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俺が学生の時の話。
アルバイトでテレビゲーム屋の店員をしていた。
休日だったが客の入りは良くなかったある日の事。
その時店内には、 店長と俺とあともう1人のバイトがいた。
閑散とした店内に、 つなぎを着た中年の男が入ってきた。
店長
店長がそう言い終わらないうちに、 その男がレジの所で話しかけてきた。
男
店長
男
店長
話によると男は東北の方からやってきたメロン販売業者だという。
店長は仕事中だし結構です、と断っていたのだが、男は食い下がり
男
男
そんなことを言い出した。
店長
店長が折れると、その男はちょっと待ってて、と一旦外へ出てメロンを取りに行った。
俺は男の意味不明さに、ポカンとしていた。
正直メロンが好きじゃなかったから どうでも良かったのだが。
男が戻ってきた。
手にはメロンの入った大きな箱とまな板、そして大きな包丁。
店内に刃物が持ち込まれて、 店長が固まった。
自分
そんな俺たちをよそに男はメロンを1個取り出して、 慣れない手つきで切りはじめた。
その手つきはどこかぎこちない。
ただ、メロンにすうっと入っていく その包丁の切れ味は、確かな物だとわかった。
男
1口サイズに切られたメロンを口にする店長と俺たち。
俺はメロンは嫌いだが、場の雰囲気に逆らえず、仕方なく一切れ口に運んだ。
自分
メロンが嫌いな俺が言うのもなんだが、それはお世辞にも美味しいとはいえないものだった。
俺だけじゃなくて他の2人も同様で
店長
男
そういう男の手には、 ずっと包丁が握られている。
男の目がだんだんと すわってきた。
店長
男
男
店長
店長はほとほと 困り果てた顔をしていた。
包丁を持った男の顔はだんだんと 昂揚して赤くなってきていた。は
俺ももう1人のバイトも 恐怖で固まっていた。
一同
男
男は以外にも大人しくそう言った。
ほっとするのもつかの間 次の瞬間男は意味不明な事を口にした。
男
[1人で持って行けるだろう?!] そう思った俺たちは動かなかった。
だが男もまた、 俺たちが動くまで微動だにしなかった。
これ以上変な事をされると大変だ...
自分
自分
俺がメロンの箱をかかえて 男も一緒に店を出た。
店の前には1台のバンが止まっていた。これが男の営業車らしい。
男
男が後ろのハッチを開けると、中にはメロンの箱の山が積まれている...のかと思いきや、
メロンの箱が一つも無かった。 同じくつなぎを着た、 目つきの悪い男が乗っているだけだった。
自分
目つきの悪い男が無言で、 俺の方に体を乗り出した、 その瞬間
男たちはそのままハッチを閉めて、 車を急発進させてどこかへ消えていった。
ナニかを察知した俺は慌ててバンから離れた。
店長
店長
男がバンのハッチを閉める直前目つきの悪い男が[チッ]と舌打ちをしたのだ。
もしあの時に店長が 様子を見に来ていなかったら... 俺は今頃...
男