彩葉
日野田里美
逢沢優亜
突然名前を呼ばれてパチパチと瞬きする。
逢沢優亜
日野田里美
3人に囲まれている柴村さんを私の視線から遮るように立つ里ちゃん。
逢沢優亜
日野田里美
逢沢優亜
日野田里美
逢沢優亜
日野田里美
逢沢優亜
里ちゃんに諭されて渋々頷く。
日野田里美
逢沢優亜
日野田里美
里ちゃんは眉間にシワを寄せて苦しそうに言った。
沢木綾香、小山田マミ、渡部みやび。
綾香はクラスでも発言力を持つボス的存在だった。
160㎝ほどの身長に細長い手足茶色い髪をいつもゆるく巻いている。大きな二重の目尻は綾香のきつい性格を表すようにつり上がっている。
マミは自分勝手という言葉がピッタリな性格だった。しかも、ワガママです自己中だからタチが悪い。胸の下まである金色に近い茶色の髪は傷んでいて毛先はパサパサだった。
メイクの濃さはきっと校内1だ。
みやびは他の2人と比べると若干地味だった。ミルクティー色のボブヘアに奥二重の瞳。背は低く小動物のようなかわいさがある。綾香やマミほど存在感はなく、柴村さんを率先していじめようとはしていないように見える。
でも、明らかにいじめを楽しんでいる。3人の中で一番腹黒いように感じた。
里ちゃんこと日野田里美は3人と小学校からずっと同じ学校だった。
3人は小学校時代からやりたい放題だったという。
学級崩壊を招く原因を作ったり、若い女性教師を追い詰めて心の病で退職させたりもしたらしい。
3人はモンスターだと里ちゃんは繰り返し言っていた。
人間の心なんて持ち合わせてない……と。
人の痛みが分からないからこそ、自分以外の誰かを傷つけたとしても平気な顔でいられる。
そんな3人の事をよく知っている里ちゃんは、いつだって3人から距離を置いていた。
確かに里ちゃんの言う通りかもしれない。
そんな悪意の塊のような人間がいる事を、私は身を持って知っている。
表の顔は天使のように優しいのに、裏の顔は悪魔そのもの。
えげつなく残酷な行為を繰り返している加害者と、そんな行為を繰り返されて少しずつ着実に追い詰められていった被害者。
私は気づかなかった。
まさかあんな恐ろしい事が起こるなんて……。
そんな事あの日までこれっぽっちも考えたことなんてなかった。
だけどある日を境に私は大切な人を失い、平穏な毎日は音を立てて崩れ落ちた。
どうやったって……。
もうあの子には会えない。喋れない。手を握ってあげられない。
私には、あの子がもう苦しんでない事を願うことしかできない。
そんな無力さに毎日押しつぶされそうになる。
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