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怜
私は怜。
田舎のアーティストだ。
rainという芸名で活動している。
ふと、カレンダーに目をやる。
怜
怜
怜
怜
怜
怜
一人パニクっていた。
とりあえずバッグを引っ掴んで スーパーに行った。
怜
板チョコ溶かしてとにかく型にぶち込も…
という簡単かつ適当な作戦を思いついた私は
板チョコと型、ラッピング袋とアラザンなどなどを買った。
怜
帰って来た私は、まず、
お湯を沸かしてボウルに入れた。
そしてその上に小さいボウルを重ね、板チョコを全部ぶち込んだ!
怜
私は悶々とギターを片手に曲を考え始めた。
〜5分後〜
怜
よし、これを型にテキトーに流し込んで…
ドライフルーツやらアラザンやらを ばらまいた!
そして冷蔵庫に強制収納!
よし、コレで固まるのを待って ラッピングするだけ!
そしてまた私は悶々と曲を考えた…。
怜
ラッピングぐらいは丁寧に、丁寧に…っと!
怜
よし、配りに行こ!
怜
あと一人になったんだけどさ、
そのあと一人に問題が…
廉
怜
怜
廉
怜
廉
廉さんは私のマネージャーである。
悔しいけど顔がいいからモテる。
だからといってチョコをもらって当然という態度、めっちゃムカつく〜〜!
怜
怜
廉
悔しいけど、すんごく悔しいけど、
ニヤリ、と大胆不敵に笑った廉さんの顔は、夕日に照らされてすごくきれいだった。
〜新曲お披露目当日〜
廉
怜
廉
私はステージにあがる。
そして、歌った。
バレンタインの空気に押されて
私はチョコを作る。
雑、って皆に毎年言われるよね。
でも知ってる?
私、不器用だけど
誰よりも気持ち込めてるんだよ。
届け、チョコと共に
バレンタインソング。
届け、
私の気持ち。
届け、
バレンタインソング。
わっ、と歓声があがる。
やった…!
怜
そう叫ばずにはいられなかった。
廉
怜
廉
怜
廉
怜
廉
怜
廉
怜
ブツッ
ツー、ツー、ツー、
電話は、無機質な音で通話終了を告げていた。
でも切り際、
廉さんのありがとう、という声が聞こえた。
すごく小さな声だけれど。
すごく優しい声だった。
怜
笑いが漏れる。
少しだけ、ハッピーなバレンタイン、だったな。