この作品はいかがでしたか?
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突然だが僕の趣味は心スポ巡りだ
いや、正確に言えば違う
廃墟マニアに近いかもしれない
僕は様々な廃墟に足を運び廃墟を見てきた
廃墟になる原因というのの大半は社会情勢によって潰されたものが多い
他をあげるならば事件が起きてそれがキッカケになり栄えなくなった
そんなところだろう
そして先程あげた例の中で
事件により廃墟と化した建物には大抵
人ならざるものが住んでいるとも言われている
しかし僕自身そんなものにあったことは
ただの1度もないのだ
別にその類いのものを信じていない訳では無いが
僕は自分で体験した見たものでないと
納得することは無い性格なのだ
だから廃墟に来る時恐怖というのはあまり持ち合わせていない
強いてあげるならば崩れてしまうという意味合いの恐怖だろうか
さて、そして今僕はある廃墟に来ている
廃館と言った方が的確かもしれない
それなりの大きな庭園に数々の美術品
かなりのお金持ちだったと言えるが
それが何故こんなふうに廃墟にと変わってしまったのか不思議で仕方がない
そんな疑問を持ちつつ廃館に足を踏み入れ辺りを見回す
廃墟にしてはやけに小綺麗である
確かにものは崩れ落ちたり汚れも目立つ
しかし廃墟にしては綺麗すぎる
とある廊下には美術品が形を保ったまま
台座に置かれているところもあった
まるで誰かが定期的に掃除をしているかのような
そんな錯覚を起こしてしまうほど綺麗だ
各部屋を見て回っている中僕の興味を引くとあるものを見つけた
それは大きな鏡だ
僕のしりえる限りこんなにも大きな鏡は見たことがなかった
一般的な鏡の形とは違い
芸術的な縁どりをしたその鏡は不思議と見るものを魅了するのだ
僕もそのうちの一人になった
庶民的な僕はこんな芸術的な鏡を見たことがなかったからだ
故にその鏡に惹かれたのだろう
鏡の前に立ち映し出される自分と目が合う
鏡を凝視すれば鏡の僕も凝視する
僕がこの鏡に魅入られたのは高級品だからでは無い
廃館になってると言うのにこの鏡だけやけに綺麗なのだ
ホコリも被っておらず割れてもいない
曇ってもいないし指紋ひとつ見当たらない
確実に何者かがこの鏡を綺麗にしてるのだ
そこが不思議でありその不思議さゆえに惹かれたのだろう
ずっと鏡を見ていたがふとこの部屋を見渡たしてみる
するとどういう訳かこの部屋は書斎のような作りになっているではないか
書斎に鏡なんて置くのか?
ふとそんな疑問が僕の頭によぎる
そして1度鏡から目を離し埃をかぶった本を手に取り中を確認する
至って普通の本だった
特別魔術や呪術なんかのオカルトチックな本がある訳では無いようだ
そんなことを思いながらもう少し見てみる
するとひとつとても気になる本を見つけた
鏡は表裏を表す
本のタイトルはそんなものだ
中を確認するとよくある鏡のやっては行けない行為などが事細かに書かれていた
あわせ鏡はこの世とあの世を繋ぐ門となる
僕でも知ってるよくある話だ
その中に僕の知らないものがあった
鏡に写った自分と会話をすると精神が壊れ二度と元には戻れなくなる
そう本に書いてあった
何を思ったのか僕はそれを試したいと思い
その部屋にある鏡を使い本の通りのことを始めた
主人公
主人公
主人公
主人公
主人公
主人公
主人公
主人公
主人公
主人公
主人公
主人公
主人公
主人公
鏡の自分
主人公
たった今目の前でありえないことが起きた
鏡の中の自分が話しかけてきたのだ
鏡の自分
主人公
鏡の自分
鏡の自分
主人公
鏡の自分
鏡の自分
鏡の自分
主人公
鏡の自分
鏡の自分
鏡の自分
鏡の自分
主人公
主人公
鏡の自分
鏡の自分
鏡の自分
主人公
主人公
鏡の自分
鏡の自分
鏡の自分
鏡の自分
鏡の自分
鏡の自分
鏡の自分
鏡の自分
主人公
鏡の自分
困惑しつつも鏡の自分の言う通りに鏡に触れてみる
するとどうだろうか確かに触れたのは鏡のはずなのに
向かいにいる自分と手が触れているではないか
それは確かに温もりを感じた
鏡の自分
鏡の自分
鏡の自分
鏡の自分
主人公
そういい鏡の中の自分が手をギュッと握り
鏡の中にと引き込み鏡の自分は鏡の外にと出てくる
つまりは入れ替わったのだ
鏡の自分
鏡の自分
主人公
主人公
主人公
主人公
鏡の自分
鏡の自分
主人公
鏡の自分
鏡の自分
鏡の自分
主人公
鏡の自分
鏡の自分
鏡の自分
主人公
主人公
鏡の自分
鏡の自分
主人公
鏡の自分はそう一言告げると鏡の前から消える
そして鏡の中に閉じ込められた僕はただ鏡の向こうの世界をじっと見つめ続ける
いつか訪れると願う鏡の自分を待つために
コメント
1件
鏡って聞くと怖いものを連想してしまうんですよね〜