純玲 スミレ
琴葉 コトハ
透明な硝子細工のように 脆く儚げな雰囲気に 合わない言葉遣いは 更に混乱を招き入れた
渚紗 ナギサ
純玲 スミレ
"琴葉"?
琴葉 コトハ
純玲 スミレ
水彩 スイサイ
琴坂 琴葉さんと 魁人さんを救出してください
そう言いながら彼女は 一冊の本を私達に見せた
純玲 スミレ
水彩 スイサイ
この本の主人公達です
水彩 スイサイ
水彩 スイサイ
渚紗 ナギサ
星風 セイカ
メルト・ステラに盗まれた本なんだ
純玲 スミレ
渚紗 ナギサ
星風 セイカ
水彩 スイサイ
内面は 腐食中という矛盾した結果が出たんです
純玲 スミレ
渚紗 ナギサ
矛盾って言うんです
渚紗 ナギサ
林檎とか葡萄って好きですか?
純玲 スミレ
星風 セイカ
純玲 スミレ
彼女は信じられないとでも言うかのように 此方に驚愕の視線を向けた
渚紗 ナギサ
純玲 スミレ
渚紗 ナギサ
何の事を言ってるの?って思いましたね?
彼は 少しだけ怒ったかのような表情を見せてから ビシッとかつ 鋭く私に人差し指を向けた
純玲 スミレ
私が声色も変えずにそう尋ねると
水彩 スイサイ
人の心を読めるんです
彼女が 丸眼鏡についた埃をハンカチで拭き取りながら 簡潔に詳細を説明してくれた
純玲 スミレ
水彩 スイサイ
水彩 スイサイ
純玲 スミレ
私は首を傾げながら 胸の中に蹲る好奇心という''感情''に負け 彼女にまた尋ねた
水彩 スイサイ
純玲 スミレ
すっかり忘れてた
渚紗 ナギサ
純玲 スミレ
水彩 スイサイ
純玲 スミレ
そうだったんだ…
純玲 スミレ
渚紗 ナギサ
渚紗 ナギサ
渚紗 ナギサ
水彩 スイサイ
純玲 スミレ
水彩 スイサイ
それで…お話に戻るんですけれども
水彩 スイサイ
純玲 スミレ
星風 セイカ
水彩 スイサイ
星風 セイカ
水彩 スイサイ
星風 セイカ
分かった!
水彩 スイサイ
水彩 スイサイ
純玲 スミレ
星風 セイカ
純玲ちゃん!
水彩 スイサイ
作り直すという"行為"は 敵味方関係なく"全て"を改変させていきます。
その為 登場人物(キャスト)も改変させてしまうという事例が既に存在しておりまして、その可能性が零という可能性がないという事から考えて登場人物(キャスト)を別世界に移動させているのです。
渚紗 ナギサ
星風 セイカ
渚紗 ナギサ
渚紗 ナギサ
純玲 スミレ
水彩 スイサイ
渚紗 ナギサ
一体何なのですか?
星風 セイカ
水彩 スイサイ
本来は変えられない筈の人の性格や脳の中に記憶してある記憶を"上書きして変える"などという事ですね
純玲 スミレ
渚紗 ナギサ
渚紗 ナギサ
渚紗 ナギサ
水彩 スイサイ
水彩 スイサイ
本屋の店主にしか受け継がれていない為
水彩 スイサイ
殆ど居ないかと
渚紗 ナギサ
星風 セイカ
まだ早いよ 渚紗くん!
渚紗 ナギサ
星風 セイカ
双子葉類で簡単に説明すると…改変っていう主根があるとします!で!その主根から枝分かれしているのが 側根っていうのは知ってるよね?
渚紗 ナギサ
純玲 スミレ
水彩 スイサイ
星風 セイカ
渚紗 ナギサ
星風 セイカ
星風 セイカ
滅多に使わないけど!
水彩 スイサイ
水彩 スイサイ
純玲 スミレ
純玲 スミレ
渚紗 ナギサ
水彩 スイサイ
純玲 スミレ
水彩 スイサイ
水彩 スイサイ
渚紗 ナギサ
星風 セイカ
手下の一人だよ
星風 セイカ
恐ろしい程の殺傷力
星風 セイカ
【能力者】っていう事だね
純玲 スミレ
渚紗 ナギサ
水彩 スイサイ
星風 セイカ
渚紗 ナギサ
星風 セイカ
まぁ……大丈夫だと思うよ
星風 セイカ
水彩 スイサイ
大丈夫ですよ
渚紗 ナギサ
水彩 スイサイ
純玲 スミレ
純玲 スミレ
渚紗 ナギサ
純玲 スミレ
琴葉 コトハ
純玲 スミレ
琴葉 コトハ
純玲 スミレ
琴葉 コトハ
しゃーないか……
琴葉 コトハ
純玲 スミレ
渚紗 ナギサ
琴葉 コトハ
珍しい名前しとんな~
琴葉 コトハ
滅多に聞かん名前やわ…
純玲 スミレ
琴葉 コトハ
琴葉 コトハ
見た事ない格好しとんな…
琴葉 コトハ
純玲 スミレ
琴葉 コトハ
琴葉 コトハ
琴葉 コトハ
辺りをうろちょろしながら "お母さん"の様な 動きをする彼女の姿を見て 少しだけ頭に痛みが走った
純玲 スミレ
琴葉 コトハ
純玲着いてきぃ~や!
純玲 スミレ
渚紗 ナギサ
琴葉 コトハ
渚紗 ナギサ
紅い火炎の色をした紅葉の様な傘が何本も
何本も何本も同じ紅色をした敷物を敷いた 椅子の様な場所に立てられていた
純玲 スミレ
琴葉 コトハ
純玲 スミレ
琴葉 コトハ
純玲 スミレ
純玲 スミレ
琴葉 コトハ
甘いもんやなぁ~…
純玲 スミレ
純玲 スミレ
琴葉 コトハ
純玲 スミレ
琴葉 コトハ
"琴葉"お姉さんが奢ったる
純玲 スミレ
純玲 スミレ
もちもちの固体が…桃色
純玲 スミレ
琴葉 コトハ
食べた事なかったんやな…
純玲 スミレ
でも凄く美味しい…
琴葉 コトハ
江戸の者やないやろ
純玲 スミレ
琴葉 コトハ
そうなんか…まぁええ
彼女が 私の頭の上に手を乗せ 優しく撫でた
琴葉 コトハ
今は…行方知らずになってしもうとるけど…
琴葉 コトハ
純玲 スミレ
純玲 スミレ
彼女が一瞬だけ 泣きそうな顔をした
そして
琴葉 コトハ
目尻に溜まった涙を手袋を外した指で器用に拭き取った
琴葉 コトハ
一年分ぐらいの菓子を平らげてしもうた~!
純玲 スミレ
琴葉 コトハ
せや!
琴葉 コトハ
彼女の次の言葉を私は待ったけれど
その言葉は とある爆発音と人々の叫び声によって遮られた
琴葉 コトハ
琴葉 コトハ
そして彼女は 地面に触れてから目を瞑った
琴葉 コトハ
こりゃあかんな
そして彼女は 私の方を向いてから 声には出さず 口元だけで喋った
琴葉 コトハ
一人の少年が 社の上で退屈そうに 猿のように騒ぎたてる街を見下ろしていた
少年は 社の上で御伽噺などに 出てくる騎士団が持ち歩いているような剣を 軽々と指先で回して退屈を誤魔化していた
すると神社の後ろの道から また一人姿を現した
渚紗 ナギサ
此方の少年は息を荒らげながら 社の上にいる少年に声を掛けた
渚紗 ナギサ
"葵"ですね……
少年は 数秒だけ 彼の全身を舐める様に見てから にっと口角を上げながら獲物を見つけた猟犬の様な顔をした
保護された別の本の世界に居た奴だな
渚紗 ナギサ
渚紗 ナギサ
っつう事は
彼が殺気立ったドス黒い声で彼に問いかける
渚紗 ナギサ
渚紗 ナギサ
渚紗 ナギサ
渚紗 ナギサ
少年が社の上から飛び降り 瞬きをする間に 彼の喉笛に剣を当てた
渚紗 ナギサ
少年が 彼の喉笛に当てている剣に力を込めると 微かに血液が流れた
琴葉 コトハ
純玲 スミレ
琴葉 コトハ
純玲 スミレ
もう一人がよく分からない
琴葉 コトハ
琴葉 コトハ
琴葉 コトハ
純玲 スミレ
そんな風に考えていると突然百合の香りがした
純玲 スミレ
琴葉 コトハ
その香りに違和感を覚えた私は不意に彼女の後ろを見ると
純玲 スミレ
沙羅 サラ
黒百合の様に優雅な傘をさし
ふんわりとはしているけれど 隙のない不思議な声色
彼女を一つの言葉で表すのならそれはきっと
沙羅 サラ
沙羅 サラ
【何かに捕らわれたお嬢様】だろう
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝
第七話 妖狐に巻き取られた本当の正体