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メロン売り

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メロン売り

1 - メロン売り

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2020年02月24日

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俺が学生の時の話。

アルバイトでテレビゲーム屋の店員をしていた。

休日だったが客の入りは良くなかったある日の事。

その時店内には、 店長と俺とあともう1人のバイトがいた。

閑散とした店内に、 つなぎを着た中年の男が入ってきた。

店長

いらっしゃいませ

店長がそう言い終わらないうちに、 その男がレジの所で話しかけてきた。

あの...ちょっと

店長

はい?

メロン買わないかい?

店長

えっ?

話によると男は東北の方からやってきたメロン販売業者だという。

店長は仕事中だし結構です、と断っていたのだが、男は食い下がり

じゃあ試食だけでも、ね?
美味しかったらでいいから。

まずかったら
買わなくていいから

そんなことを言い出した。

店長

じゃあ、試食だけだったら

店長が折れると、その男はちょっと待ってて、と一旦外へ出てメロンを取りに行った。

俺は男の意味不明さに、ポカンとしていた。

正直メロンが好きじゃなかったから どうでも良かったのだが。

男が戻ってきた。

手にはメロンの入った大きな箱とまな板、そして大きな包丁。

店内に刃物が持ち込まれて、 店長が固まった。

自分

(うわ、店内で切るのかよ...
この変な男に包丁持たせるの怖いな...)

そんな俺たちをよそに男はメロンを1個取り出して、 慣れない手つきで切りはじめた。

その手つきはどこかぎこちない。

ただ、メロンにすうっと入っていく その包丁の切れ味は、確かな物だとわかった。

さぁ...食べてみて

1口サイズに切られたメロンを口にする店長と俺たち。

俺はメロンは嫌いだが、場の雰囲気に逆らえず、仕方なく一切れ口に運んだ。

自分

(なんか、口がピリピリする
まずっ)

メロンが嫌いな俺が言うのもなんだが、それはお世辞にも美味しいとはいえないものだった。

俺だけじゃなくて他の2人も同様で

店長

申し訳ないけど、
口に合わないです

そんなこと言わず買ってくれよ、
1個でいいから...

そういう男の手には、 ずっと包丁が握られている。

男の目がだんだんと すわってきた。

店長

あの、ちょっとこのメロンは
熟れすぎですよね......

1個3000円でいいんだよ

3人で割れば1000円ずつで
済むだろうが

店長

だから...美味しくないんですって
このメロン

店長はほとほと 困り果てた顔をしていた。

包丁を持った男の顔はだんだんと 昂揚して赤くなってきていた。は

俺ももう1人のバイトも 恐怖で固まっていた。

一同

(暴れたらどうしよう...)

分かった

男は以外にも大人しくそう言った。

ほっとするのもつかの間 次の瞬間男は意味不明な事を口にした。

帰るから、メロンの箱を
外まで持ってきてくれないか

[1人で持って行けるだろう?!] そう思った俺たちは動かなかった。

だが男もまた、 俺たちが動くまで微動だにしなかった。

これ以上変な事をされると大変だ...

自分

店長、俺が持って行きます

自分

(早くこの男に帰ってもらわなきゃ)

俺がメロンの箱をかかえて 男も一緒に店を出た。

店の前には1台のバンが止まっていた。これが男の営業車らしい。

車に積んでくれ

男が後ろのハッチを開けると、中にはメロンの箱の山が積まれている...のかと思いきや、

メロンの箱が一つも無かった。 同じくつなぎを着た、 目つきの悪い男が乗っているだけだった。

自分

ここに置いて置くよ。

目つきの悪い男が無言で、 俺の方に体を乗り出した、 その瞬間

男たちはそのままハッチを閉めて、 車を急発進させてどこかへ消えていった。

ナニかを察知した俺は慌ててバンから離れた。

店長

変な人たちだったな

店長

おい、
大丈夫か?顔が青いぞ

男がバンのハッチを閉める直前目つきの悪い男が[チッ]と舌打ちをしたのだ。

もしあの時に店長が 様子を見に来ていなかったら... 俺は今頃...

バンの中だったろうな

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