TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

タイトル、作家名、タグで検索

テラーノベル(Teller Novel)
ハッピーエンド

ハッピーエンド

「ハッピーエンド」のメインビジュアル

1

ハッピーエンド

♥

310

2021年05月26日

シェアするシェアする
報告する

アナタと出逢ったのは子供の頃

まだ歩き始めて間もなかった頃

いつも一緒に遊んで いつも一緒にお昼寝をして いつも一緒に泣いて笑った

だからコレは運命じゃなくて

"必然"だったんだ

子供の頃は良かった

まだ小さい子供の頃は

一緒に置いておけば 大人しくなるのを親は知っていて

ワタシとアナタはいつも一緒だった

"友達"の意味がよく分かっていない そんな中でも友達と呼べるのは アナタだけだった

アナタにとってのワタシもそう

友達はお互いだけだった

私たちは同じ様に育ったけれど

やはり個性は出てくるもので

ワタシは勉強が得意になって

アナタは運動が得意になった

小学生の時もまだ良かった

アナタ以外の そしてワタシ以外の友達が 沢山できてしまったけれど

それでも私たちは1番一緒に居た

"友達"だから"親友"だから

アナタとの約束は絶対に守るし 困った事があれば必ず助ける

誰よりも近くに居て 親よりも味方になる

だってそれが"親友"だから

中学生になっても変わらない

そう思っていたら試練が訪れた

最初の時は油断した

「今日は友達と帰るから。」 「また明日ね!」

「ぁ...うん。また明日。」

何か特別な用事があるんだと そう思った

今日だけ別々に帰るだけ

だから、きっと

大丈夫

「ごめんね!」 「今日からお昼、友達と食べるんだぁ。」

「友達と?」

「うん!」 「ほら、私たちクラス違うから...。」 「毎日一緒に食べるのも変でしょ?」 「███もクラスの友達と食べなよ!」

「...うん、分かった。」 「でも、たまには誘ってね?」

「もちろんだよ!」

ワタシは?

友達以上のワタシは?

優先するのはワタシじゃないの?

毎日、毎日 クラスの違う親友とお昼食べるのは 変なの?

どうして? 分からない 私たち、親友なのに

一緒に居なきゃいけないのに

こんな大事なことを忘れるなんて

アナタはきっとおかしくなっている

でも、きっとアナタのせいじゃない

ワタシが正してあげなくちゃ しっかり治してあげなくちゃ

アナタをおかしくさせた"友達"に

ワタシは贈り物をした

"友達同士"が ずっと一緒に居られるように

手紙と 写真と "友達"を

贈り物を気に入った様で 次の日からアナタにとりつく"友達"は 居なくなっていた

「急に避けられるようになって...。」 「私、何かしたかな?」

「何もしてないんでしょう?」 「きっと友達が不幸に遭ったから...。」 「心配しなくても。」 「私はずっと傍に居るから。」

「...うん。」 「ありがとう。」 「███が居てくれて良かった!」

もうこれで大丈夫

これでまた元通り

ワタシはアナタが1番だから アナタもワタシが1番でしょう?

アナタに"恋人"ができた時は

「騙されてる。」 「相応しくない。」 「もっと良い人がいる。」

そう囁いて引き剥がした

ワタシが1番のアナタは 疑う事もせず

ワタシの助言を聞き入れた

高校も、大学も、勤め先も

私たちは同じ道を歩んだ

「まさか███もここに...。」 「特殊部隊に来るなんて!」

「そんなの当たり前だよ。」 「だって...。」 「███を守るのが私の役目だもん。」

運動が得意で 正義感の強いアナタは

国の役に立ちたいと 自衛隊の特殊部隊へ入隊した

アナタがその道を選ぶなら

ワタシはこの頭脳でサポートする

幸い、頭の良かったワタシは 別のルートで特殊部隊へ入隊した

アナタは驚いていたけれど

ワタシは何も不思議じゃなかった

一緒に居るのが当たり前なのだから

一生ずっと、一緒だよ

向けられた銃口

同じ様に ワタシもアナタに向けていた

ワタシのしてきた事 全てを知ったアナタは

ただ静かに決意した

「███を終わらせてあげる。」 「その後で...。」 「私も死ぬ。」

そして銃口は向けられたのだ

「大丈夫だよ███。」 「私も一緒に撃ってあげる。」 「そしたら死ぬのも...一緒だね。」

最期の時まで一緒に

どんな形であれ それが叶うならワタシは幸せだった

微笑むワタシと

真剣な眼差しのアナタ

どちらも迷い無く 相手の心臓を捕らえていた

「じゃあね、███。」

「バイバイ。」 「また来世で。」

これでやっと 私の思い通り

本当はずっと気付いていた

貴女は私を見ている様で

その実、何も見てくれてなかった

だから私を忘れられないように

最期の最後に呪いを掛けた

あぁ、死に間際に見れて良かった

貴女の泣き顔が好きだったの

一緒に死ねなかった事を悲しんで

私に生かされた命を恨んで

私に縛られて貴女は生きていく

これはまさしく

ハッピーエンド

〜fin〜

この作品はいかがでしたか?

310

コメント

0

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store