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我々怪異研究部!!

第9話 - 肝試し!!《廃トンネル編①》

456

2024年09月12日

#司類

#冬彰

#感動

#ほのぼの

#ホラー

あかまる🍓🐾໊@テスト

司

肝試しをしよう！！

彰人

……

類

……

冬弥

……

彰人

いや、まず掃除しろよ

床にはさっきあげた祝砲の紙吹雪やらなんやらが散らばっている。

司

すまん！！

類

でも肝試しかぁ、いいじゃないか。

冬弥

どこか目処はあるんですか？

司

うむ。この近くの山の廃トンネルだ。

彰人

うわっ、ヤバそ〜

冬弥

肝試し…けど、夜の山は流石に危険では無いですか？

司

夜には行かん。絶対に。

類

肝試しなのにかい？

司

怖いじゃないか！！！夜なんかにトンネル入るバカがいるか！！

彰人

肝試しなんてバカがやることでしょーが

類

まぁ、昼でもトンネルの中は暗いだろうし、雰囲気はあるだろうね。

冬弥

その廃トンネルって…出るんですか？

司

よくぞ聞いてくれた！！

司

実は、あの廃トンネルには噂があって…！

彰人

はい、先掃除してください

司

すまん！！

司

ではいくぞ。廃トンネルの噂だ。

司

まず…あの廃トンネル、明治時代に造られたものらしいんだ。

冬弥

かなり古いですね。

司

そう。それで、当時の労働者達は、かなり酷い扱いを受けていたらしい。

司

朝から晩まで死ぬほど労働させられた挙句、休んだり弱音を吐いたりすれば暴行等々…

彰人

うわっ……

司

それで、過労や暴行などが原因で大量に死者が出ていたらしい。

司

しかし、一々労働者を弔って墓を建てるのは手間がかかるし金もかかる。

司

そこで…死体を処理するために、トンネルの「柱」として利用することにしたそうだ。

類

わぁ…

司

人柱の労働者は全員男だったそうだ。

司

だが、トンネルに出るのは男ではなく、女の霊らしい。

彰人

えっ

司

廃トンネルに入ると、女のすすり泣きや血だらけの女に追いかけられたりするそうだ。

類

中々怖いねぇ

彰人

それ思ってます？

類

ふふ

冬弥

何故女性の霊が出るんですか？

司

1番有力なのは20年前のストーカー事件の被害者だと言われているらしい。

類

20年前のストーカー事件…

彰人

ちょっとググります？

冬弥

ぐぐ…？

彰人

あー、出てきた。20年前、あのトンネルでストーカー男に被害者女性が刺殺されたって。

彰人

トンネルもそん時に封鎖されて廃トンネルになったらしいですね。

司

あぁ、そうそれだ。

冬弥

物騒な世の中ですね。

類

ね。怖いねぇ

彰人

んで、いつ行くんですか？

司

今週の土曜日、予定のある奴はいるか？

類

僕はないよ〜

彰人

あっても空けるんで大丈夫っす

冬弥

俺も大丈夫です。

司

よし！なら、土曜日10時にトンネル前に集合でいいか？

彰人

うぃーす

冬弥

トンネル前……

彰人

あー、一緒に行くか？

冬弥

！いいのか？！

彰人

おう。なんかお前、迷子になりそうだし。

司

…

司

…類、あのトンネルまで行ったことあるか？

類

ん？無いよ。

司

そ、そうか！なら、場所とか…分からんだろ！

類

うーん…

司

特別に！オレが一緒に行ってやってもいいぞ！

類

…ふふっw

類

あぁ…そうだね。ならお願いしようかな。

彰人

うっわぁ……

冬弥

？

彰人

(自分が怖かったから一緒に行って欲しかったのか、もしくは類先輩に頼られたくなったのか…)

彰人

(どちらにせよあの言い方は面倒くさいしウザすぎる…)

彰人

(類先輩じゃなきゃ普通に嫌われてるだろうな…)

司

…む、彰人。何か失礼な事を考えているだろ。

彰人

いやぁ、別に？

類

おや、もう5時だよ。そろそろ帰らないと。

司

む、もうそんな時間か。

司

では、彰人と冬弥はもう帰っていいぞ！また土曜日な！

彰人

はーい。さよなら〜

冬弥

さようなら。

類

気をつけてね〜

司

……なぁ、類。

類

ん？

司

お、オレの事…好きか？

類

え？急になに？？

司

すまん！！！変なことを言ってるのは百も承知だ！！

司

だが…その、何故かふと思って…

類

ふーん……

司

……す、すまない！やっぱり忘れてくれ。

司

変なことを言ってすまなかった！

類

好きだよ。

司

……え？

類

好き。

司

ん？！？！///

司

待てっ！！！！ダメだっ！！！

類

えぇ、君が聞いてきたのに？

司

こ、これは思っていた以上にマズイ…！！

司

心臓がこのまま爆発してしまいそうなくらいうるさい…っ！！！

類

おや、それは大変だ。

司

よし…一旦落ち着こう。ちょっと類は向こうを向いてくれ。今は顔を見れん…

類

はーい

司

(何故だ？何故オレは急にあんな事を聞いた？)

司

(それに、何故こんなに心臓が苦しく…？？)

司

う"っ…

司

(また頭痛が……最近増えたな…)

類

ねぇ、そろそろいいかい？

司

わーーっ！！！

類

わっ

司

すまん！！帰ろう！！

ガラッ

司

む？

冬弥

あ

彰人

やべっ

類

おや、帰ってなかったのかい？

彰人

い、いやぁ。忘れ物して〜…

冬弥

すみません。天馬先輩の声が聞こえて、東雲とそのまま聞き耳を…

彰人

バカっ！！言うなよ！！

司

何、聞いとったのか？！

彰人

えっと〜…

冬弥

最初から最後まで聞いてました…

彰人

おいっ！！

類

ふふ、聞かれて困る話じゃないし構わないよ。

司

あぁ。まぁな。

彰人

え…そうなんすか？結構聞いてる側は恥ずかしかったですけど。

類

聞いてたんだね。

彰人

あ

冬弥

天馬先輩と神代先輩は…付き合ってるんですか？

司

ん？！いや、断じてそんな事は無いぞ！

彰人

えぇ…じゃあ何であんな事聞いたんですか？

司

それは……

司

オレが…1番知りたいくらいだ。

司

ただ、類を見てたら、何故か勝手に口が動いて…

彰人

ふーん。そんなに類先輩のこと好きなんですか？

司

好き……？

司

…………っ！！///

司

知らん！！！分からん！！

彰人

え、ガチっぽいの困るんですけど。

司

う、うるさい！！帰るぞ！！

彰人

あれ〜？顔真っ赤ですよ〜？

司

や、やめろ！知らんっ！！

類

ふふ、随分とからかわれてるねぇ。

冬弥

東雲が悪い顔してますね…

類

ふふ、たしかに。

冬弥

…神代先輩は、天馬先輩の反応に何とも思わないんですか？

類

ん？あぁ、彼って僕のことが本当に好きなんだなって思うよ。

冬弥

えっ…そんなさらっと…

類

ふふ。だって知ってるからね。

冬弥

知ってる？

類

あぁ。ずっと前から。

冬弥

？それはどういう…

司

2人ともー！！鍵閉めるぞ！

類

はーい。すぐ行くよ。

冬弥

…

彰人

青柳？どした？

冬弥

いや……

冬弥

(神代先輩は…時々、すごく遠くを見ているような気がする…、)

冬弥

…なんでもない。

土曜日

廃トンネル前

司

おお！全員揃ったな！！

彰人

うぃーす

司

回る順番だが、昨日決めた通り最初に類と冬弥、その次にオレと彰人な。

冬弥

分かりました。

彰人

なんで俺が司センパイなんだよ…

司

公平にくじで決めただろうが！

類

トンネルの向こう側に咲いてるたんぽぽを持って帰って来ればいいんだよね？

司

ああ。そうだ。

彰人

まだたんぽぽって咲いてるんすか？

司

この辺りはまだ咲いてたはずだ。もし無ければ連絡してくれ。

冬弥

分かりました。

類

じゃ、青柳くん行こうか。

冬弥

はい。

彰人

気を付けろよ〜。追いかけられて転ぶなよー

冬弥

ああ、足元には気をつける。

彰人

真面目かよ。

司

類も、気をつけるんだぞ。

類

ああ、行ってくるね。

トンネル内

冬弥

流石に昼でも雰囲気ありますね。

類

そうだねぇ

類

青柳くんって、こういう所怖かったりするかい？

冬弥

そうですね…少し、

冬弥

神代先輩は…動じないと言うか、怖がらないですよね。

類

まぁ、僕はねぇ…

類

…そうだ。神代じゃなくて、類でいいよ。彰人くんもそう呼んでるし。

冬弥

えっ、いいんですか？

類

あぁ。後輩とは仲良くなりたいからね。

類

僕も冬弥くんって呼ばせてもらうよ。

冬弥

分かりました、類先輩。

類

ふふ、君は素直でいい子だね。

ﾋﾟﾁｮﾝｯ…

冬弥

！

冬弥

…雨漏りですかね？

類

赤色の雫だったりするかもよ。

類

例の女性とやらにも会ってみたいねぇ。

冬弥

俺は別に会いたくはないですけど…

…

冬弥

(沈黙になってしまった…何か話題を…)

冬弥

(ここに…人柱になった人が埋まってるんだよな…)

類

わぁっ！

冬弥

！？

類

あぁ、こういう怖がらせ方って良くないんだっけ？

冬弥

び、びっくりしました……

類

ごめんね。やりたくなっちゃって。

冬弥

(意外と子供っぽい所あるんだな…)

類

…予想はしてたけど、やっぱりいるね。

冬弥

え？

冬弥

か、怪異が…ですか？

類

ううん、虫が。

冬弥

虫？

類

あーあ。司くん本当にこんな所通れるのかな…

類

彼、虫が大の苦手なんだよ。

冬弥

えっ、そうなんですね。

類

うん。それに、怖いのも苦手なはずだよ。

冬弥

あぁ、好きだけど怖いって言ってましたもんね。

類

冬弥くんは、怪異ってどう思う？

冬弥

え、俺…ですか？

冬弥

えっと…正直、まだ半信半疑ではあります。なので、まだ何とも…

類

まぁ、入りたてだもんねぇ。

冬弥

類先輩はどうなんですか？

類

僕？僕はねぇ

類

うーん、可哀想だと思うよ。

冬弥

可哀想…？

類

怪異って、そこに未練や何かしらがあって留まってしまうパターンと、人の噂から生まれるパターンがあるんだよ。

類

前者は成仏したくても出来ないし、後者は人から忘れられれば消え去ってしまう。

類

それが…少し、可哀想だと思うね。

冬弥

そう…なんですね。

冬弥

なんと言うか…類先輩って、少し変わってますよね。

類

ふふ、よく言われるよ。

冬弥

……特に、何も起きませんね。

類

おや、そうかな？

冬弥

え？

類

冬弥くんも、このトンネルは初めてかい？

冬弥

は、はい。初めて来ます。

類

僕も初めてだから、本当かは分からないんだけどね、

類

このトンネルの長さは100m程らしい。

冬弥

100m…短いですね。

類

ああ。それで、もう30分近くは歩いているよね。

冬弥

…とっくに着いてもおかしくない頃ですね。

類

ああ。なのに、出口も入口も見えない。

冬弥

…

類

不思議だねえ

冬弥

………

ｽﾞｽﾞ…

冬弥

？！

類

？どうかしたかい？

冬弥

今…何かを引き摺るような音が…

類

ふむ…

ｽﾞｽﾞ…

類

あぁ、たしかに聞こえるね。

冬弥

後ろから…ですよね。

類

ちょっと振り返ってみようか。

冬弥

は、はい。

後ろを振り返るが、特に何も見えない。

闇だけが広がっていた。

類

何も無いねぇ

冬弥

そ、そうですね。

冬弥

(正直…早くここから出たい、)

類

…大丈夫？怖くないかい？

冬弥

えっ…と、

冬弥

少し…

類

そうかい。

類

よしよし、大丈夫だよ〜

先輩の手が俺の頭に乗り、なでなでと優しく動かされた。

冬弥

？！

類

不安にもなるよね。出られるか分からないんだもん。

類

でもね、大丈夫だよ。僕がいるからね。

子供に言い聞かせるような、そんな優しい声色だった。

冬弥

…

不思議と、心が落ち着いていく感覚がした。

冬弥

…はい、ありがとうございます。もう大丈夫です。

類

本当？良かった。

冬弥

(本当に…不思議な人だ。)

類

よし、じゃあ…早くここから出ようか。

冬弥

出られるんですか？

類

ああ。もう出られると思うよ。

類

歩けるかい？

冬弥

はい、歩けます。

類

よし。じゃあ、もう少し頑張って歩こうか。

足取りが、来た時よりも軽く感じた。

類

ほら、そろそろ見えてきた。

冬弥

えっ？ほ、本当だ…

どれほど歩いても見えなかった光が、1分も経たない内に見えてきた。

トンネルを抜けた先は、少し季節外れのたんぽぽやコスモスが咲いていた。

冬弥

こ、コスモス…？

類

おや、綺麗だねぇ

冬弥

(秋の花と春の花が同時に咲いている…)

類

えっと、たんぽぽを持って帰るんだよね。

冬弥

…あの、類先輩。

類

なんだい？

冬弥

…何故急に出られるようになったんですか？

類

…

類

怪異というのは、人の心と想いで生まれる。

類

このトンネルも、本来なら何の変哲もないただのトンネルのはずだ。

類

けど、君はここへ入る前に「女性の霊が出る」や、「人柱になった労働者が埋まっている」という話を聞いてしまい、それを意識してしまった。

類

そういう恐怖心や疑心から不思議なことが起こったんだろうね。

類

出られたのは、君の恐怖心が落ち着いたからだと思うよ。

冬弥

な、なるほど…？

類

ふふ、少し難しかったかな。

冬弥

言いたいことは何となく分かりました。

冬弥

しかし、どうも理屈が理解出来なくて…

類

理屈なんかないよ。

類

怪異や超的な現象に、理屈なんてつけられないのさ。

冬弥

(理屈じゃない…？)

冬弥

(そうか…理屈が付けられないから、人は恐怖を感じるのか。)

類

さてと、帰るにはまたトンネルを通らないといけないんだけど…

冬弥

はい、もう大丈夫です。

類

ふふ、なら良かった。

トンネル内

類

でも、女性の霊とかは会えなかったねぇ

冬弥

そうですね…どちらかと言うと、俺は女性よりも人柱の方を意識してましたし…

類

おや、そうなのかい？

類

なら、あの引き摺る音は人柱になった労働者のものだったかもね。

冬弥

…こ、怖いこと言わないでください、

類

ふふ、ごめんね。

類

あぁ、もう見えてきたね。

冬弥

こんなに短かったんですね…

ガサガサっと後ろから音がした

司

む、なんだ？！

類

や、やぁ。ただいま…

冬弥

…

彰人

え？お前らなんでトンネルの反対側から？

司

帰りは別の道を使ったのか？

冬弥

帰りも…トンネルを使いました。

司

何？！

類

まぁまぁ…不思議な事が起こったらしいね。はい、たんぽぽ。

司

おお…

冬弥

すみません、遅くなってしまって。

彰人

ん？まだ15分しか経ってねぇけど？

類

えっ

冬弥

え…

司

な、なんだ？その反応…何かあったのか？

類

…僕らがトンネルにいたのは恐らく往復で40分ほどのはずなんだよね。

司

む、そんなに経ってないぞ。ほら。

オレがスマホの画面を見せると、類と冬弥は顔を見合わした。

類

…

冬弥

…

司

な…何があったのかは後で聞こう。

彰人

んじゃ、ネタバレされる前に俺らも行きますか。

司

そ、そうだな。

司

よし…行くぞ！彰人！

彰人

へーい。

彰人

…って、おい。後ろに引っ付くのはいいけど服は引っ張らないで下さい。伸びるでしょうが。

司

す、すまん！

司

(引っ付くのはいいんだな…)

続く

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うん。完全に読む時間をミスったな。（21:36

司(引っ付くのは良いんだな…) 私(彰人も司に引っ付いて2人でビビりまくったまま帰って来ないかな…)

あ〜〜〜〜好き〜〜〜この子達のイラストも描きたい…

あかまる🍓🐾໊@テスト

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