たまたま、いじめられてる人が哀れになって
たまたま、いじめられている人がクラスメイトで
たまたま、助けられた僕
あの時の彼女の可憐さを、忘れない
あの時の彼女の美しさを、忘れられない
あの時から、気にかけてくれる彼女が
僕は、心の底から好きだった
彼女に気に入られるのが、夢だった
彼女に、道具のように使われたかった
使い勝手のいい道具は、捨てられない
この、約15年の人生で学んだことだった
だから、必要とされたくて
有意義な道具になりたくて
全てが上手く出来るようになった頃
彼女は僕に、こう言った
「これでもう、1人でも大丈夫だね」
おめでとう、なんて語尾が着いてきそうだった
全てが上手くいった時
全てが無に帰した
僕の全部が壊れる音がして
夏の、夕立ちが起きそうなじめっぽさが
丁寧に、丁寧に
壊れたものを、僕に縫いつけた
継ぎ接ぎだらけの、僕なんて
きっと初めから、気持ち悪かったんだ
あぁ、そうか
結局、こうなるのなら
「あの時貰った全てなんて」
「もう、いらない」
コメント
3件
彼女が「僕」を助けたのは本っ当に偶然でこの偶然がなければ関わることのなかった2人だったのかな…… でも、最後彼女は「私なんかがいなくても君はもう大丈夫だね」って意味を込めていたんじゃないかな……🤔💭もしそうだとしたらその気持ちを「僕」は汲み取ることが出来ず、「全ていらない」と言ってしまったのかな…… 偶然って奇跡でもあれば絶望でもあるんだなあ……😢😢