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死ぬには少し勇気がいる

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死ぬには少し勇気がいる

第6話 - 授業名｢マイ｣①

51

2021年06月05日

#ドラマ

#自殺

#心理

#ミステリー

まめたろう小説

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ドタドタドタ…

フワッ…

舞

〜♪

舞ね、

いつかね

大舞台に立つんだ

お客さんがいっぱいいてね？

主役は、私っ！

主役は絶対誰にも渡さないんだから

死野宮先生

では、

死野宮先生

マイさん

死野宮先生

あなたはどうやって死んだのですか？

マイ

私は、

マイ

高いところから飛び降りて

マイ

そのまま即死

死野宮先生

なるほど…

カリカリカリ…

美都

(飛び降り………、)

死野宮先生

マイさんは、どうして死を選んだのですか？

マイ

受験に失敗したんです

マイ

それで自暴自棄になって

マイ

死を選んだの

死野宮先生

ふむ、なるほど

マイ

……、、

マイ

チラッ……

美都

……？

死野宮先生

では、

死野宮先生

マイさんの自殺に賛成の人は、挙手を

クラスメート

ザッ…

死野宮先生

では

死野宮先生

反対の人

スっ…

カズキ

…

ハルキ

…

ハルキ

はいっ？美都？？

ハルキ

おおーい！！

美都

へ…？

死野宮先生

えっと

死野宮先生

一応、反対の人の票を取っていたのですが……

美都

あ……

美都

あ、ああ！

美都

はいっ…！

カズキ

…？

美都

……、、

ハルキ

おいおい、美都

ハルキ

さっきはびっくりしたぜ

ハルキ

反対の方に手挙げないからさ

美都

へっ…？

美都

あ………

カズキ

美都？

美都

うん、ちょっとボーっとしちゃって

カズキ

………

有馬

先輩っ…、

有馬

少しは話を聞いて下さい！

刑事

だから言ってるだろ？

刑事

天野美都は自殺した

刑事

それ以外有り得ない…！

有馬

先輩だって、初めは殺人を疑ってたじゃないですか！？

有馬

遺体があった部屋には、誰の指紋もなかった

有馬

そんなのおかしいでしょ！？

刑事

有馬っ！！

有馬

ビクッ…、

刑事

それ以上の証拠が無いんだ…

刑事

お前は別件を頼んであるだろ？

刑事

まずそっちの報告をしろ

有馬

は、はい…、分かりました

有馬

高田舞さんの件ですよね

有馬

まだ解決していないっていう…

刑事

そうだ

刑事

事故としては…、不可解な点がある

刑事

その背景に何かあるはずだ

ガラッ

美都

(ちょっと外の空気吸いに行こうかな…)

クラスメート

ねえねえ、

クラスメート

さっきのマイの授業だけどさ

美都

(あれ？誰か話してる…？)

クラスメート

１回目の授業としては短すぎない？なんか、態度も生意気だよねー

クラスメート

内容も薄っぺらいし

クラスメート

つまんなかったよね

美都

(つまんなかったって……、、)

クラスメート

あー、あとさ

クラスメート

さっき見ちゃったんだけど…

クラスメート

あいつと一緒に話してたよ

クラスメート

あいつ？？

クラスメート

ほら、マイと意外と仲良かった人

美都

…？

クラスメート

あー！分かった

クラスメート

この学級から追放された人ね！

美都

追放…！？

クラスメート

ん？

バッ！

クラスメート

今誰かいなかった？

クラスメート

気のせい…？

美都

(危なかった…)

美都

(追放…、、？…なんてあるんだ)

美都

…

美都

(たしかに、さっきのマイって人の授業…)

美都

(意外とあっさり話してたな…)

美都

(ていうか、)

美都

(追放された人ってのがめっちゃ気になるんだけど…)

この世界に来てから

そこそこ経つけど

私がまだ知らない部分も

たくさんあるんだよね

マイ

…

｢ほんと…？｣

｢ほんとなのね？｣

？？？

ああ、本当だ

？？？

この自決の学級では、

？？？

自殺していない奴を抹殺すれば

？？？

もう一度人生をやり直せるんだ

マイ

…

？？？

つーか、そっちこそほんとなのか

？？？

自殺してねー奴がこの自決の学級にいるってのはよぉ

？？？

普通に考えておかしいだろ

マイ

ほんとよ

マイ

本人が教室で言ってたもの

？？？

…、、

？？？

はっ……、、

？？？

まあ、いい

？？？

刺せ

？？？

ほんのひと突きでいい

？？？

天野美都…

？？？

そいつを殺せばお前は人生をやり直せる

？？？

ただし……！

マイ

っ…、、

ガン…

？？？

もし失敗したときは…

マイ

……、、

？？？

覚悟しとけよ…

マイ

分かってる……

マイ

分かってるわよ…

死野宮先生

それでは、

死野宮先生

｢マイ｣の二回目の授業を始めます

マイ

えっと…

マイ

私は、それから自殺を考え

マイ

実行したの

美都

…

カズキ

…

ハルキ

…

死野宮先生

では、少し深く聞いていきましょうか

マイ

…

マイ

(そう、、、)

マイ

(自殺の理由なんてどうだっていい、適当でいいわ)

マイ

(天野美都は超が付くほどお節介…)

マイ

(つまり…、、)

マイ

(少し怪しげに、秘密主義を装っていれば美都は食いつくはず…)

マイ

(私は、ただこの女の注意を引けばいい)

マイ

(そしておびき出し、どこか別の教室で…、、、)

マイ

(これで私の願いは叶う…)

死野宮先生

その自殺の原因として、背景にいる人物はいますか？

マイ

………

マイ

話したくありません

ハルキ

出たよ、秘密主義派っ…

死野宮先生

では、自殺についてどう思いますか？

マイ

自殺は悪いことじゃないわ

マイ

自分決めた人生の終点だもの

マイ

素晴らしいことだわ…！

ハルキ

あーあ…

マイ

私は受験に失敗した

マイ

来世に期待して自殺を選んだの

マイ

何も間違ってないでしょ…、？

ハルキ

(どーせ、この辺で美都が抗議するに決まって…)

美都

…

ハルキ

お…？

マイ

…、、

マイ

そ…

マイ

それにっ

マイ

自分の人生、自分で決めて何が悪いのっ？

マイ

自殺しない人気持ちが、分かんないくらいだわ…！

マイ

……

美都

…

マイ

(何、なんで…)

マイ

(どうして何も言って来ないのよ……)

死野宮先生

では、さっき反対に手を挙げた人に聞いてみましょう

死野宮先生

どうして反対なのですか？

ハルキ

は、はいっ！

ハルキ

俺は…、、えと

ハルキ

自殺とかは絶対ダメだと思うからです！

カズキ

言い方小学生かよ

カズキ

俺は現時点どっちでもない

カズキ

判断できねぇ

死野宮先生

美都さんはどうですか？

マイ

…

美都

私も…、

美都

どちらでもないです

クラスメート

ザワッ…！

マイ

は…！？

死野宮先生

…、、

カズキ

美都……？

ハルキ

マジかよっ！

美都

…

マイ

(な……)

マイ

(この子は、ただの知りたがりなんじゃないの？ただのうるさいお節介なんじゃないの？)

マイ

(おかしい…、)

マイ

(だって毎回、反対で…、、勝手に一人でのめり込んで…)

マイ

！？

美都

…

マイ

(まさかこっち企みがバレた…、？)

マイ

(誰かが聞いてたとか……、いや)

マイ

(そんなまさか…、、)

美都

…、、

マイ

つっ…

マイ

(くっそ………)

マイ

(絶対失敗できないのに…！)

クラスメート

ザワザワ…

マイ

…、、

クラスメート

美都ちゃんが反対しない…？

クラスメート

いつも自殺絶対反対なのにね…

マイ

(早く2人きりになって、ナイフで刺さないといけないのに…、このままじゃ…)

美都

…

美都

(なんだ…)

美都

(なんだこの違和感…)

マイ

…、、

美都

(このマイって子、)

美都

(上手く言えないけど…、、なんかこう)

美都

(全然本心じゃないっていうか…)

美都

(やっぱりこの子…、)

死野宮先生

では、

死野宮先生

どちらでもない理由を教えてくれますか？

美都

うーん…

美都

えと…

美都

ほら

美都

やっぱり…、ちゃんと考えて判断してからじゃないと

美都

相手を傷つけちゃうんじゃないかなって思って…

美都

マイさんにも事情があったわけだし

美都

もっと話を聞いてから決めます

美都

だから

美都

今は賛成も反対もしません…！

クラスメート

おおーーー…

マイ

(違う…)

マイ

(こいつはそんなこと1ミリも思ってない)

美都

(この子、今までの人たちと空気が全然違う…)

マイ

(こいつ…、私の嘘に気づいた…？)

マイ

(だから…)

マイ

(だからこいつは私の本心を聞き出すために…、どちらでもない方に賭けたんだ)

美都

(たしかに、この子嘘をついてる…)

美都

(それにただ隠してるだけじゃない、絶対に何か裏がある…)

美都

(何を企んでいるかは分からないけど…)

マイ

(こいつ………、、)

美都

(この子…………、、)

マイ

…

｢どう崩せばいい…？｣

美都

…

有馬

(この舞って人…)

有馬

(えっと…)

有馬

(たしか資料によると、)

有馬

(この子舞台をやってたのか)

有馬

(特技はバレエで、)

有馬

(踊りを交えた舞台を得意としていた…)

有馬

(家も金持ちで、父親は会社経営で成功を遂げた)

有馬

うん…

有馬

一見何も曇りがなく、バラのような人生に見えるけど…

有馬

運悪く、舞台から落ちて転落死…

有馬

でも

有馬

もし意図的に起こされた事故だったら？

有馬

この事件は、殺人の可能性もあるかもしれない……

有馬

この人の近所の人やご友人にも、もう一度話を聞きに行こう

マイ

…

美都

…

カズキ

…

ハルキ

なんだなんだ…、この空気は…

マイ

…

マイ

先生

マイ

授業を終了させて下さい

マイ

今すぐに…

死野宮先生

分かりました

死野宮先生

では

死野宮先生

｢マイ｣の2回目の授業を終わります

マイ

ああっ！？

マイ

もう何なのよっ！

ギィッ…

マイ

！

マイ

あんた…

シュウヤ

はあ〜い♪

マイ

シュウヤっ…！

マイ

あんたのせいよ！上手くいかなかったのはっ…！

シュウヤ

おおっと…？

シュウヤ

逆ギレは困るね〜

シュウヤ

僕はあくまで助言しただけ

シュウヤ

たしかに、

シュウヤ

適当な嘘で美都ちゃんの注意を引き、二人っきりになるように仕組み…

シュウヤ

それから確実に殺すのが最前だ

シュウヤ

僕はたしかにそう言った

シュウヤ

でも、

シュウヤ

失敗したのは君だ

マイ

はぁ？？

サッ…！

シュウヤ

おやおやお次は刃物？

マイ

これでさっさとあいつを刺して、私は目標を達成する

マイ

死んでも失敗出来ないの

マイ

成功させなきゃいけないの！！

マイ

それなのに…

シュウヤ

美都ちゃんが一枚上手だった

マイ

は…？？

シュウヤ

だってそうでしょ？

シュウヤ

そもそも君

シュウヤ

嘘、下手過ぎぃー

シュウヤ

何が受験に失敗して…だよ

シュウヤ

バレバレ

マイ

何よ、

マイ

あんただって、

マイ

内心、美都のことムカついてるんでしょ…？

マイ

本当は改心なんてしてないんでしょ？

マイ

だから天野美都を殺す作戦に賛同したんじゃないのよ

シュウヤ

ま、そうだねっ…

マイ

だったら！！

マイ

だったらあんたも見てるだけじゃなくて、加戦しなさいよっ！

シュウヤ

そんなこと言われてもね〜

シュウヤ

だってこれは君の問題でしょ？

マイ

あんた結局どっちの味方なのよ…

マイ

もういい

マイ

やっぱり、あんたの力はもう借りない

シュウヤ

あははっ

シュウヤ

ついにキレちゃったか

マイ

ふん…

ギィッ…

シュウヤ

…

シュウヤ

ねぇ、マイ

マイ

は？

シュウヤ

君

シュウヤ

人殺したことある？

マイ

…

シュウヤ

初心者は上手くいかないと思うよん

シュウヤ

追放組じゃあるまいしさ…♪

マイ

…、、

バタンッ…！

シュウヤ

…

シュウヤ

そういや、

シュウヤ

あいつら元気かな

アカネ

さっきはちょっとヒヤヒヤしたよ

アカネ

緊迫感凄かったぁ

美都

すまん…

アカネ

…

アカネ

しなかったんだね

アカネ

反対

美都

あ、、

美都

うん

アカネ

どうして？

美都

…

美都

うーん

美都

何となく？

アカネ

そっか……

ハルキ

おーい、何の話だー？？

アカネ

こっちの話ー

美都

あははっ

美都

そう、こっちの話

アカネ

美都ちゃん

アカネ

話せるようになってからで良いからね

美都

アカネ

美都

ありがとね

ガラッ

ハルキ

お前さぁ…

カズキ

…

ハルキ

いい加減自分から聞けよなっ！

カズキ

様子は？

ハルキ

ったく、聞いちゃいねぇ…

ハルキ

はぁ…

ハルキ

元気がないっていう感じじゃなかったし

ハルキ

落ち込んでるって感じでもなかったけど

ハルキ

とにかく、なんか考え込んでるっぽかったぜ

カズキ

…

カズキ

あ？

カズキ

それだけか

ハルキ

うがーーーー！！

ハルキ

だから自分で聞いて来いって！！

カズキ

例のあいつは？どうだった…？

ハルキ

へ…？

ハルキ

あ、シュウヤの事か？

ハルキ

教室にはいなかったみたいだけど

カズキ

なんか気になんだよ…

ハルキ

そうか？

ハルキ

前は結構ヤバい奴だったけど、美都のおかげで改心したみたいだし

ハルキ

大丈夫じゃねーか？？

カズキ

ヤバい奴ってのは

カズキ

結構最後まで、

｢ヤバい奴だったりするんだよ｣

美都

あとで屋上前の階段下に来い？

シュウヤ

うん♪

美都

いいけど…、何の用なの？

シュウヤ

ちょっと話があってさ！

シュウヤ

あ、一人で来てね？

美都

…

美都

分かった…

シュウヤ

じゃ…♪また後でね

シュウヤ

チラッ…

マイ

…

住民

舞ちゃんはほんと毎日、舞台稽古頑張っててねぇ

住民

本当に一生懸命な子だったから

住民

まさか舞台から落ちるなんて…

有馬

そうですか…

有馬

時間を取らせてすみません

有馬

ありがとうございました

有馬

(近所の人や知り合い…)

有馬

(結構聞きまくったけど、やっぱりみんな同じことを言うな)

有馬

…

有馬

よし

有馬

二丁目回るぞ

〜♪

？？？

うん

？？？

今日も良い音だ…

ガラッ

？？？

ふん…

？？？

またピアノかよ

？？？

良いじゃない別に

？？？

どうせ、追放組は暇なんだし

？？？

そんなことより、

？？？

君はまた何を企んでるの？

？？？

別に企んじゃいねーよ

？？？

要らない者の排除と

？？？

ただの暇つぶしだ

マイ

…

マイ

(さっき、シュウヤが美都をここに呼んでいた…)

マイ

(上手く行けば、きっと…)

｢あー！美都ちゃん｣

マイ

(来たっ…！！)

｢やっぱり来てくれたんだね♪｣

｢まあね｣

｢それで、何の話？｣

｢この間の件で、分かったことがあったんだ…｣

マイ

…、、

カズキ

…、、

ハルキ

いないね

カズキ

なんか

カズキ

嫌な予感しないか…

ハルキ

さっきからどうしたんだよ

ハルキ

俺、何も感じないぞー？

アカネ

あれっ？2人揃ってふぇdどうかしたの？

カズキ

アカネ、美都見なかったか

アカネ

え？

アカネ

ああ！美都ちゃんなら、

アカネ

シュウヤ君とどこかで会ってるんじゃないかな？

カズキ

シュウヤと、、！？

アカネ

実はさっき、美都ちゃんたちの話聞こえちゃってさ

アカネ

たしか待ち合わせ場所は、屋上の階段ら辺だったかな？

カズキ

そんな、人気の無い場所で…、、

ハルキ

たしかに、ちょっと怪しいかも

カズキ

2人きりっ……！？！？

ハルキ

あ、そっち！？

ハルキ

嫉妬のほうねっ、なるほどね！！

｢なるほどね｣

｢だから美都ちゃんは、あんまり気にしない方がいいよ｣

マイ

(さっきから、何の話を…)

マイ

(ううん、)

マイ

(そんなことどうでもいい)

｢でも、一応警戒はしてね。実際何してくるか分からないし｣

マイ

(このまま隠れっぱなしじゃダメだ…)

マイ

(せっかくのチャンス、無駄にするわけにはっ…)

マイ

(……いかないんだからっ！！！)

｢了解…！｣

マイ

(今ここでっ、、)

マイ

(天野美都を殺すっ！！)

｢ところで、シュウヤ君って…｣

バッ…！！

ガラッ…

ハルキ

おい、あんま急ぐなって！

カズキ

うるさい

カズキ

万が一の事があってみろ、もし何かあったら…

美都

カズキ？？

ザッ

カズキ

！？

カズキ

…

カズキ

お前っ…、、なんで

ハルキ

あれ？美都じゃんっ！

カズキ

お前っ…、

カズキ

シュウヤと会ってたんじゃ……

美都

げっ…、なんで知ってんのよ？

アカネ

ごめんっ、つい盗み聞きしちゃった

美都

はぁ……、まったく…

マイ

……、、！

シュウヤ

クスッ……

マイ

…

マイ

は…、

タッタッタッ…

ザッ…

マイ

ちょっと…

マイ

もう1人はっ…、

マイ

天野美都はっ…！？

シュウヤ

何の事かな……？

マイ

今…、だって……！

シュウヤ

僕は

シュウヤ

ずっと1人だったよ

マイ

……そ

マイ

…

マイ

たしかに声がしたのにっ…

シュウヤ

｢それで何の話？｣

マイ

！？

マイ

その声っ…

マイ

あんた…、、

マイ

まさか…

シュウヤ

一人二役でやってたんだよ

シュウヤ

声マネって、こういう時便利だよねー

マイ

あんたふざけてんじゃ…！

シュウヤ

さっき、もうあんたには頼らないって言わなかった？？

マイ

そ、それは……

シュウヤ

ほんとバカだなぁ

シュウヤ

そんな可哀想な君に、

シュウヤ

君の弱点を教えてあげよう

シュウヤ

君は人を信じ過ぎてる

マイ

………は？

シュウヤ

1つ確認したいんだけど、

シュウヤ

君は誰を殺そうとしてるんだっけ？

マイ

天野美都

マイ

さっきからそう言ってるでしょ

シュウヤ

でも一体何で殺すんだい？

マイ

はぁ？

マイ

だからこのナイフで刺すのよ…

マイ

知ってるくせに、なんで何度も言わせるのよ

シュウヤ

ちなみにいつ、どこで？

マイ

場所はこの階段か、

マイ

誰もいない教室とか屋上とかで殺すつもりだったわ

マイ

タイミングはいつでもいい

マイ

殺せさえすれば…

シュウヤ

ふーん

マイ

…？

シュウヤ

ですって…

シュウヤ

せんせ…♪

カズキ

おい、ちゃんと説明しろ

カズキ

何でシュ…シュウヤと会う約束をしてたのかとか

カズキ

マイの自殺に反対しなかったこととか…

ハルキ

美都ちゃん、話してよ

ハルキ

カズキなんか、心配し過ぎでハゲて来ちゃったぜ？

美都

え、ごめん

カズキ

フサフサだわ、ふざけんな

アカネ

でも…、

アカネ

話せない理由があるなら、無理に話させない方がいいと思うんだけど…

カズキ

…、、

ハルキ

それは…、たしかにそうだな

美都

みんな…

美都

…

美都

(ごめんシュウヤ君、)

美都

(やっぱみんなに嘘はつけない…)

美都

話すよ

美都

なんでシュウヤと手を組んでるのか

死野宮先生

マイさん…

死野宮先生

今のは本当ですか…？

マイ

あ、、、

死野宮先生

…！

死野宮先生

今、ナイフを握りしめているのが何よりの証拠ですよね…？

マイ

死野宮……、先生

マイ

これはっ……、、

マイ

違くて………

マイ

そのっ……、、

シュウヤ

…、、

マイ

チッ………

マイ

あんた…、、やっぱり騙してたのね

シュウヤ

だから言ったろ

シュウヤ

君は人を信じ過ぎてるって

マイ

ていうかあんた…、、

マイ

一体どこから……

美都

どこから嘘ついてたかって言うと…

美都

いや

美都

嘘つくつもりはなかったの

美都

タイミング悪くて…、自分の中でも全然整理がついてなくてさ

カズキ

…

美都

さっきね、、

美都

実は、

美都

シュウヤ君にお願いされたんだ

カズキ

なんて？

美都

｢マイ｣の授業で、マイは絶対に嘘をつく

美都

だからマイを煽ってって…

シュウヤ

いつから…って

シュウヤ

初めからだよ

マイ

…、、

シュウヤ

あ、言っても分かんない？

シュウヤ

じゃ、詳しく教えてあげるよ

ー数時間前ー

美都

(たしかに、さっきのマイって人の授業)

美都

(意外とあっさり話してたな…)

美都

(ていうか、)

美都

(追放された人ってのがめっちゃ気になるんだけど…)

ぐいっ

美都

おわっ！！

美都

何っ…！？

シュウヤ

しーーーー…

美都

あんたかい

美都

あ、もしかしてなんか分かったとか？

シュウヤ

ゴニョゴニョ…

美都

…

美都

はい？

シュウヤ

だから…、

シュウヤ

ゴニョ………て…

美都

ごめ…、もう一回

シュウヤ

あーもう…！

シュウヤ

次の授業でマイを煽れって言ってんの……！

美都

へ？？

美都

何でよ

シュウヤ

マイは嘘をついてる

シュウヤ

さっきの授業で確信したよ

シュウヤ

だからマイの嘘を暴くために、美都ちゃんに手伝って貰いたいんだ

美都

え、、、

美都

一人でやってよ…

シュウヤ

なっ！

シュウヤ

君の問題でしょ！？

美都

え…？

シュウヤ

マイは、、

シュウヤ

君を殺し、自殺に偽装した本人なんじゃないかって…

美都

えっ！？

シュウヤ

しっ……！

美都

あ、すまん…

美都

で

美都

どゆこと…？そのマイって人が犯人なの？

シュウヤ

いや、疑ってるだけ

美都

あれ！？

美都

あんたこないだ…

美都

犯人はもう分かった！！

美都

って雰囲気出してたじゃない…

シュウヤ

いや、それはね…

シュウヤ

自決の学級の中にいるって言ったけど…、名指しはしてないし

シュウヤ

あくまで犯人候補がいるだけ

シュウヤ

ほら、読者の皆様も盛り上がるし

美都

あんた大切な読者の方々を騙したって事に…

シュウヤ

ま、いーからいーから

美都

相変わらずねあんた

美都

でも

美都

たしかにマイって子、

美都

何か隠してるんじゃないかなって違和感はあった

シュウヤ

それだけじゃない

シュウヤ

マイは美都ちゃんを殺そうとしてる

美都

は…、、

美都

はい…？？

美都

ま、まさか…、そんなわけ

美都

え、死後の世界だよね？ここ

美都

もう一度死ぬことなんてあるの…？

美都

そもそも…

美都

この自決の学級で、もし殺されたらどうなるの…？

シュウヤ

この自決の学級で殺されて場合、正直どうなるかは分かってないんだ

シュウヤ

前も似たようなことがあってね…

シュウヤ

この学級で殺された子がいたんだ

美都

嘘…、、

美都

その子は……？

シュウヤ

二度と戻って来なかった

美都

えっ………

シュウヤ

だから、どうにかして止めないといけない…

美都

(マイは…、どうして)

美都

(どうしてあたしを……)

シュウヤ

とりあえず、次の授業でマイを煽って

シュウヤ

賛成も反対もしないで

シュウヤ

真実を暴かせる

シュウヤ

OK？

美都

お、OK……

ハルキ

それで、わざとマイを煽るようにしたってわけか…

ハルキ

ってか、、

ハルキ

自殺に偽装された…、ってどゆこと！？

美都

…

カズキ

おい

カズキ

俺の推測がもし合ってるんなら

カズキ

最悪の事態じゃねーのか

アカネ

つまり、、

アカネ

美都ちゃんは…

アカネ

誰かに殺されて…、自殺に偽装されたから

アカネ

自殺判定となり、ここに居るってこと？

美都

うん…

ハルキ

ええっ！そういう事…！？

アカネ

しかも犯人がこの学級の中に…

美都

…

カズキ

…

カズキ

おい

カズキ

その犯人誰だ

美都

え、

美都

あ、だからまだ分かんなくて…

アカネ

心当たりくらいあるんじゃないの？

アカネ

誰っ！？

美都

いや、だからね…

カズキ

今すぐにでも殴りに行きたい気分だな

アカネ

もういいんじゃないそんな奴

アカネ

さっさと追い出そうよ

ハルキ

何だそいつ

ハルキ

ただのクズじゃねーか！

美都

あの…、えっと

美都

でもその人にも何か理由があったかもしれないし

美都

知らないうちに、その人に恨みを買われるようなことしちゃってたなら

美都

仕方ない…

カズキ

仕方なくねぇだろ

美都

え…、、

カズキ

例えそいつがお前をどれだけ憎んでいても、人を殺していい理由にはならねぇ

カズキ

他人の命を奪って許されるわけないだろ

アカネ

そうだよ

アカネ

しかも、美都ちゃんを恨むなんて考えられない

アカネ

いつもお人好しで優しくて強い美都ちゃんを殺すなんて

アカネ

信じられない

ハルキ

お前全然非ねーじゃねーか！

美都

みんな……

美都

…

美都

そう…だよね

美都

(私のために、こんなに懸命になってくれるなんて…、思わなかった…)

アカネ

まとめると…

アカネ

美都ちゃんは誰かに殺され、自殺に偽装されてここに居る

アカネ

しかも、

アカネ

その犯人がこの学級にいて

アカネ

シュウヤ君もそれを一緒に追ってくれてるのね

ハルキ

だってさ、カズキ

ハルキ

やっぱ悪い奴じゃねーよ

カズキ

……ま、そういうことにしといてやる

ハルキ

素直じゃないなぁ…

アカネ

そんでもって…、犯人の第一候補が、

カズキ

マイかもしれないんだな

美都

…

カズキ

そんで、口封じかなんかで、今度はこの死の世界でお前を殺そうとしてるわけだ

カズキ

それを今シュウヤが説得してるんだな

美都

らしい…

ハルキ

あいつ…！ちょーっと美人だからって調子乗ってんな…！？

ハルキ

俺がボッコボコに……！

美都

待って…！

美都

たしかに、私の事を殺そうとしてたのはほんとみたいだけど

美都

それが直接犯人に繋がるとは思えないの

ハルキ

つまり……？

美都

私はマイを犯人だとは思わない

美都

まぁ

美都

何となくだけどさ

ハルキ

何となくぅ…？？

美都

だ、だってなんかそんな感じしたんだもん…！

美都

追い詰められてるっぽかったし…

カズキ

…

アカネ

美都ちゃんがそう言うなら…、問い詰めたりとかはしないけどさ

アカネ

要注意人物なのは変わりないから、気をつけてよ？

美都

大丈夫大丈夫…！

美都

なるべく気をつけるし

美都

(マイにはきっと)

美都

(何か別な理由があるはずなんだ…)

マイ

なんだ…

マイ

やっぱり、、

マイ

初めから騙してたのね……

シュウヤ

あれ

シュウヤ

意外と怒らないんだね

マイ

はぁ…

マイ

気が抜けちゃったのよ

マイ

ずっと神経張ってたからね

マイ

…

マイ

てか、

マイ

美都って子、、

マイ

実は殺されてたのね、偽装までされて

マイ

ま、なんで自殺してない奴がここにいるんだろうって思ってたけど…

マイ

そう……、、

マイ

そうだったのね…

死野宮先生

…

死野宮先生

マイさん、どうしてこんなことを？

マイ

…、、

マイ

今は話したくない…

死野宮先生

分かりました

死野宮先生

あとで、お話聞かせて下さいね

死野宮先生

そして…

マイ

…

死野宮先生

凶器の所持は、この学級のルールに違反します

死野宮先生

それに、

死野宮先生

殺意があったとするなら、さらに罪は重くなります

死野宮先生

これからどうするかは、私が判決を下します

死野宮先生

それまで別室にいて下さい

マイ

…

マイ

分かりました……

シュウヤ

待って

シュウヤ

先生、少し二人きりで話させて貰えます？

マイ

…？

死野宮先生

え、ええ

死野宮先生

良いですけど…

・・・・・・

シュウヤ

あのさ、君

シュウヤ

生前誰かを殺したことは？

マイ

は？急に何？

マイ

さっきもしたわね、その質問

シュウヤ

さっきは答え帰ってこなかったから

シュウヤ

念の為

マイ

はぁ…

マイ

するわけないでしょ

マイ

今さら言っても説得力ないけどね

シュウヤ

(嘘をついてる素振りがない…)

シュウヤ

(マイは犯人じゃないな…)

シュウヤ

(まぁ、犯人候補の中でも一番白に近かったから最初に潰したんだけどさ…)

マイ

何？

シュウヤ

いや、無いなら良いんだ…！

シュウヤ

騙してごめんねっ？

マイ

ふん…

マイ

思ってもないくせに

美都

(シュウヤ君…)

美都

(なかなか戻って来ないな…)

ガラッ

美都

おっ

美都

シュウ…

死野宮先生

皆さん席に着いて下さい

美都

え、先生…？

シュウヤ

どもっ♪

美都

あ、いた

死野宮先生

…

死野宮先生

マイさんが、

死野宮先生

審議に入りました

美都

(審議……？)

美都

審議って……、

クラスメート

ザワッ…

クラスメート

やっぱりね……ｺｿｺｿｯ

クラスメート

追放組と話してたし、絶対なんかすると思ったー

クラスメート

せんせー！マイ何やったんですかー？

死野宮先生

それは…

死野宮先生

まだ審議の途中なので、お答え出来ません

死野宮先生

…なので、｢マイ｣の授業はこれで一旦打ち切りにします

美都

…

美都

ちょっと…！どういう事？

シュウヤ

何が？

シュウヤ

美都ちゃんのおかげで無事、マイを追放出来そうだよ

シュウヤ

まずは犯人候補一人潰れたねっ

美都

マイを煽れ…って、

美都

そういう事だったの？

シュウヤ

へ…？

シュウヤ

うわっ！

バンッ

美都

あんた…！

美都

あたしは確かに犯人を見つけようとしてる…、でもね！？

美都

追放させろなんて一言も言ってない！

シュウヤ

しーー！声大きいよ…

シュウヤ

美都ちゃん…、でもね

シュウヤ

追放させないと、美都ちゃんが刺されてたかもしれないんだ

美都

だったら刺されてもいい

シュウヤ

美都ちゃん…

美都

あたしはてっきり、話で解決するんだと…

美都

とにかく…！

美都

今後はこういうことしないで

シュウヤ

ご…、

シュウヤ

ごめん……

美都

…、、

シュウヤ

ふぅ………

シュウヤ

なんで隠れてんの？

アカネ

ごごごごごめん…

ハルキ

出て行きにくくてさ……

シュウヤ

もう知ってるかもしれないけど

シュウヤ

僕はね、

シュウヤ

マイに、美都ちゃんを殺すことを相談されてたんだ

シュウヤ

何とか止めないと…って思った

シュウヤ

だけど僕には、、

シュウヤ

追放させることしか思いつかなかった

ハルキ

シュウヤ……

シュウヤ

ははっ

シュウヤ

話合いだけで解決しようとする美都ちゃんとは

シュウヤ

根本的に違うみたいだ

やっぱりダメだ

こういうのはダメだ

たとえ…

どんなに危険な目に遭おうと

誰に裏切られようと

私は誰も傷つけないし

傷つけたくもない

だから私はもう逃げない

大丈夫

きっと大丈夫

やっぱり私は、、

自分の足で行く

美都

見つけた……

ガラガラガラ…

美都

何ここ…

美都

パソコン室…？

マイ

はぁっ！？

美都

わっ！

マイ

な…、、、

マイ

何であんたが…

マイ

ここに来んのよ…！？

美都

いや、さ…

美都

よく考えたらあたし達

美都

腹割って話してないな…って思って

マイ

は？

マイ

一人で来たの？

美都

もちろん

マイ

…、、

マイ

何で

マイ

一人で来れるのよ

美都

何でって…

マイ

シュウヤから聞いたんでしょ…！？

マイ

あたしがあんたを殺そうとしてること…

マイ

何でズカズカと一人で来れるのかって聞いてるのっ！！

美都

分かっちゃったから

マイ

はい？？

美都

マイはきっと

美都

そんなこと本当は望んでないって

美都

分かっちゃったから

マイ

…

美都

ま、分かんなかったとしても来たけどね

マイ

あんたとんでもない大バカね

マイ

全然親しくもない相手を信じる？

マイ

バカにも程があるわね

美都

あんただって

マイ

は？

美都

シュウヤなんかの言葉に簡単に乗っちゃって

美都

さっきあたしが、｢一人で来た｣って言ったときも

美都

すーぐ信じちゃってさ

美都

バカにも程があるんじゃない？

マイ

う……、、

マイ

うるさいわね！

マイ

あたしは純粋なのよ！

美都

…

マイ

だいたいシュウヤって何なの！？

マイ

平気で人を騙して、陥れて…

マイ

なのにヘラへラしてさ

美都

…

美都

(なんだ……)

マイ

ほんとムカつくあいつ…

美都

(そっか、)

マイ

まあ…、信じたあたしもバカだったけど

美都

(普通に良い子なんじゃん、、)

マイ

てか

マイ

さっきから何ジロジロ見てんのよ

美都

ううん、何でもないっ…

美都

(ちょっと短気だけどね)

マイ

何でもないって何よ

美都

何でもないんだって

美都

…

美都

ていうか

美都

こっちこそごめん

マイ

はっ？何であんたが謝んの…

美都

嘘ついちゃった……から

マイ

え、何をだっけ…、、？

美都

私はちゃんと反対だよ

美都

マイの自殺に…

マイ

ああ…、そのこと…

美都

理由も何にも知らないけど

美都

無条件で反対だからね

ハルキ

…、、

カズキ

あれ？

カズキ

美都見なかったか？

ハルキ

…、、

シュウヤ

行ったよ

カズキ

あ？どこに？

シュウヤ

…

カズキ

まさかな……

シュウヤ

…

カズキ

おい

シュウヤ

…

カズキ

お前行かせたのか…！？

がたっ

クラスメート

ザワッ…

ハルキ

お、おい…、カズキ…！

シュウヤ

君ならどうした

カズキ

あ？？

シュウヤ

君なら止められたのかな

カズキ

チッ………

ドッ

シュウヤ

っ…！

ガラッ！

シュウヤ

あーあ

シュウヤ

行っちゃった…

ハルキ

…

シュウヤ

君はどうして、

シュウヤ

美都ちゃんを止めなかったの？

ハルキ

止められるかよ

ハルキ

だってあんな顔…、

ハルキ

初めて見たぜ

マイ

…

マイ

無条件ね…

マイ

そういうとこがムカつくのよあんた

美都

え、だってほんとの事だし…

マイ

…

マイ

…

マイ

あんたって

マイ

ほんとにあたしのこと信じてる？

美都

へ？

マイ

ほんとに信じてるの？

美都

うん

マイ

…

数時間前

カランカランカラン…

マイ

？

マイ

ナイフ、もう貰ったけど…

？？？

念の為二つ持っとけ

？？？

誰に何奪われるか分かったもんじゃねぇからな

？？？

万が一

？？？

先公にバレたときとかなぁ

マイ

…

マイ

分かった

美都

信じてるって言うか…

美都

確信を持ってる

マイ

確信？

美都

人が自殺するには必ず理由がある

美都

たとえ

美都

周りの人にどう思われても

美都

どう好き勝手言われても

美都

悲しい理由があるそこにある

美都

自分にしか分からないものがある

美都

マイにもあるんでしょ？

美都

自分にしか分からないものが

マイ

…

マイ

あんたは大バカね

マイ

(あたしはまだナイフを持ってる…)

マイ

(もう、いつでも殺せる…)

マイ

…

マイ

…

マイ

美都……

ザッ…！

ザクッ

なるべく近日公開→