その日鳥居をくぐって現れたのは 見慣れない青年だった
伊賀原千紅沙
私は落ち葉をほうきではきながら その青年の様子を伺っていた
するとその青年は こちらに近づき話しかけてきた
向井康二
伊賀原千紅沙
向井康二
向井康二
彼は柔らかい笑みを浮かべながら そう教えてくれた
明るくていい人だなと私は直感的に思った
向井康二
伊賀原千紅沙
向井康二
伊賀原千紅沙
伊賀原千紅沙
向井康二
伊賀原千紅沙
伊賀原千紅沙
私も彼に続き笑みを浮かべと 彼もまた笑みを浮かべる
向井康二
伊賀原千紅沙
私はお参りをする彼を見て 彼はきちんとやり方が分かっていた
礼儀正しいなとさらに好印象になった
するとお参りを終えた彼が再び戻ってきた
向井康二
伊賀原千紅沙
絵馬とは神社などで願い事をする際に奉納する絵が描かれた木の板のこと
願いが叶ったお礼としても奉納することがある
私は彼に筆と木札を差し出すと彼はしばらく考えて筆を動かし書き始めた
そして彼は鳥居のそばに絵馬をかけて 満足そうな表情をしていた
向井康二
伊賀原千紅沙
私は彼の背中を見送りながら とある疑問が浮かんだ
伊賀原千紅沙
夕刻になり神社には人気が無くなってきた
私は無意識に彼の絵馬を目で探していた
伊賀原千紅沙
私は彼の書いた絵馬を見てみる
その瞬間胸が凍りついた
『立派な土地を作れますように』
短いその文字列が私の心を深く突き刺した
伊賀原千紅沙
“土地を作る” それは木を伐り山を削ること
自然を変えてしまうこと
小さい頃から自然に触れてきた私にとってそれは“穢れ”に等しかった
コメント
14件
続きめっちゃ気になる笑 土地をつくる、??笑 こーじだぁ!!
参拝者は向井くん だったんだ! これからどうなってくん だろう…?
土地を……作る❓笑