30××年
何も無いこの箱庭で
私達は どう生きる。
子供達
子供達
元気いっぱいな子供達の声が響く この何も無い青空の下。
公園やコンビニ 家もお店も何も無いこの世界。
いつからだろう ここが「箱庭」だと気付いたのは。
昔は沢山のお店や公園 色とりどりな世界だったと 歴史の本で学んだ。
でも、今の世界は違う。
ただ澄み切った青の空に ゆっくりと流れる白い雲。
ただただ茶色の地面に 緑の葉が付いた木々。
ただ、それだけ。
彼が言っていたんだ
「この世界は箱庭なんだ」
「何も無い偽りの世界」
「時代の進化によって 腹が減らなくなって」
「食べなくても生きていける」
「僕達が死ぬ事は無い」
「死ぬことの出来ない僕達は」
「この箱庭の中で」
「ずっと誰かに踊らされているんだ」
「僕達はきっと」
「終わることの無いパレードの」
「一員なんだよ」
知りたくも無い事実だった。
でも、彼の言葉を 信頼の出来る本が証明している。
食べて生きる その為には仕事?をする
疲れたら寝る 暖かいお風呂?に入る
どれも分からない単語ばかりだけど きっと昔はどれも重要だったのだろう
でもその単語の物は 全てないんだ
食べ物が無くても生きていける 仕事が無くても生きられる
お風呂に入らなくても清潔 睡眠は……まぁ大事。
昔とは違うんだ。 昔の物がほぼ全て無いんだ。
それはきっとここが箱庭だから。 その事実は変えられない。
私
寝る場所はカプセルの中。
何かをかけなくても暖かい。
昔なら ベット?があったはずなのに。
随分変わったんだな、なんて 全て知っているように考えてみる。
でも確かに 変わったのは事実だ。
私達よりも昔、ずーっと昔は
食べ物なんかそうそうなくて 狩り?とかで食料を確保して
きっと、大変だったはず。 この時代よりもね。
だから私達は 実は楽をしているのかもしれない
……っと、考え事はこの辺にしよう。 きりがない。
また明日 彼に沢山話してみるとするか。
子供達
子供達
私
彼
彼
私
彼
私
私
私
私
彼
私
私
私
私
彼
彼
彼
私
彼
彼
彼
彼
彼
私
彼
彼
私
私
私
彼
彼
彼
私
彼
彼
彼
私
「30××年 11/17」
「私達は今日も」
「新しい何かを求めて」
「生きています。」
コメント
2件
何か凄い話だ!