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それから何日か経って、僕が松葉杖があれば何とか学校に通えるようになって教室に行くと、クラスの人が僕のところに来てくれた

クラスメイトA

岡崎さん、なんで休んでたのかと思ってたけど、事故にあっちゃったの…?

クラスメイトB

大丈夫?

クラスメイトC

ごめんな、お見舞い行けなくて。入院してたこと知らなかった

クラスメイトD

なんか手伝って欲しいことあったら言ってね

クラスメイトE

俺も手伝えることなら手伝うよ

岡崎絢也

みんな…ありがとう

僕がこんなに人に囲まれたのは小学生以来初めてだった

久しぶりに感じるこの温かさに僕は思わず泣いてしまった

坂本愛花

…絢也くん!またなんかされたの?!

岡崎絢也

違う…違うんだ…みんな、優しくて…嬉し涙だよ。久しぶりなんだ。僕がこんなに人に心配されるのって

坂本愛花

…そっか。良かったね

岡崎絢也

うん…

こうしてクラスに馴染めたのは坂本のおかげ

けど…まだ分からない僕がいた

坂本のことを好きなのか

僕はこの日、色んな人に手伝われながら1日を過ごした

嬉しかった

こんなに学校が楽しくなるなんて思いもしなかった

帰り道。僕は坂本を誘って一緒に帰った

坂本愛花

絢也くんから誘ってくれるなんて初めてじゃない?

岡崎絢也

うん。初めて誘ったよ

坂本愛花

なんでいきなり誘ってくれたの?

岡崎絢也

…確かめたいことがあるから

僕は決めたんだ

坂本。君に聞いてみたいことがあるんだ

岡崎絢也

坂本は前世のことを覚えてるんだよね

坂本愛花

うん

岡崎絢也

僕の前世のこと、もう少し色々聞かせて欲しいんだけど

坂本愛花

いいよ!あのね、絢也くんは、実を言うと、あんまり変わってない部分もあるの

岡崎絢也

変わってない部分?

坂本愛花

うん。あのね、名前は前世も絢也って名前で変わってないし、それに…

坂本愛花

優しい所も変わらない

岡崎絢也

…僕、優しい?

坂本愛花

うん。すっごく優しいよ

坂本愛花

けど、その優しさが時に苦しくなることも変わってない

坂本は少し寂しそうな顔になって言った

坂本愛花

絢也くんは優しいから、前世も私のことを庇って事故にあった。それで、走れなくなっちゃった。しかも、前世の絢也くんは陸上選手になりたがってたくらい走るのが好きだったのに

岡崎絢也

えぇ、僕、前世では走るの好きだったの?!

坂本愛花

うん。そして、私は絢也くんが一生懸命走っているのを見るのが好きだった。なのに、絢也くんは私を庇ったせいで走れなくなって、大丈夫だよって言いながらも結構ショックそうだった。私はそれで苦しくなった。絢也くんが走れないなんて。それも私のせいで。

坂本愛花

それにそれに、絢也くんを好きだって気持ちも苦しくなった。私には好きになる資格なんてないのに

坂本愛花

だから…絢也くん。優しすぎるのも良くないと思うの。

岡崎絢也

なんで?そんな優しい自覚はないけど…

坂本愛花

絢也くんは自分のことも大切にしなきゃダメだよ。人のこと考えすぎて自分のこと守れてないよ

岡崎絢也

けど僕、自分のこと大切になんて出来ないよ

坂本愛花

…どうして?

岡崎絢也

僕は自分が嫌いだ。どうしようもなく捻くれ者な僕が大嫌いだ

坂本愛花

捻くれ者なんかじゃないよ

坂本愛花

絢也くんは、ひねくれてなんかいない。

坂本愛花

もっと自分に自信を持っていいんだよ?

岡崎絢也

自信なんて持てないよ…

坂本愛花

絢也くんほどいい人はいないよ。私は…絢也くんが世界で1番いい人だと思うし、世界で1番大好き。

僕はその言葉がとても嬉しかった

こんなことを言われたのは初めてだよ

坂本には色々な初めてを教えてもらってるなぁ。

坂本のことは、今はまだ好きなのか分からない

でも、いつか絶対好きだって思う日が来る気がする

それもそんなに遠い話じゃない

もうすぐだと思うんだ━━━━━━━。

僕は退院して、今は病院に週に2回通うだけになった

岡崎絢也

ただいま、母さん

坂本愛花

ただいま!

お母さん

2人とも、おかえり。

お母さん

絢也、久しぶりの学校、どうだった?

岡崎絢也

楽しかったし、みんな親切にしてくれたよ

お母さん

良かったわ。心配してたのよ。久しぶりに学校に行ったら、また前みたいになるかもしれないって思って

岡崎絢也

全然大丈夫だったよ

坂本愛花

...すみません、私手伝えなくて...

お母さん

大丈夫よ!愛花ちゃんには普段お世話になってるから。

お母さん

あっ、そう言えば

母さんは何やら楽しそうな笑みを浮かべながらあるものを取り出した

坂本愛花

それは...遊園地のチケット?!

お母さん

そう!愛花ちゃんにお世話になってるから、どこか行きたいってお父さんに頼んだら、会社から貰ってきてくれたの

お母さん

明日は土曜日でしょ?だから、遊園地に行くわよ!!

坂本愛花

わぁーい!絢也くんの荷物は私が持ってますね!

お母さん

いいの?ありがとう。絢也、足大変かもだけど、いい?

岡崎絢也

うん。たまには家族で出かけるのもいいと思う

お母さん

じゃあ、今日のうちに用意しといてね!!

坂本愛花

はーい

僕は部屋に行ってリュックサックに持ち物を用意した

岡崎絢也

家族で出かけるの、久しぶりだなぁ

僕がこんな可愛くない息子なせいでもう何年も出かけていなかった

だから過ごく楽しみだ

坂本愛花

絢也くん!入るよ!

用意が半分くらい終わったところで坂本が部屋に入ってきた

坂本愛花

わぁ、もう準備してるの?偉!

岡崎絢也

別に偉くないよ。ただ、僕は眠くなるのが早いから、早めに準備しておこうと思って

坂本愛花

そうなんだ。絢也くんって前世は夜型だったのに朝型になったんだね!!

坂本が嬉しそうに笑った

胸がドキッとする

顔が赤くなっていくような気がする

坂本愛花

絢也くん、どうしたの?顔赤いよ

岡崎絢也

え!そう?!

今、確実に分かった

恋と言うものを思い出した

僕の嘘は君の過去だった

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