのか直ぐには理解できなくて

でも地面に叩きつけられてやっと

吹き飛ばされたことがわかった

じいちゃんのタイムマシーン

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