芹沢大和
芹沢大和
沢田マリカ
一日目の裁判が終わり
芹沢さんに静さんの裁判の様子を報告
担任の先生や教師Aの証言からも
この事件が突発的に起きたことではなく
五年前から日常的に繰り返され
隠蔽され続けた事件であることが伺える
かすみさんの心神喪失の疑いもなくなり
あと数日もすれば判決が下ることになるだろう
沢田マリカ
沢田マリカ
沢田マリカ
芹沢大和
沢田マリカ
芹沢大和
芹沢さんとの面会、警察、検察での取り調べで
かすみさんはずっと義母の存在を主張し続けていた
義母が生きているかのような発言に心神喪失が疑われ
その後、義母の死を認識した上での発言だとわかり
かすみさんが意図的に心神喪失を装ったと思われていたが
本当は心神喪失を装っていたわけではなく
亡くなった義母の位牌を義母に見立て
日々の恨み辛みを吐き続けていたことが判明
それが徐々にエスカレートするにつれて
かすみさんの中で「位牌=義母そのもの」と言う認識になり
井川かすみ
と言う発言をするに至った
でもかすみさんはそれが位牌であることもわかっていて
井川かすみ
と言う理由から
矛先が娘であるあすみさんに向かったと供述
このまま続ければ危険だと言うこともわかってはいたが
井川かすみ
井川かすみ
そんな言葉を口にしていた
法廷で一切の反省の言葉を述べなかったかすみさん
自分のしたことを"仕方なかった"と表現していた
保護した時のあすみさんは酷い状態だった
それは駆けつけた救急隊員も目を背けるほどで
あそこまで傷つけてもなお
"仕方なかった"と言える神経は到底理解できない
芹沢大和
芹沢大和
芹沢大和
芹沢大和
優真さんの事件発覚から約二ヶ月
勾留中の優真さんが何度も私にあすみさんのことを訴え続け
かすみさんが訴えを取り下げ釈放されてからも
あすみさんを助けるために必死だった
ずっとそばにいたいと言う二人の願いが叶うことはなかったが
優真さんはきっと今もあすみさんのことを想い続けている
優真さんが彼女を拉致しなければ
あすみさんは愛情を感じることなく
あの部屋で亡くなっていたかもしれない
きっかけは拉致と言う特殊なものだったが
あすみさんは心から人を愛し愛される喜びを知った
優真さんとは離ればなれになってしまったが
きっとこれから明るい未来が待っている
私はそれを信じたいと心から思った
その頃
病院でリハビリを開始したあすみさんは
まだうまく身体を動かせないながらも積極的に取り組み
時々、様子を見に行く梶原さんも驚くほど元気なっていた
このままリハビリがうまく行き
日常生活が送れるようになったら
あすみさんは児童養護施設に入りそこから高校に通うことになる
そんな彼女の左手には優真さんの手錠が……
優真さんを想う気持ちからあえて片方しかはめられていない
優真さんと共に警察に見つかった際
手錠は監禁の証拠として押収されていた
優真さんは釈放された後に還付請求をして返却してもらい
ずっと大切に保管していたのだが
あすみさんが一般病棟に移ったあの日
井川あすみ
優真さんがあすみさんに手渡していたのだ
井川あすみ
彼女にとって大切なお守りであり
優真さんとの思い出が詰まった大切な宝物だった
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