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佐藤と山田、ときどき鈴木

第4話 - 合体ロボはコスパ悪すぎる

2025年09月20日

#短編集

#照英など存在しない

#大人しくできなかった作者シリーズ

#コンプライアンスが心配になる作品シリーズ

鬼霧宗作

やっと学校が終わりました。

これからは帰宅部に許されし自由なる時間。

もはや誰も佐藤達を止められはしない。

佐藤

合体ロボって――何のメリットがあるんだ？

山田

また、何を言い出すかと思えば――。

佐藤

あれ、わざわざ街中まで車みたいな形態でやってきてよ、わざわざ街中で合体するだろ？

佐藤

しかも、大抵が自動運転だよ？

佐藤

なんたら戦隊が乗ってくる足になるわけじゃねぇんだ。

鈴木

まぁ、あれは街乗りの軽自動車じゃなくて、合体ロボの一部だからな。

佐藤

そもそも、どっかで怪人と戦って、うっかりトドメを差し損ねたせいで怪人が巨大化するわけじゃん？

佐藤

あいつら学習しなさすぎだろ！

佐藤

巨大化する前に仕留めておけば、いちいち巨大ロボ出す必要ねぇんだよ！

佐藤

しかも、普段はバラバラになってる乗り物には、大して乗り物としての価値はない。

佐藤

そもそも、車検通らないだろ？

佐藤

巨大ロボの右足になる車が車検通るほど、世の中甘くないんだよ！

鈴木

いや、だからあれは最初から合体することが前提――。

佐藤

だったら最初からロボ作れよ！

佐藤

いちいち合体する必要ないんだよ！

山田

それはお前、大人の都合だよ。確かに、最初から巨大ロボを出しておけばいいだろう。しかし、それがおもちゃとして出るとしたらどうだ？

山田

ロボだけ買って終わりってわけにはいかない。

山田

そこで合体ロボだ。

山田

本当ならひとつで済むものを、それぞれ別で販売するんだ。しかも、なんとそれを集めたら――巨大ロボに合体する。

鈴木

陰謀じゃねぇか――おもちゃメーカーの。

佐藤

そんな現実的なところを見るんじゃない！

佐藤

とにかく、街中で合体すんのはリスク高ぇよ。今や小学校の運動会からスタンツが消えつつあるってのに、街中で合体はやめよう？　それにさ、なんで合体ロボの足になる２台って、軽自動車っぽいのが多いの？

佐藤

それでもって、胴体はトラックだったりするわけだし、どう考えても支えきれないだろうが！

佐藤

だから、最初からロボ作れって言ってんだよ！

山田

待て、そもそも合体ロボ自体が非現実的なものであってな、それを現実的に見ろってのは――。

鈴木

待った――。

鈴木

相手が巨大化するしない関係なしに、最初からロボで戦えばいいんじゃね？

身も蓋もない結論に、山田は小さく咳払いをする。

佐藤

と、とにかくだ。

佐藤

あれだけは伝統として引き継いでいただきたい。

佐藤

その、戦隊モノの女性のスカートが、やたら短いという伝統――コンプライアンスに引っかからない限り、続けていただきたい。

山田

あぁ、日曜日のお父さんは、あのためだけに早起きしているからな。

早寝早起きをして、朝ごはんをしっかりと食べる。

佐藤

――健康第一だな。

鈴木

あぁ、健康第一だ。

俺達、帰宅部の戦いはまだ始まったばかりだ。

これまでのご愛読ありがとうございました。

鬼霧先生の次回作にご期待ください。 (まだ終わりません、多分)

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鬼霧宗作

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