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7月7日 午前11時45分
人事課 安藤 真理砂（あんどう まりさ）
羽澄 律（はすみ りつ）
網井 炎（あみい ほむら）
羽澄 律（はすみ りつ）
羽澄 律（はすみ りつ）
網井 炎（あみい ほむら）
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羽澄 律（はすみ りつ）
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7月7日 午後4時40分
社長 春瀬 降（はるぜ こう）
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吾妻 侑（あずま たすく）
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吾妻 侑（あずま たすく）
吾妻 侑（あずま たすく）
羽澄 律（はすみ りつ）
「神様。」
「あなたはいつも」
「見ているだけね。」
「そんな風に言ったら 可哀想だよ、周。」
「神というのも大概忙しいものさ。」
「そうなの？」
「そりゃあそうさ。」
「神の元へは世界中から 依頼が寄せられるんだ。」
「流石の神も、一苦労さ。」
「それもそうだね。 神様はたった1人だもんね。」
「それに俺たちは神が多忙であることに感謝しなくちゃいけない。」
「どうして？」
「きっと、神が多忙だから見逃されているのさ。」
「神は全知全能だからね。」
「他の何かにご執心でなければ、とっくに雷かなにかを落としてるさ。」
「神は短気だからね。」
「…どういうことか分かんないよ。」
「ごめんごめん。」
「とにかく、よく分からないけれど神は俺たちを許しているってことさ。」
『司教！ ｰｰｰｰｰハンニ司教！』
「なんだか呼ばれてるみたいだ。」
「全く、聖職者ってやつも大概、 忙しいものだな。」
「いっちゃうの？」
「大丈夫。あと数刻で夕食だ。 また夕食の時に会えるさ。」
「うん」
「悲しい顔をしないで。 俺は君との約束を果たすまで、 ずっとそばにいる。」
「ほら、夕食までに宿題をやっておくんだよ。」
「はーい。ハンニ司教。」
7月7日 午後3時50分
社員C
九十九 周（つくも あまね）
社員D
社員C
社員D
社員C
社員D
バタン
九十九 周（つくも あまね）
九十九 周（つくも あまね）
九十九 周（つくも あまね）
保存期間の過ぎた書類は、
溶解処分する。
クリップやプラスチックファイル。
色紙や圧着紙。
分別されずに捨て置かれた書類箱。
いくつあるのかも分からない。
一箱、一箱を開けながら、
分別し、紙紐で綴り直し……。
そんなことをしながら、
今朝見た夢を思い出していた…。
九十九 周（つくも あまね）
九十九 周（つくも あまね）
九十九 周（つくも あまね）
それは遠く遠く、
過去のようで、
それなのについ昨日のことのように、
馴染み深い記憶。
九十九 周（つくも あまね）
ゴーン…ゴーン…
『怖いわ…殺人なんて。』
『犯人は捕まらないのかしら？』
『体の血液を全て 抜かれていたらしいわよ。』
『猟奇殺人…ということ？』
『こんな神の住まう 家で殺人だなんて…。』
『この教区を取り仕切る 司教様だったのよ。』
『明日からはどなたが 役割を担うのかしら…。』
ゴーン…ゴーン…
「シスター・ローザ…。 何故鐘をならすの？」
『周…。別れを惜しんで 鐘を鳴らすのよ。』
『あなたもお別れするのが 悲しいでしょう？』
「……うん。」
「皆さん、こんにちは。」
「本日からこの教区を担当する、 ハンニです。宜しくお願いします。」
『ハンニですって…。 洗礼名ではないのかしら…。』
「さすが、そちらのシスターは 才女ですね。」
「私は北欧の生まれでして。 実はハンニは本名なのです。」
「洗礼名は キプリアヌスと言います。」
「教会には幼い子も多くあるので、 短い名前… ハンニで自己紹介しています。」
「呼びやすい方で 呼んでくださいね。」
「やあ。君が周さんだね。」
「一人で遊んでるの？」
「…ハンニ…司教？」
「嬉しいな。覚えてくれたんだね。」
「しかしここは広いな。 日本でも最大の広さじゃないかな。」
「迷子…？」
「あはは…！まさか…！」
「こう見えてもね、 俺は35歳を迎えた良い大人でね。」
「流石に迷子にはならないかなぁ。」
「35歳…。」
「…あまりジロジロ 見ないでくれる？ なんだか居た堪れないよ…。」
「ところで良かったら 一緒に遊ばない？」
「君の…周のやりたい 遊びをしよう。」
「いいの…？」
「もちろん。これから宜しくね。」
九十九 周（つくも あまね）
九十九 周（つくも あまね）
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羽澄 律（はすみ りつ）
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羽澄 律（はすみ りつ）
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なんだか今日は、
教会のことをよく思い出す。
ゴーン…
ゴーン…
鐘の音が鳴り響く。
ミサがあるのかな…なんて。
ぼんやり思考する。
そんなわけはないのに。
もう教会を出て数年が経つ。
鐘の音は遠く離れた。
ゴーン…
ゴーン…
だったらなんで…。
7月7日 午後11時55分
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羽澄 律（はすみ りつ）
「ハンニ司教…ここはどこ…？」
「ここはね、神に祈りを 捧げる場所だよ。」
「いつもの礼拝堂と 何が違うの？」
「そうだな… ここは特別な場所で、」
「いつもよりも神様が近くにいる。」
「分かりやすくいうと、 そんな感じかな。」
「ふーん。そうなんだ。」
「そうだよ。…さあ、」
「周、目を閉じてお祈りするんだ。」
「目を開けていいと言うまで、 目をつむっているんだよ。」
「…？」
「わかった…。」
「よし。いい子だ。」
眩い光が辺りを包む。
痛みで身体が張り裂けそうだ。
俺は思わず、術を解いた。
瞬間、身体が炎に包まれる。
真っ白いこの空間には不釣り合いな
緋色の業火。
眩い光。
目を開けることも困難な光。
すでに燃えている体が、
更なる熱で燃やされるようだ。
アミー（ハンニ）
アミー（ハンニ）
アミー（ハンニ）
アミー（ハンニ）
アミー（ハンニ）
アミー（ハンニ）
アミー（ハンニ）
アミー（ハンニ）
アミー（ハンニ）
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アミー（ハンニ）
アミー（ハンニ）
アミー（ハンニ）
アミー（ハンニ）
アミー（ハンニ）
アミー（ハンニ）
アミー（ハンニ）
アミー（ハンニ）
アミー（ハンニ）
アミー（ハンニ）
アミー（ハンニ）
…もう、持たない…！
アミー（ハンニ）
アミー（ハンニ）
アミー（ハンニ）
アミー（ハンニ）
アミー（ハンニ）
身体が…
燃える…！
普段の炎が偽りであったかのように、
これが…死か…。
「ハンニ司教…！」
「どこか痛い…？」
「…ここは…？」
「お祈りしてたはずなんだけどね？」
「気がついたら部屋に戻ってたの。」
「ごめんなさい…。 私が重かったから 疲れちゃったんだね…。」
「はははっ！まさか！」
「…っててて！」
「…やっぱり！ どこか怪我したの？」
「…違うよ。 でもまぁ、歳かな…。」
「ハンニ司教… 今日はここでお休みする？」
「うーん…折角のお誘いだけど…。」
「ここが周の部屋ということは、 シスターの宿舎なわけで。」
「シスターの宿舎ということは、 非常にまずい状況なんだよなぁ。」
「…よく分かんないよ。」
「そうだな。 周にはまだ、分かんないよな。」
周、俺にもよく分からないが…。
どうやら俺は、
赦されたらしい。
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