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倦怠期……   (勇太バージョン)

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倦怠期…… (勇太バージョン)

16 - 倦怠期…… (勇太バージョン)

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2021年03月01日

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〇〇

勇太……本気で来るのかな?

勇太がもし本当にここに来るとしたら…

〇〇

いつぶりだろ……

なんて思い返す前に、その時は来てしまった。

ピーンポーンッ……

静かな部屋に、チャイムの音が響く。

懐かしい彼の姿が、今扉の前まで来ている。

モニターを除くと、勇太の姿を目にして自分の脈が早まるのが分かった。

ガチャッ……

勇太

久しぶり……っ

〇〇

…………久しぶりっ

こんな至近距離で勇太を見たのはいつぶりだろう。そんな2人の間には妙な空気が漂った。

勇太

入ってもいいかな?

〇〇

…………

勇太

入るね。

〇〇

え……あっ…ちょっ!!!

私の有無を聞かず部屋の中に入った勇太の姿は、まだ私たちが付き合っている頃の姿と全く変わっていなかった。

〇〇

あ……あんまり部屋見ないでよ…ちゃんと片付けてないから

勇太

〇〇の匂いだ……

〇〇

へ?

勇太

へへっ…そりゃ当たり前か

そうやって無邪気に笑う彼。

〇〇

……テンション高いね

なんか悔しい……私は勇太と別れてから1度も幸せという感情を持てなかったから。

勇太

〇〇に会えたから……かな?

勇太

ちょっと上がっちゃったのかも

〇〇

なにそれ………

少しはこっちの身にもなって欲しい…勇太には上條さんがいるもんね……

〇〇

もう会えないと思ってた……

勇太

今日〇〇と会わなかったらもう会えない気がしたからさ

〇〇

……さっきからなんなの?私の事からかいに来たの?

いつまでも私が勇太のこと好きだと思ってたら大間違いだよ?

………そうやってはっきり言えたらな

勇太

俺は……

勇太

〇〇に会いたかったから、話をしたかったから来た。

〇〇

何を?……上條さんと付きあいだしたっていう報告?そんなの私にしてどうするの?

勇太

…………

図星か…………

そうだよね………

〇〇

べ……別に私はなんとも思ってないし。もう勇太のものでもなんでもないんだから。謝って欲しいとか、そんなことなんとも思ってないから!

本当は、上條さんの所になんて行って欲しくなかった……

ずっと私の隣で一緒に笑ってて欲しかった……

なんで……

なんでこんなに神様は意地悪なの?…

思ってもないことを先走りしちゃって……

また勇太に嫌われちゃう……

もう本当に自分が嫌で仕方がない…

〇〇

………上條さんと

"幸せになってね"

どうやったら大好きな人に上手く言葉を伝えられたのだろう…

どんなに平気なフリをしてみせても

自分の本当の思いをなかなか発することが出来なかった。

〇〇

あれ……なんかごめんねっ……ヒクッ……涙が……っ…止まんなくって……

ギュッ………

〇〇

え……っ

すると、彼は私を優しく包み込むように抱きしめてきた。

〇〇

なに………っ…離してよ……

勇太

やだ…………

〇〇

はなしてってばぁ…………っ

勇太の懐かしい温もりが体全体に感じられた。

一瞬にして、今までの不安や嫌なことが全部どうでも良くなっちゃうくらい、勇太は抱きしめてくれた。

勇太

〇〇………

〇〇

………

気のせいかな…

勇太の肩も少し震えてるように感じた。

勇太

俺が今から話すこと……ちゃんと聞いてくれる?

勇太

信じなくてもいいから……でも、これだけは信じて………

"俺は今もずっとずっと〇〇のこと大好きだから"

〇〇

ゆぅ………た………

勇太

俺の話聞いてくれる?

〇〇

うん…………

続く

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