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琴美(ことみ)

ねぇ調子乗ってるの?いい加減にしてくれる?

鏡花(きょうか)

違う…私そんなつもりじゃ…

バシャッ

結子(ゆいこ)

あっはは笑まだ9月の上旬でよかったね〜笑

結子(ゆいこ)

涼しいし、ちょうどいいじゃん笑

琴美(ことみ)

大体クラスで1番クロッキーがうまいのは私だったのに、

杏(あんず)

ほんとほんと。琴美の出番取るなんて最低。なんのつもり?

鏡花(きょうか)

私は、昔から絵が好きで、普通に描いてただけなの。

結子(ゆいこ)

は?だから何?

琴美(ことみ)

あんたのスケッチブック、破っといたから。もう当分かけないね。

杏(あんず)

どんまーいwww

鏡花(きょうか)

嘘…

3人は帰って行った。女子トイレに頭からずぶ濡れの私を残して。

このクラスに進級した4月私はこの3人のグループ

いわゆる一軍というやつに属していた。

でもある日を境に、私もいじめられる側に落ちた。

5月13日

杏(あんず)

ねぇ、あの文月ってやつやばくない?前髪なっがw

結子(ゆいこ)

ブスだから隠してるんでしょwてかあいつ喋んないよねwwww

琴美(ことみ)

あーゆーキモイやつが意外と1番変態だったりねw

杏(あんず)

私たちで変な想像してたらどうする????

結子(ゆいこ)

きっっしょ!!www

文月(ふづき)

…………………………

琴美(ことみ)

きょーちゃんはどう思う?

鏡花(きょうか)

………文月はそんな人じゃないと思うな…

結子(ゆいこ)

え、何きょーちゃん知り合いなの??

杏(あんず)

まぁ同じ美術部だしね〜まさか彼氏とか???

結子(ゆいこ)

えー!きょーちゃん趣味悪っっwww

鏡花(きょうか)

そ、そんなんじゃないよ!…でも文月は優しい人だよ…。

琴美(ことみ)

じゃーさー、今日告ってよ。

鏡花(きょうか)

え?!

琴美(ことみ)

で、家で2人だけになっても何もしなかったら

琴美(ことみ)

あのキモ男は変態じゃないってことにする

結子(ゆいこ)

いーねそれwww最高w

鏡花(きょうか)

嫌だよ、私そんな事!

杏(あんず)

えー?大切な彼氏救うチャンスだよー???

琴美(ことみ)

やらなかったら、そっこー三軍だよ?

結子(ゆいこ)

グループから外すから

文月がこっちを見て、口パクで

「やるって言え」って言っていた。

鏡花(きょうか)

やらないから。どんなに脅されたってやらない。

鏡花(きょうか)

文月は昔からの大事な友達なの。そんな事に使いたくない。

結子(ゆいこ)

そっか

杏(あんず)

決まりだね。

琴美(ことみ)

次のターゲットは、きょーか、ね?

鏡花(きょうか)

……

この日を境に、私はずっといじめられている。

担任が男なのをいいことに女子トイレでやられる。

鏡花(きょうか)

スケッチブック…

リュックから取り出した私のスケッチブックはボロボロだった。

この中には、文月が描いてくれた私の絵があったのに…

鏡花(きょうか)

鏡花(きょうか)

…文月なんで死んじゃったの?

鏡花(きょうか)

あの日、事故に会わなければ…

鏡花(きょうか)

…会いたい…会いたいよ…

鏡花(きょうか)

……助けてよ

今まで堪えてた涙が一気に出てきた。

鏡花(きょうか)

…私も、文月んとこに行っちゃだめ…?

文月(ふづき)

文月(ふづき)

ダメだ

鏡花(きょうか)

…え?文月?…まさか…ね…

文月(ふづき)

いや俺だけど

鏡花(きょうか)

ええええええええええええええ!!!!

文月(ふづき)

声デカすぎ笑

文月(ふづき)

久しぶりだな

鏡花(きょうか)

文月なんで?事故で死んだんじゃ?!

文月(ふづき)

だから会いに来たんだよ。半透明人間?になって。

鏡花(きょうか)

ほんとだ…半透明…

文月の向こうに鏡と洗面所が透けて見える。

鏡花(きょうか)

どうやってきたの?

文月(ふづき)

んー…鏡花に呼ばれてる気がして来ただけ、かな

文月(ふづき)

つまり、鏡花たちの世界で誰か一人でも俺を求めてくれる人がいたら

文月(ふづき)

俺はその人の守護霊になれるってわけ。

鏡花(きょうか)

ほ、ほんとに?!また会えて嬉しい…!

文月(ふづき)

俺もだよ。でも条件がある。

鏡花(きょうか)

え?条件?

文月(ふづき)

俺はお前の親戚でも家族でもない。だから本物の守護霊にはなれない。

鏡花(きょうか)

つまり…?

文月(ふづき)

…つまり、鏡花とは3日間しか一緒にいれない。

鏡花(きょうか)

3日…。

鏡花(きょうか)

…それでもいい。お願い、そばにいて。

文月(ふづき)

今、1人なんだろ?クラスで。

鏡花(きょうか)

うん…

文月(ふづき)

あん時に俺の味方なんかしなきゃ良かったのに

鏡花(きょうか)

それは嫌だったの!!

鏡花(きょうか)

文月には何度も助けられたから、

文月(ふづき)

おいおい幼稚園か小学校の話だろ?

文月(ふづき)

俺たち高校生だぞ?

鏡花(きょうか)

そうだけど…

文月(ふづき)

まぁ記憶力がいいのはいい事だけど

文月(ふづき)

もっと別のことに使えよな笑

鏡花(きょうか)

笑笑

鏡花(きょうか)

(本当に文月だ…)

それからは毎日が薔薇色だった。

私がいじめられてるのを見たら文月が助けてくれた。

もちろん文月のことは見えないから皆気味悪がって逃げたてった。

ー2日目

文月(ふづき)

お前さー、学校サボるなよ

鏡花(きょうか)

こんな機会一生ないじゃん!どっか行こーよ!

鏡花(きょうか)

どこ行きたい?そう言えばこの前、海に行きたいって言ってたでしょ?

文月(ふづき)

本当に無駄に記憶力いいな

鏡花(きょうか)

いこいこ!!

数十分後

鏡花(きょうか)

ついたー!

文月(ふづき)

やっぱここの海は綺麗だな

鏡花(きょうか)

あ、見てみて!貝殻!

文月(ふづき)

…鏡花、立ってて

鏡花(きょうか)

え?うん

文月は絵を描き始めた。

生きてた頃と変わらない。

手だけ見ると荒っぽく書いているように見えるけど、

キャンパスを見るとびっくりするほど繊細なのだ。

鏡花(きょうか)

…私ね、文月に憧れて美術部入ったの。

文月(ふづき)

なんだよいきなり笑

鏡花(きょうか)

文月の描く絵が好きで私もあんな風に書けたらなって思ってさ。

文月(ふづき)

へーー。

鏡花(きょうか)

鏡花(きょうか)

…………私さ、実はまだ言ってなかったんだけど

文月(ふづき)

ん?

鏡花(きょうか)

(……ダメだ言えない)

鏡花(きょうか)

勝手に文月のアクリル絵の具使ってしまいましたすみません!!!!

文月(ふづき)

は?!通りで緑が少ないと思ったんだ!!

鏡花(きょうか)

許して★

文月(ふづき)

さっきの雰囲気から言うことじゃねーだろそれ((

こんな感じで2日目も終わってしまった。

ついに3日目(最終日)が来てしまった。

ー放課後

琴美(ことみ)

きょーこ、早く来て。

鏡花(きょうか)

(今日は最終日でこんなことしてる暇ないのに…)

琴美(ことみ)

ガッッ(殴り音)

鏡花(きょうか)

うぐっ……

琴美(ことみ)

最近、機嫌いいあんた見てると余計イライラすんだよ

結子(ゆいこ)

ゴッ(殴り音)

鏡花(きょうか)

うっ…

右頬にアザが出来てしまった。

結子(ゆいこ)

えwwwごめんwww私のせいとか言わないでねw

杏(あんず)

わろたwww

琴美(ことみ)

もう死ねばいいのに。文月と

琴美が火のついたマッチを持って近づいてくる。

杏(あんず)

それで全焼でもすればw

結子(ゆいこ)

写真撮って拡散したげるwww

琴美(ことみ)

じゃあね

鏡花(きょうか)

やめて…来ないで…!

その瞬間、文月がマッチを奪い取った。

火のついた方をしっかりと握っている…。

琴美(ことみ)

…嘘…何?

結子(ゆいこ)

え…怖…幽霊?

杏(あんず)

無理無理!!いじめの主犯は琴美だからね!!

結子(ゆいこ)

そう!私たち関係ないから!!!

琴美(ことみ)

ちょ、あ、あんた達!!!

3人は逃げるように去った。

鏡花(きょうか)

文月、今なら復讐できたよ?

文月(ふづき)

それより、鏡花といたい。

鏡花(きょうか)

……ありがとう。って

鏡花(きょうか)

手!燃えてるよ!!

文月(ふづき)

凄い、幽霊でも燃え移るもんなんだ。

鏡花(きょうか)

感心してる場合?!早く消して!!

文月(ふづき)

むだむだ笑これで成仏するよ

鏡花(きょうか)

…え?嘘でしょ、でもまだ

文月(ふづき)

ごめん、でももう鏡花に俺は必要ないよ。

鏡花(きょうか)

ううん、必要。いてくれないと困る。文月がいたから耐えられたんだよ?

文月(ふづき)

そんな大袈裟な笑俺無しでもお前なら大丈

鏡花(きょうか)

違う!文月が好きだったから支えだったの!!

鏡花(きょうか)

文月のそばにいたかったから自殺もしなかったの…!

文月(ふづき)

…そうだったんだ。ありがとう。

鏡花(きょうか)

そう思ってるんなら、早く火消して……もう少しだけ一緒にいてよ…!

文月(ふづき)

おい泣くなよ笑ひどい顔だぞ笑

文月(ふづき)

それに条件忘れたか?

鏡花(きょうか)

…私が必要としてるから守護霊になれる。期間は三日間…でも、正確にはあと2時間残ってる…!

文月(ふづき)

そう、でも鏡花はもう俺無しでも大丈夫なんだ。

鏡花(きょうか)

大丈夫じゃない!!文月がいないと私、

文月(ふづき)

冷静になって思い返して

鏡花(きょうか)

鏡花(きょうか)

…もしかして、九条先生のこと?

文月(ふづき)

そうかもな。前から気になってたんだろ?

鏡花(きょうか)

何でそれを…

文月(ふづき)

目で追ってたし、九条の話してる時楽しそうだし、バレバレ笑

鏡花(きょうか)

でもそれとこれとは訳が違う!!わがままなのは十分承知だけど

文月(ふづき)

だけどな鏡花、俺は死んでるんだ。

文月(ふづき)

この先も幽霊の俺に依存し続けるのか?

鏡花(きょうか)

文月(ふづき)

俺は鏡花に幸せになって欲しいんだ。

文月(ふづき)

だからこれからは、鏡花を助けるのもお前が好きなのも九条だ。

鏡花(きょうか)

…でも

文月(ふづき)

大丈夫。必ず幸せになれる。

文月(ふづき)

だからまずは九条にいじめの相談でもしてみなって。な?

鏡花(きょうか)

…ごめん。わがまま言って

鏡花(きょうか)

最後の最後まで助けてくれて……ありがとう。

文月(ふづき)

最後の最後まで頼ってくれて、ありがとう……。

文月(ふづき)

……泣くなよ。俺だって行きたくないよ。

鏡花(きょうか)

ごめん、最後くらいは笑おうか…笑

文月(ふづき)

うん…笑

文月(ふづき)

…火が全身まで来てる。

鏡花(きょうか)

小指、出して。

鏡花(きょうか)

まだ火移ってないでしょ?

文月(ふづき)

…?おう

鏡花(きょうか)

指切りしよう

鏡花(きょうか)

またいつか絶対会おうね。約束だよ。

文月(ふづき)

今度逢いに行く時は、ジュース奢りな笑

鏡花(きょうか)

うん笑

文月(ふづき)

指切った

鏡花(きょうか)

指切った

文月(ふづき)

鏡花

鏡花(きょうか)

文月

文月(ふづき)

さようなら

鏡花(きょうか)

さようなら……!

鏡花(きょうか)

熱っ!

小指が火傷していた。体はアザだらけだった。

小指の火傷はどの怪我よりも輝いて見えた。

鏡花(きょうか)

(九条先生に相談してみよう…。)

数十年後

九条先生

懐かしいな〜鏡花が高校生の時のアルバム。

鏡花(きょうか)

ほんとだ〜、あなたもまだこんなに若い笑

えー!パパ昔の方がかっこいい〜!

息子

何で今こんなになっちゃったの〜?

九条先生

パパ結構傷ついたよ…?

鏡花(きょうか)

あはは笑笑

鏡花(きょうか)

あ、文月だ

九条先生

文月…、俺も文月とは仲良かったんだよな。よく俺のところに来て古文の話をしたなぁ。

鏡花(きょうか)

そうだったんだ…。

未だにこの小指の火傷は消えていない。

まるで文月が見守っているようだ。

文月(ふづき)

(なーんだ幸せそうじゃん笑。良かった。)

文月(ふづき)

(俺も実は昔から鏡花が好きだった何て)

文月(ふづき)

(今さら死んでも言えないな笑)

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