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社員3

本部長、今日は社長のお知り合いの方が来るんですよね?

イジュン

あぁ、児童養護施設で働いてる方です。きっと勉強になると思いますよ

社員1

本部長は会われたことあるんですか?

イジュン

まぁ、はい

紗凪

すみません!遅くなりました!

社員2

汗すごいですね💦大丈夫ですか?!

紗凪

渋滞でバスが動かなくて、途中から走ってきました

社員4

連絡くれれば良かったのに

紗凪

すみません、連絡先を知らなくて

イジュン

、、

紗凪

改めまして、アリス児童養護施設からきました、佐々木紗凪と申します

社員1

え?日本の方?

紗凪

はい。今、交換職員として働いていて

社員2

社長とはどんなご関係なんですか?

紗凪

それは、、

イジュン

、約束まで時間ないから行きましょう

紗凪

、はい

施設長

本日は遠い所お越しいただきましてありがとうございます

イジュン

こちらが先日お話しした養護施設職員です

紗凪

はじめまして、アリス児童養護施設の職員の佐々木紗凪と申します

施設長

お話は聞いてました。アリスの園長とは昔から仲良くさせていただいてまして、日本の優秀な方が働きにきているとお話ししてくださって

紗凪

そんなことは

施設長

アリスさんのお子さん達とは少し家庭環境は違いますが大丈夫でしょうか?

紗凪

どんな子も可愛い子供達であることに変わりはありません。このような時間をいただき感謝します

施設長

こちらこそです

イジュン

、、

紗凪

はじめまして。アリス児童養護施設から来ました、佐々木紗凪と言います。今日はよろしくお願いします

イジュン

、、

パチパチ👏

紗凪

私は日本人です。少し前まで日本で暮らしていました。日本にも貧しい家庭の子や、親御さんと離れ離れで暮らしている子は少なくありません。でも、みんな支え合って生きています。お金が少なくても、家族と離れ離れでも幸せに暮らしている子達はたくさんいます。私たちはみなさんのたくさんの笑顔を見たくて今日は来ました。2日間と言う短い時間ですが、この日をこの先も思い出してくれるような日にしたいと思っています。今日から2日間、よろしくお願いします

イジュン

、、

社員2

さすが児童のプロ。言葉のチョイスが的確

社員3

俺らじゃこんな前説できないなぁ

イジュン

、、

。。。

児童1

紗凪先生はどうして施設で働いてるの?

イジュン

、、

紗凪

私ね、もともと施設で育ったの

児童2

お母さんがいないの?

紗凪

、うん、そうなの。けど、施設の先生達が親代わりになってくれて、施設の子達みーんなと友達で、とっても楽しかったんだよ。みんなはどう?

児童2

ここは楽しいけど、学校のみんなみたいに遊園地に行ったりお菓子をいっぱい買ったりできないし。お母さんも遅くまで仕事だからいっぱいお話しできないし

児童1

学校で貧乏って言われたこともあった

紗凪

そっか。お母さんとお話しできないのは寂しいね。けど、お母さんはあなた達と幸せに暮らしたいから毎日お仕事を頑張ってくれてるんだよ。それって幸せなことじゃない?お母さんと暮らすのは貧乏だから嫌?

児童1

ううん

紗凪

遊園地に行けなくたって、お菓子が買えなくたってお母さんのことは好きでしょ?

児童1

うん!大好き!

紗凪

今日その気持ち、お母さんに伝えてみて。きっとお母さんはその言葉だけで仕事を頑張れるし、幸せな気持ちになれるから

児童2

うん!

紗凪

そしたらみんなに幸せになれる日本語を教えるね

児童1

なぁに?

紗凪

(日本語)ありがとう

児童2

ありがとう?

紗凪

そう。日本では人に感謝をしたい時、ありがとうと言うの。この5文字を人に伝えるだけで言われた人も言った人も幸せな気持ちになれる。もし日本人に会った時には言ってみて。みんな笑顔になるから

イジュン

、、

社員2

みんなー!お昼ご飯ができたから取りにきてー!

児童たち

やったぁ!!

紗凪

(準備中)

イジュン

口は達者だな

紗凪

え?

イジュン

子供達がよく話を聞いてた

紗凪

これが私の仕事だから

イジュン

、助かった

紗凪

え?

イジュン

うちの社員だけじゃここまでできなかったと思うから

紗凪

、、

イジュン

なんだよ

紗凪

いや、出会った時とだいぶ印象が違うなぁって。あんないじめっ子だったのに

イジュン

今の言葉取り消す

紗凪

だめ!もう耳に入っちゃったから♪

イジュン

!、、

紗凪

ねぇ、ここはもっと小さく切らないと(近づく)

イジュン

紗凪

ソヨン

イジュン?

イジュン

ソヨン

紗凪

ソヨン

やっぱりイジュンだ。こんなところで会えるなんて

イジュン

なんでここに

ソヨン

ここの施設、私の会社のグループなの。月に1回訪問に来てて。どうして紗凪さんも?

紗凪

社長の指示で

ソヨン

おじいさまと本当に仲がいいのね

紗凪

そんなことは

ソヨン

イジュン、このあと時間ある?もし良かったら一緒に食事でもどう?

イジュン

いや、俺は、、

紗凪

、私子供達と食べてくるのでごゆっくり。失礼します(行く)

イジュン

、、

ソヨン

、仲がいいの?紗凪さんと

イジュン

別に

ソヨン

そう。食事はいいから時間ができたらあとで会えない?話したいことがあるの

イジュン

あぁ、

夕方

社員4

明日のここを変更しようと思うんですけどどうですか?

紗凪

うーん、ここはこのままでこの部分を変更した方が子供達も喜ぶと思います

社員4

たしかに!やっぱり現場で働く人の声を聞くのは違いますね

紗凪

そんなことないですよ。会社員の方とこうしてお仕事する機会なんてなかったので、私の方こそ勉強させていただいてます

社員2

紗凪さん!!

紗凪

どうしたんですか?

社員2

日中話してた女の子見かけませんでした?!

紗凪

見てないですけど

社員4

どうしたんだよ

社員2

あの子、今日は一時帰宅の子なんですけど、引き取りの時間が近いのに見当たらなくて。さっき他の子に聞いたら紗凪さん探しに行ったって

紗凪

しばらく見かけてないです

社員2

どうしよう、そろそろお母さん来ちゃうのに

児童2

ねぇねぇ

紗凪

どうしたの?

児童2

その子からさっき外に行ったよ

社員2

え?!

児童2

もう少しで迎えにくるからお母さんのためにお花取りに行くって

社員4

どっちに行ったかわかる?!

児童2

あっちの木の方だったと思う

紗凪

私、見てきます!

社員2

私も行きます!

紗凪

みなさんはここにいて下さい。もしかしたら戻ってくるかもしれないし、親御さんが早く来てしまうかもしれないし

社員4

そしたらこれ、僕の番号です。何かあったら連絡を

紗凪

ありがとうございます!

ソヨン

最近忙しそうね。連絡してもなかなか返ってこないし

イジュン

今日の準備で忙しくて

ソヨン

、紗凪さんと仲が良さそうね。おじいさまの知り合いなんでしょ?よく会うの?

イジュン

別に

ソヨン

、私たちそろそろ

イジュン

ソヨン

ソヨン

ん?

イジュン

今まで曖昧にしてた。父さんとおじさんの仲だからと思って付き合ってきた。けど俺たち

ソヨン

言わないで

イジュン

、、

ソヨン

パパはその気でいる。うちと一緒になればサンムングループも世界トップ5に入れるのよ?おじいさまだってそれを望んでるんじゃない?

イジュン

そんなことにソヨンを巻き込むわけには

ソヨン

巻き込まれたって構わない。だって私はイジュンの彼女なんだから

イジュン

、、

社員2

本部長!!

イジュン

どうした?

社員2

一時帰宅の子供が1人いなくなってしまいまして

イジュン

え?

社員2

今紗凪さんが外に探しに

イジュン

1人で?

社員4

戻ってくるかもしれないからここに残ってて欲しいと。僕の番号は渡したのですが

児童2

お姉ちゃんたち、いたよ

社員2

!どこにいたの?!

児童1

入り口のところにお花が咲いてたから持ってきたの

社員4

じゃあ紗凪さんに連絡!、、どうしよう、番号は渡したけど聞き忘れた

イジュン

!、私が探してくるので皆さんはここで待機を

ソヨン

私も行く!

イジュン

そろそろ暗くなって危ないから。彼女はどこに

社員4

向こうの木の方に

イジュン

(走る)

ソヨン

、、

紗凪

おーい!どこにいるのー?!暗くなってきたし、何かあったらどうしよう。。おーい!きゃ!(転ぶ)

紗凪

痛い。。!雨、、

ゴロゴロ、、、ピッカーン!

紗凪

!!!

。。。

イジュン

おーい!!佐々木紗凪!!どこだ!!

紗凪

(うずくまってる)

イジュン

紗凪!!(駆け寄る)大丈夫か?!

紗凪

はぁはぁ。。

イジュン

おい

紗凪

いや。。(泣く)

イジュン

ゴロゴロ!

紗凪

!(抱きつく)

イジュン

!、(抱きしめる)大丈夫

紗凪

はぁはぁ。。

イジュン

、、

。。。

紗凪

、、

イジュン

落ち着いたか?

紗凪

(頷く)

イジュン

歩けるか?

紗凪

、さっき足挫いちゃって

イジュン

、ほら

紗凪

!、重いから

イジュン

重くないから

紗凪

でも

イジュン

この前のは冗談。重くなかった

紗凪

、、(乗る)

イジュン

行くぞ

紗凪

うん

イジュン

(歩き始める)

紗凪

、本当に重くない?私、100キロあるみたいだし

イジュン

根に持ってるのか?

紗凪

だって、、

イジュン

あの時はちょっとからかっただけだ

紗凪

ほんとに気にしてたのに

イジュン

児童は見つかったから

紗凪

ほんとに?

イジュン

敷地内にいたらしい

紗凪

良かった

イジュン

なんで1人で探しに行った?

紗凪

何かあったらどうしようって居てもたってもいられなくて、気づいたら体が動いてた。あの子の気持ち、わかるから

イジュン

、、

紗凪

どうして来てくれたの?私に何かあれば遺産は受け取れるのに

イジュン

そこまで人間腐ってない。俺も気づいたら体が動いてた

紗凪

!、ありがとう

イジュン

あぁ

紗凪

、思った以上に背が高いんだね。こんなに高いおんぶは初めて

イジュン

お前が小さいんだろ

紗凪

悪かったですねー、小さくて

イジュン

☺️

紗凪

!、☺️

翌日

社員1

2日間ありがとうございました

紗凪

こちらこそ、貴重な経験でした。ありがとうございます

社員2

足、大丈夫ですか?

紗凪

少し痛みはありますが歩けるので大丈夫です。ご迷惑おかけしました

社員4

あの時の本部長はほんとかっこよかったですよね!なりふり構わず走って助けに行く姿も、紗凪さんをおぶってくる姿も。やっぱり尊敬するなぁ

紗凪

、、

社員2

それじゃあ、また何か機会がありましたら、その時はよろしくお願いします

紗凪

こちらこそ。ありがとうございました(歩き始める)

プッ!

紗凪

イジュン

(車で来る)

紗凪

!なんで、帰ったはずじゃ

イジュン

乗って

紗凪

え?

イジュン

その足じゃ帰るの大変だろ

紗凪

バスで帰れるから大丈夫

イジュン

どうせ同じ家に帰るんだから

紗凪

、ありがとう

イソ

お母さーん、私が残しておいたチョコ、どこにあるかわかる?

ミンソ

チョコ?それならさっき食べちゃったわよ

イソ

え?!楽しみにとって置いたのに!ひどいじゃない!

ミンソ

また買えばいいでしょ

イジュン

(帰ってくる)

ミンソ

あらイジュン、おかえ、、?!

紗凪

(支えられて入ってくる)帰りました

イソ

え?!どうゆうこと?!

イジュン

足を怪我したんだ。行くぞ

紗凪

うん

イソ

ねぇ!あの2人、いつの間にあんなに距離が近くなったわけ?!

ミンソ

さぁ

紗凪

送ってくれてありがとう

イジュン

あぁ

紗凪

でも、これからはやめた方がいい

イジュン

え?

紗凪

さっき奥様とイソも驚いた顔してた。2人に変なふうに思われたら過ごしにくいでしょ

イジュン

別になんとも思わない

紗凪

!、それじゃあ

イジュン

、ありがとう

紗凪

?!

イジュン

お前がいなかったら今回の事業は成功してなかったと思う。慈善事業はうちのグループで1番苦手な分野だったから。助かった

紗凪

私は別にたいしたことしてない。私こそ参加できて良かった

イジュン

、、

紗凪

!、じゃあ(部屋に入る)

イジュン

、、

翌朝

イジュン

、、

園長

あの

イジュン

園長

韓国の方よね。。(携帯取り出す)(翻訳)ここの方ですか?

イジュン

えーっと、、

園長

良かったらこれで(携帯を渡す)

イジュン

、ここの職員ではないです

園長

そうですか

イジュン

ここの人に用ですか?

園長

日本から来てる職員に会いに来たんだけど

イジュン

佐々木紗凪?

園長

紗凪を知ってるの?

イジュン

はい

園長

もしかして今、あなたの家でお世話になってたりする?

イジュン

、はい

園長

やっぱり、そうだと思った。息子から話は聞いてます。紗凪がお世話になっております

イジュン

いえ

園長

あの子、迷惑かけてませんか?

イジュン

大丈夫です

園長

あの子、気は強いでしょ?強がってるだけだから心配になってしまって

イジュン

、、あの、紗凪さんは雷が嫌いだったりしますか?

園長

雷、、

イジュン

はい。昨日雷が鳴ってパニックになってしまっていたので

園長

あの子が施設育ちなのは知ってるかしら?

イジュン

はい

園長

生まれてすぐ施設の前に置いてかれてしまって、それ以来母親には会ったことはなかったのだけど、一度だけ母親が施設に来たことがあるの

イジュン

、、

園長

それが雷がなる雨の日だった

園長

ご足労感謝します。ここまで遠かったでしょう

いえ、、

紗凪

(ドアの近くで聞いている)

園長

紗凪、大きくなりましたよ。もう6歳に。大きなランドセルを背負って毎日頑張って学校に通っています

そうですか、、

園長

今回呼んだのは、紗凪と今後暮らす気はないのか確認するためです

?!

園長

小さい頃は授乳だの寝かしつけだの大変だからね、育てていくのは大変だったと思う。けど、もう6歳になって、特に紗凪はとてもいい子です。言うことはちゃんと聞いてくれるし、下の子達の面倒も見てくれる心の優しい子です。きっとあなたのことも助けてくれると思いますよ。だから

いまさら一緒に暮らせって言うんですか?

園長

たった2人の家族なんだから

ありえません

紗凪

妊娠して彼から別れを告げられて。おろしたくてももうおろせなくて。つわりもひどくて仕事もできなかったし、出産前に鬱だと診断されました。生まれた瞬間、あの子を見てもなんの感情も出なかった

紗凪

むしろ、やっと終わったって。これで解放されるって思ったんです。だから、生まれてすぐここに置いていきました

園長

今からでもやり直せる

無理ですよ!もう無理なんです

園長

もう2度と会えなくてもいいの?

構いません。これからもここに置いて下さい

紗凪

、、

園長

その会話を聞いていたみたいで、それ以降雷が鳴る雨の日はパニック状態になるようになったの

イジュン

、、

園長

ごめんなさいね、こんな話して。けど残酷よね、親に拒絶された上に本当はおろそうとしてたなんて聞かされたら

イジュン

何も知りませんでした

園長

そんなの当たり前よ。自分から話もしないだろうし

イジュン

、、

園長

あの子のこと軽蔑した?

イジュン

そんなことありません

園長

なら良かった。これからも出来れば仲良くしてあげて。1人でもそうゆう人がいることがあの子の生きる理由になると思うから

イジュン

、、はい

紗凪

園長?!

園長

紗凪

紗凪

どうしてここに?!、イジュンもどうして

園長

あなたの様子を見に来たのよ。あなたは?

イジュン

僕は、、足の様子が気になって

紗凪

あ、、ありがとう

園長

☺️それでこっちの生活は大丈夫なの?陽平から聞いたけど、大変そうだって

紗凪

それは、、

園長

今回来たのは、契約を変えてもらおうと思って来たの

紗凪

契約を変える?

園長

半年の契約だったけど、早めてもらおうと

紗凪

え?!どうゆうことですか?

イジュン

!?

園長

陽平からあなたが良からぬことに巻き込まれてると聞いて。初めての異国で半年は少し長すぎたわ。近々契約を解除して帰って来なさい

イジュン

紗凪

大丈夫です!私はこっちでもちゃんとやれてるし、それにあと少しで契約満了なのに

園長

あなたは頑張りすぎてしまうから心配なのよ

紗凪

でも、、

イジュン

、契約満了まであと3ヶ月ですよね?

紗凪

、、

園長

そうよ

イジュン

ならその間、僕が責任を持って見守ります

紗凪

え?

イジュン

こうなってしまったのは祖父のせいでもありますし

紗凪

、、

園長

、お願いしていいのかしら?

イジュン

はい

紗凪

、、

園長

、あなたなら安心できそうね。紗凪、もう少し頑張れる?

紗凪

もちろん

園長

なら、よろしく頼むわね

イジュン

はい

紗凪

、、

。。。

イジュン

足の調子は?

紗凪

少し痛みはあるけど大丈夫。どうしてあんな約束したの?私、ある意味敵みたいなものなのに

イジュン

だったら今すぐ日本に帰りたいのか?

紗凪

それは嫌

イジュン

だったら大人しく見守られてろ

紗凪

!、なんか変

イジュン

え?

紗凪

出会った時は嫌なやつだったから、なんか最近少し優しいような、、とにかく変な感じ

イジュン

、じゃあもう仕事だから(行こうとする)

紗凪

、ありがとう!

イジュン

紗凪

、色々

イジュン

あぁ(行く)

紗凪

、、

家政婦

どうしよう。。

紗凪

帰りました

家政婦

!紗凪さん

紗凪

!どうしたんですか?

家政婦

奥様の大事にしている花瓶を割ってしまって。。どうしよう。。

紗凪

正直に言って謝った方が

家政婦

そんなことしたら絶対に解雇になります!!ここを辞めることになってしまったらこの先どうすればいいか。。どうしよう。。

紗凪

、、

イソ

ただいまー

ミンソ

なんなのこれ?!どうして私の花瓶が割れてるのよ!!

家政婦

そ、それは、、

ミンソ

この花瓶、いくらすると思ってるの?!あなたのお給料の100倍ぐらいするものなのよ!?わかっているの?!

家政婦

!奥様、、

ミンソ

私が大事にしているものだって知っているはずなのに、なんてことしてくれたのよ!!

家政婦

、奥様、私

紗凪

、私です

イソ

え?

紗凪

割ってしまったのは私です

家政婦

!!

ミンソ

あなた、なんてことを!!

紗凪

手が当たってしまって。すみません

ミンソ

あなた、ふざけるのもいい加減にしなさいよ!多額の遺産が入るからってこんなことまでしていいと思ってるの?!

家政婦

奥様、これは

ミンソ

出ていきなさい

家政婦

紗凪

、、

ミンソ

2度と私の前に現れないで!!

紗凪

、、(出て行く)

家政婦

紗凪さん、、、

。。。

イジュン

ただいま

イソ

お兄ちゃん

イジュン

母さんは?

イソ

激怒して部屋にこもってる

イジュン

激怒?

イソ

あの子がお母さんの大事にしてる花瓶を割っちゃって怒られて出て行ったの

イジュン

え?!

イソ

まぁ当然よね。遺産も取られて花瓶も割られたらたまったもんじゃないわよね

イジュン

紗凪はどこに?!

イソ

さぁ

イジュン

いつ出て行った?!

イソ

1時間ぐらい前?

イジュン

(走って出て行く)

イソ

?紗凪?名前呼びなんてしてたっけ?

イジュン

(走ってる)

家政婦

ぼっちゃん!!

イジュン

なんですか?今急いでて

家政婦

申し訳ございません!!

イジュン

え?

家政婦

花瓶を割ってしまったのは、、私なんです。紗凪さんは私をかばってお叱りを

イジュン

、、

家政婦

解雇になるのが怖くて言い出せなくて、、それを見て紗凪さんが

イジュン

、、その件は僕がなんとかします。あなたはもう上がって下さい

家政婦

でも、、

イジュン

大丈夫ですから

家政婦

すみませんでした

イジュン

お疲れ様です(走る)

紗凪

はぁ、どうしよう。。あの花瓶を買えるお金は今無いし。だからと言って謝っても許してはくれないだろうし。。もうどうしよう。。

君どうしたの?

紗凪

あ、いえ、別に

なんだかお金に困ってるみたいだったけど

紗凪

、はい、実は

すぐに稼げる仕事があるんだけどどう?

紗凪

どんな?

お客さんと話すだけで30分5万

紗凪

30分で5万?!怪しい仕事なんじゃ

怪しくなんか無いよ!最近の若い子はみんなやってるよ

紗凪

ほんとに?

1時間で10万、2時間で20万。悪くないでしょ?

紗凪

うーん、、

とりあえず見に来てよ(腕を掴む)

紗凪

いや、でも

イジュン

(男の腕を掴む)

紗凪

なんだよ!

イジュン

俺の女に触るな

紗凪

!!

なんだよ、男がいんのかよ(行く)

紗凪

なんで

イジュン

バカか!!

紗凪

イジュン

そんな都合のいい話あるわけないだろ!!

紗凪

!、だって

イジュン

いいから行くぞ

紗凪

、、

イジュン

なんでよりによってあんなところに

紗凪

色々考えてて、気づいたらあんなところに

イジュン

花瓶のことか

紗凪

どうしてそれを

イジュン

家政婦さんから聞いた。かばったって

紗凪

いつも優しくしてくださるから、解雇されてほしくないと思ってつい、、

イジュン

自分が出て行かされてどうするんだよ

紗凪

大激怒だった

イジュン

たくさんある花瓶の中の一つだ。ただあれが1番高かったってだけ。そのうち怒りも収まる

紗凪

無理だと思うけど

イジュン

え?

紗凪

奥様は私がやったってことに怒ってるのよ。遺産の件もあるし、私のことをひどく憎んでるから

イジュン

じゃあどうするんだ?

紗凪

、、頑張って稼いで同じものを買う

イジュン

何年かかる?

紗凪

、、それが無理なら出て行くしか

イジュン

、花瓶は俺が新しいのを買う

紗凪

え?

イジュン

だからお前は戻ってこい

紗凪

だから無理だって。奥様があんなにお怒りなんだから

イジュン

戻ってこないと俺が困る

紗凪

え?

イジュン

、今日園長先生に見守ると約束したばかりだ。さっそく約束を破ることなんてできない

紗凪

、どうしてあんな約束したの?あなただって私がいない方が遺産も手に入るし、社長の座にもつけるし好都合じゃない

イジュン

、わかったから

紗凪

イジュン

お前が悪いやつじゃないってわかったから

紗凪

、、

イジュン

本当にただ単に金が欲しい若い女って思ってたから、現れた時はふざけんなって思ってたけど、遺産を渡したいって言うのはじいさんだけの意志で、それに合わせてるだけだってわかったから。だから態度を改めた

紗凪

、、

イジュン

なんだよ

紗凪

だって本当に別人なんだもん。なんか怖い

イジュン

だったら前みたいに戻る

紗凪

うそうそ!それで大丈夫

イジュン

それに、説教されたからな

紗凪

説教?誰に?

イジュン

お前に

紗凪

え?

イジュン

家族にもっと優しくしろって。確かに、ここ最近は自分のことで精一杯で家族に無関心だった。とくにじいさんになんて、早く席を譲れとしか思ってたかった

紗凪

遺産が手に入るってことはおじいさんが亡くなることを意味するでしょ?みんながそれを早くと願ってるように見えて。だから私はこの話を引き受けたの。唯一の家族からいなくなれって思われるなんて、、そんな悲しいことないから

イジュン

、、お前はいいな、心配して韓国まで来てくれる人がいて

紗凪

ずっと親代わりをしてくれてる人だから

イジュン

血の繋がりがなくてもそう思ってくれる人がいるって幸せなことだな。血の繋がりがあったってギクシャクしてる家族があるのに

紗凪

ちゃんと自分の意見を言えばいいんじゃない?おじいさんや2人にも

イジュン

、、

紗凪

、はぁ、、なんか今日は何にも考えずにパーっと楽しみたいなぁ!

イジュン

、じゃあ行くか?

紗凪

どこに?

イジュン

行けばわかる(腕を引く)

紗凪

紗凪

こんな時間に開いてるの?!

イジュン

期間限定で24時間開いてるってこの前イソが言ってた

紗凪

すごーい!まさか韓国でこんなところに来られるなんて!

イジュン

俺のおかげだろ?

紗凪

うーん、まぁそうゆう事にしとこう(行く)

イジュン

おい

紗凪

ねぇ早く!こっちにイルカがいるよ!

イジュン

、☺️

紗凪

全然誰も歩いてない

イジュン

もう2時だからな

紗凪

私、日本でも観覧車は乗った事なかったの

イジュン

え?

紗凪

遊園地なんて贅沢だって思ってたから、行きたいだなんて言えなかった。乗れて良かった。ありがとう

イジュン

、あぁ

紗凪

、聞いたんでしょ?園長から、私の生い立ち

イジュン

、あぁ

紗凪

生まれてすぐ施設の前に置かれていたみたい。何も知らないの、親の顔も、生まれたところも

イジュン

、、

紗凪

ただ、一度だけ後ろ姿は見た。小学生の時だったかな?園長との面会の時

イジュン

紗凪

この人が私のお母さんなんだって嬉しかった。やっと会えた。私にもちゃんと血の繋がった親がいるんだって。けど、一緒には住めないって。引き取るなんてありえないって話してた

イジュン

、、

紗凪

なんとなくわかってた、小さいながらにも。生まれてすぐここに置いていったってことはそうゆうことなんだって。けど、実際本人の口から聞くと、、辛かった

イジュン

それ以来会ってないのか?

紗凪

うん。どこにいるかもわからないし、会いにもこなかった

イジュン

、、

紗凪

だから羨ましかったの。おじいさんが家族を思う気持ちが

イジュン

紗凪

おじいさんが私に遺産を渡すって言ってるのは本気じゃないと思う。自分の家族に対する気持ちをわかって欲しいって思ってるんだと思うよ。だって、おじいさんはあなたたちを愛しているから

イジュン

、、

紗凪

そうじゃなかったらとっくに誰か違う人に会社を任せてるだろうし。何も知らない私に会社を渡すなんてありえないよ

イジュン

最初からわかってたのか?

紗凪

おじいさんの話に合わせただけ。なんだか大事になっちゃって最初はびっくりしたけど

イジュン

そうだな

紗凪

あなたが会社のことをどれだけ考えてるかわかった

イジュン

え?

紗凪

家にいる時、仕事のことしかしてないし

イジュン

見てたのか?

紗凪

見たくなくても視界に入ってたの。でも、それでわかった。ここの家族は言葉にするのが苦手なだけで、想ってることはみんな同じなんだって。だからなおさら羨ましかったの

イジュン

、、

紗凪

遺産については改めてちゃんと断るつもり。会社はあなたが継ぐべきだと思う

イジュン

本当にいいのか?

紗凪

いいも何も私は関係ないから。あともう少ししたら日本に帰るんだし

イジュン

、、行くぞ

紗凪

え?どこに?

イソ

ねぇお母さん、ちょっと言いすぎたんじゃない?

ミンソ

何がよ

イソ

あの子によ。確かに割ったのは悪いけど、悪気があったわけじゃなさそうだったし

家政婦

、、

ミンソ

なんであなたまであの子の肩を持つのよ!

イソ

最初は遺産泥棒だと思ってたけど、なんか最近は違うのかなぁって思って来たから

イジュン

(帰ってくる)

紗凪

、、

家政婦

ミンソ

どの面下げて帰って来たのよ。2度と現れないでと言ったでしょ

紗凪

それは、、

イジュン

やめよう、母さん

ミンソ

え?

イジュン

悪気があったわけじゃない

ミンソ

イジュンまで。どうしてその子の肩を持つのよ

イジュン

母さんだってわかってるんだろ。紗凪が本当は悪いやつじゃないって

紗凪

!、

ミンソ

紗凪って、、あなた名前で、、いつからそんな。その子は私の大事な花瓶を

家政婦

申し訳ございません!!

ミンソ

え?

家政婦

奥様の花瓶を割ってしまったのは紗凪さんじゃなく私なんです!

紗凪

ミンソ

一体どうゆうこと

家政婦

花瓶を割ってしまって、解雇されるのが怖くて困っていたところを紗凪さんが庇ってくれたんです。だから紗凪さんは何もしてないんです。悪いのは全部私なんです。本当に申し訳ございませんでした!!

ミンソ

あなた

紗凪

許してあげてください!確かに割ってしまったのは事実だけど、今回だけは許してあげて下さい。お願いします(頭を下げる)

イジュン

母さん

イソ

お母さん、今回だけは許してあげたら?

ミンソ

みんなして、、わかったわよ!許せばいいんでしょ

家政婦

奥様、、

ミンソ

あなたはこの家にずっと使えてくれてるし、ここで許さなかったら私が悪者になるでしょ

家政婦

ありがとうございます!紗凪さん、ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした!

紗凪

いえ、私は別に。じゃあ私はこれで(行こうとする)

イソ

どこ行くの?

紗凪

私がいると良くないので

ミンソ

部屋に戻りなさい

紗凪

え?

ミンソ

ここであなたを追い出したらそれこそ私が悪者でしょ

紗凪

でも

ミンソ

いいから

紗凪

、ありがとうございます

イジュン

😌

紗凪

ありがとう、色々

イジュン

俺は別に

紗凪

イジュンのおかげで誤解も解けた

イジュン

、、

紗凪

あ、そっちが名前で呼んだから、私もそうしただけ

イジュン

そうか

紗凪

、、

イジュン

、、

陽平

通話終了

通話
00:00

紗凪

あ、

イジュン

、出ろよ

紗凪

、うん。もしもし、陽平?

イジュン

、、

紗凪

園長に話したんだね。突然来たからびっくりしたよ。うん、大丈夫。契約満了までなんとかやっていけそう。うん、心配してくれてありがとう。また連絡するね。じゃあね

イジュン

友達か?

紗凪

幼馴染、施設の。物心ついた時から一緒にいるから家族みたいな人

イジュン

そうか

紗凪

、じゃあおやすみ

イジュン

あぁ

翌朝

紗凪

(降りてくる)

家政婦

紗凪さん、おはようございます

紗凪

おはようございます

家政婦

昨日は本当にすみませんでした。なんとお礼をすれば良いか、、

紗凪

もうやめて下さい。辞める事にならなくて良かったです。これからもよろしくお願いします

家政婦

これまで以上に頑張ります

ミンソ

何してるの

紗凪

!、私は仕事に

ミンソ

朝ごはんは

紗凪

え?

ミンソ

まだ食べてないでしょ。早く座って食べなさい

紗凪

いいんですか?

イソ

お母さんの気が変わらないうちに早く座った方がいいかも

紗凪

ありがとうございます😊

パク秘書

おはようございます。おや?今日は皆さんお揃いで朝食ですか

紗凪

パクさん

ミンソ

そうよ。悪い?イソ、ちょっとこれ手伝って

イソ

はーい

紗凪

なんだかいつもと違くて変な感じです

パク秘書

社長がイソさんにお話をしていましたよ

紗凪

社長が?

パク秘書

遺言制作までの経緯をしっかりお話しされていました。それでイソさんの態度も変わったんじゃないでしょうか

紗凪

そうだったんですね。社長も自分の想いをちゃんと伝えられたんですね

パク秘書

紗凪さんのおかげです。ご家族の関係が良くなってきました

紗凪

😊

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