TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

一樹

いやー、今日で四月も始まりかぁー

大河

そういやぁ一日ってことはエイプリルフールかな

優香

嘘ついても良い日なんだよね?

春平

エイプリルフール…か

一樹

そうだ、んじゃぁあれしない?

一樹

えっと

一樹

順番に嘘をついていってそれを酒のおともにする

大河

ほぉ~いいねそれ

一樹

あ、じゃあ、俺から話すね

一樹

去年の夏のことなんだけどさ

一樹

ナンパした女をさ俺妊娠させちまって今子供が居るんだ

一樹

名前は広樹っていうんだぜ

大河

ほむほむ

 俺は初めて知ったんだけども

「嘘をついてみろ」と言われた場合

人は100%の嘘をつくことが出来ないらしい

一樹の場合、夏にナンパはしてないが

当時の彼女が妊娠したのは本当だ

誰がどんな嘘をついているのかは分からない

だが、分からないから楽しいのだ

一樹

てことがあったんだよな~

大河

あらら、てことは二人兄弟ってことか

一樹

そゆことー

大河

んじゃぁ次は俺だな

そうやって順番が回りついに最後の奴にバトンが回った

春平

僕の番…か

春平

あぁごめんね皆

春平

僕皆みたいに器用に嘘はつけないんだ

大河

大丈夫大丈夫

優香

気にしないよ

春平

いや、本当に無理だからさ一つ作り話をするよ

一樹

んーそれ趣旨変わってるなー

春平

んまあ聞けよ。

春平

退屈にはさせないからさ

春平

僕は朝起きたら白い部屋に立っていたんだ

春平

どうしてそこにいるのか

春平

どうしてそこに来たのか

春平

全く覚えてなかった

春平

ただ、目を覚ましたら僕はそこに居た

春平

しばらく呆然として状況を把握できないで居たんだけど

春平

急に天井の辺りから声が聞こえてきたんだ…

春平

古いスピーカーから出ているような声だった

天井から聞こえてきた音

天井から聞こえてきた音

ーこれから進む道は人生の道であり

天井から聞こえてきた音

人間の業を歩む道

天井から聞こえてきた音

選択と苦闘と決断のみを与える

天井から聞こえてきた音

歩く道は多くして一つ

天井から聞こえてきた音

決して矛盾を歩むことなくー

春平

放送が終わったときに自分の背後に扉があることに気がついた

春平

その扉の横には赤い字で[進め]と書かれていた

春平

ドアを開けるとその先には…

春平

白い部屋が広がっていた

春平

右手にはテレビがあり、

春平

左手には寝袋があった

春平

寝袋は膨らんでおり人が入ってそうな膨らみだった

春平

その奥にはドアがある

春平

床に目をやると一枚の紙が落ちていた

春平

その紙にはこうか書かれていた

みっつあたえます 一つ。右手のテレビを壊すこと 二つ。左手の人を殺すこと 三つ。あなたが死ぬこと

一つ目を選べば 出口に近づきます。 あなたと左手の人は解放され その代わりに彼らは死にます

二つ目を選べば 出口に近づきます。 その代わりに左手の人の道は終わりです。

三つめを選べば 左手の人は解放され、 ……おめでとう…… あなたの道は終わりです

春平

「めちゃくちゃだよ…」

春平

「どれを選んでもあまりに救いようが無いじゃ無いか」

春平

「馬鹿らしい話だ…」

春平

「でも、馬鹿らしいなんていってなれない」

春平

それどころか僕は恐怖でガタガタに震えていた

春平

それくらいあそこの空間は異様で

春平

有無を言わせない物があった

春平

そして僕は考えた

春平

どこかで見知らぬ多数の命か

春平

すぐそばの見知らぬ命か

春平

1番近くのよく知る命か

春平

進まなければ確実に死ぬ

春平

それは三つ目の選択になるだろうか

春平

嫌だ

春平

何も分からないまま死ぬのは嫌だ

春平

一つの命か、多くの命か

春平

そんな物は比べるまでも無い

春平

寝袋の上にはチェストがあり、その中には

春平

大きな斧が入っていた

春平

僕は静かに斧を手に取ると…

春平

ゆっくり寝袋に近づき…

春平

斧を振り上げた

春平

鋭い音がした

春平

だけどもまだ、扉が開く音は聞こえない

春平

もう一度斧を振るう

春平

まだ、音は聞こえない

春平

三回目を振り下ろそうとしたその時

カチャッ

春平

扉が開いた

春平

次の部屋に入ると

春平

右手には客船の模型、

春平

左手にはさっきと似たような寝袋があった

春平

床にはまたうと書かれた紙が落ちていた

三つあたえます 一つ。右手の客船を壊すこと 二つ。左手の寝袋を燃やすこと 三つ。あなたが死ぬこと

一つ目を選べば 出口に近づきます。 あなたと左手の人は解放され、 その代わりに客船の乗客は死にます

二つ目を選べば 出口に近づきます。 その代わりに左手の人の命は終わりです。

三つ目を選べば 左手の人は解放され、 ……おめでとう…… あなたの道は終わりです。

春平

客船はただの模型だった

春平

普通に考えたらこれを壊したところで人が死ぬなんてあり得ない

春平

けど、その時その紙に書いてあることは絶対に本当なんだと思った

春平

理由なんて無い

春平

ただ、そう思ったのだ

春平

僕は寝袋の上にあった火打石を手に取った

春平

寝袋からは灯油のにおいがした

春平

もう染みこんでいるのだろう

春平

それを理解しつつ、僕は火を放った

春平

ぼうっと音がして寝袋はたちまち炎に包まれたよ

春平

僕は客船の前に立ち模型をボーッと眺めながら

春平

扉が開くのを待った

春平

2分ぐらい経った時かな

春平

もう時間の感覚なんて無かったけど人が死ぬ時間だからね

カチヤッ

春平

次のドアが開いた

春平

左の寝袋がどうなっているかはみたくはなかった

春平

そして次の部屋には

春平

右手には地球儀があり、

春平

左手にはまた寝袋があった

春平

僕は足早に手紙を拾うと

春平

そこにはこうあった

三つ目与えます 一つ。右手の地球儀を壊すこと。 二つ。寝袋を打ち抜くこと。 三つ。あなたが死ぬこと。

一つ目を選べば 出口に近づきます。 その代わりにこの世界のどこかに核が落ちます。

二つ目を選べば 出口に近づきます。 その代わり左手の人の道は終わりです。

三つめを選べば 左手の人は解放され ……おめでとう…… あなたの道は終わりです。

春平

思考や感情はもはや完全に麻痺していた

春平

僕は半ば機械的に寝袋に近づいた

春平

そして銃を拾い

春平

拳銃に弾をこめ、

春平

すぐさま、人差し指に力を入れた

ダン

春平

乾いた音がした

春平

リボルバー式の拳銃を一発一発撃っていった

春平

初めて撃った拳銃は

春平

コンビニで買い物をするより手軽だったよ

春平

ドアの方をみるとすでにドアは開いていた

春平

何発目で開いたかは知りたくなかった

春平

春平

最後の部屋には何も無かった

春平

僕は思わず「えっ」と声を漏らしたけど

春平

これが出口かもしれないって思うと

春平

少し安緒した

春平

やっと出られる……そう思ってね…

春平

春平

すると再び頭の上から声が聞こえた

天井から聞こえてきた音

ー最後の問い。

天井から聞こえてきた音

三人の人間とそれを除いた

天井から聞こえてきた音

全世界の人間

天井から聞こえてきた音

そして君。

天井から聞こえてきた音

殺すとしたら

天井から聞こえてきた音

何を選ぶー

春平

僕は考えることも無く

春平

黙ったまま

春平

今来た道を指さした

春平

するとまた頭の上から声が聞こえた

天井から聞こえてきた音

ーおめでとう。

天井から聞こえてきた音

君は矛盾無く選ぶことが出来た

天井から聞こえてきた音

人生とは選択の連続であり

天井から聞こえてきた音

匿名の幸福の裏には

天井から聞こえてきた音

匿名の不幸があり、

天井から聞こえてきた音

匿名の生のために、

天井から聞こえてきた音

匿名の死がある。

天井から聞こえてきた音

一つの命は

天井から聞こえてきた音

地球よりも重くない。

天井から聞こえてきた音

君はそれを証明した。

天井から聞こえてきた音

しかし、それは決して

天井から聞こえてきた音

命の重さを否定することでは無い

天井から聞こえてきた音

最後に一つ一つの命がどれだけ重いのか感じてもらう

天井から聞こえてきた音

出口は開いた

天井から聞こえてきた音

おめでとう

天井から聞こえてきた音

…おめでとう……

春平

僕はその声を聞いて安心したような

春平

虚脱したような感じを受けた

春平

とにかく全身から一気に力が抜け

春平

ふらふらになりながら最後のドアを開けた

春平

光の降り注ぐまぶしい部屋だった…

春平

目がくらみながら進んでいく…

春平

すると部屋の奥に何かがおいてあるのが見えた

春平

三つの遺影がおいてあった…

春平

春平

父と…母と…弟の遺影が…

春平

これでおしまい

彼の話が終わったとき、俺らはつばを飲み込めないくらい緊張していた

こいつの話は何だろう

え、もいわれぬ迫力は何だろう

そこに居る誰もがぬらりとした、君の悪い感覚にとらわれた

すると大河がいきなりビールをグイッと飲み干して 勢いをつけてこう言った

大河

そんな君の悪い話やめろよ!

大河

楽しく嘘の話、しようぜ?

大河

ほら

大河

お前もなんか嘘ついてみろよ

そう言うと彼は不気味な笑顔を見せた

春平

あっはははは

春平

もうついてるよ?

一樹

え?

大河

え?

優香

え?

春平

一つ作り話をするよ

ご閲覧いただきありがとうございました

これは、意味怖です

多分、意味は最後の一言で分かったと思います

ですが、一応解説です

彼は「もうついてるよ?」と言いました

つまり…

彼の作り話は実話だったのです

どうでしたか?

これからもサユサマをよろしくお願いします!

良いと思ったら良いね押して下さい!

他の作品も色々あるのでよかったら是非そちらの方も見ていってくれると嬉しいです!

では、次回の作品で会いましょう

チャオ✨✨

サユサマ 読み切り編

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

267

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚