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常連ニキ…助かっておくれ…
雨の雫が傘を濡らして視界を遮る。
携帯を見つめても、来て欲しい通知は来ない。
メイ
クロ
メイ
メイ
クロ
メイ
クロ
メイ
メイ
クロ
メイ
クロ
メイ
そんな話題の会話を、かれこれ二日ほど繰り返している。
あの人のことなので何をしているか分からないのが、 余計に心配事を増やさせるのだ。
メイ
メイ
クロ
メイ
クロ
メイ
メイ
メイ
メイ
メイ
─瞳も、言動も、雰囲気も。
先輩のすべてが、 何か霧のようなもので覆われている。
昔の僕と、似たような境遇。
何を見つめても、何をしても、
自分の抱える闇に縛られて。
メイ
メイ
メイ
メイ
メイ
メイ
クロ
クロ
クロ
手元から振動を感じた。
会話の初め方がゆるい。 さすがは先輩である。
クロ
メイ
クロ
メイ
メイ
メイ
メイ
クロ
メイ
メイ
クロ
メイ
クロ
メイ
微かな甘い香り。
振り向くと、つやつやの黒髪が目に入る。
伊織
クロ
メイ
メイ
伊織
伊織
…多才だなあ。
伊織
クロ
伊織
……あざといなあ。
─長いまつ毛に、煌めくアイシャドウ。
リップで色づいた唇は色っぽく息を吐く。
一体何をしていたのか言及する勇気がなく 戸惑っていたところに、
クロ
クロ
クロ
クロ
と、クロが勇気ある発言をしてくれた。
先輩は戸惑いの表情を浮かべ ついに諦めたのか、
伊織
と呟いた。
まさかの伏線回収に声を荒げてしまう。
メイ
メイ
伊織
伊織
先輩はにやついた。
本当に、自由人すぎて… 手が回らないよ。
クロ
伊織
伊織
無垢な雰囲気を纏う先輩は目を細める。
僕らが言葉に詰まっていると、 その笑みは次第に消えていく。
伊織
メイ
メイ
伊織
伊織
─考えていたこと全部言われてしまった。 もうそれを咎めても通じない。
伊織
伊織
伊織
伊織
伊織
伊織
伊織
こちらをじっと見つめて涙を零す先輩の目は、 感情がごちゃごちゃになって渦巻いている。
寂しさ、悲しみ、それと─
─雨のせいなのかは知る由もない、 膨大でどんよりとした、闇。
伊織
伊織
その、渦巻く闇に吸い込まれる。
背中を、冷や汗が伝う。
先輩の震える声は、胃の中に留まることを知らない。
伊織
伊織
伊織
伊織
伊織
伊織
ふらふらと空気に漂う声は、雨でかき消されていく。
闇が渦巻く瞳をどうにかするなんて、 弱すぎる今の僕には、できない。
続