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今宵、満月の日に会いましょう。

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今宵、満月の日に会いましょう。

3 - 今宵、満月の日に会いましょう。

♥

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2019年12月20日

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「今宵、満月の日に会いましょう。」

Story.3

永瀬 紬

セト…

セト

永瀬 紬

何で私の家、知ってるの?

セト

ごめん、つけてきた。

永瀬 紬

…ストーカーかよ。

セト

…ごめん

セト

紬の事、心配になっちゃって…

永瀬 紬

セト

やっぱり、つけてきて良かった

永瀬 紬

…あのね

セトの方へ行き、家の門前に座った。

するとセトもその隣に座ってくれた。

永瀬 紬

あのね。

セト

…うん。

永瀬 紬

私とお母さんの会話聞いた…よね?

セト

…うん、ごめん。
聞いちゃった。

永瀬 紬

私、お母さんの視界に入ってないの。

永瀬 紬

最初は優しいお母さんだったんだよ?

永瀬 紬

けど

永瀬 紬

妹が生まれてから

永瀬 紬

私の方、見てくれなくなっちゃって。

永瀬 紬

ゴミ扱いされるし

永瀬 紬

…今日は娘じゃ…ないって言われちゃったぁ………

満月を見ながら

涙を落としていった。

永瀬 紬

…でもね、

永瀬 紬

私にはお父さんがいる。

永瀬 紬

お父さんは私を見てくれる。

永瀬 紬

…だから、私はまだ

永瀬 紬

幸せな方なんだ…

永瀬 紬

けど、今日はお父さん帰ってこない日で

永瀬 紬

…もう、家にも入れない……

セト

……そっか。

セト

…辛かったんだね。

セト

ごめん、気づかなくて

私は首を横に降った。

永瀬 紬

(セトは何も悪くない。)

セト

…ちょっと、目、瞑ってて。

永瀬 紬

…え?なんで?

セトは狐の面を被った。

セト

開けちゃ駄目だよ。

永瀬 紬

…う、うん。

私は目を瞑り腕の中にうずくまった。

セト

セト

開けて良いよ。

永瀬 紬

…?

永瀬 紬

(なんで、目瞑らせたんだろう…)

セト

じゃ、俺帰るわ。

セトは前へ進んでいった。

永瀬 紬

…え!?

永瀬 紬

待って、私も連れてって!

セト

…駄目だよ。

セト

こんな夜遅くに

セト

紬は家にお帰り。

永瀬 紬

…ちょっ、私の話聞いてた!?

永瀬 紬

鍵閉まってるんだって!

セト

…開けておいたよ。

永瀬 紬

…え?

私は急いでドアの所に行き、

そっと開けた…

ガチャ…

永瀬 紬

…開いてる。

永瀬 紬

(さっきの目瞑っててはそう言うことだったんだ。)

永瀬 紬

…セト!!

永瀬 紬

ありがとう!!!!!!

私は大声でセトに叫んだ。

するとこちらには振り向かず

手をヒラヒラさせて

闇に消えていった。

永瀬 紬

(…セトって何者なんだろう…)

静かにドアを開け、家に入った。

ガチャッ

あ!
お姉ちゃん!!!

私も

頑張らなきゃな…

永瀬 紬

…ただいま。

…は!!!?

何で入ってこれたの?

永瀬 紬

…。

…鍵はちゃんと閉めたはずなのに…

母は小さい声でボソボソ言っていた。

大丈夫、私。

セトに助けてもらったし

言え!!!!

私。

永瀬 紬

…は?

永瀬 紬

…ドア普通に開いてたけど?

…っ!!

あんた、何その口答え!!!

あなたをそんな風に育てた覚えはないわ。

永瀬 紬

…私はあなたの娘じゃないんでしょ?

永瀬 紬

あたりまえじゃない。

永瀬 紬

それとも、あんたのその口が私に似たのかもね?

…なっ!!

母はそれ以上何も言ってこなかった。

セトのおかげだ。

私に勇気をくれたんだ。

何か言えたいことが言えて

凄く良い気分。

セト

……。

暗い道をただひたすら歩く。

そしていつもの森へ帰る。

森の大きな木の前に座った。

セト

……はぁ。

…ザッ、ザッ。

ザッ、ザッ、ザッ。

草を踏む音がだんだんこちらに近づいてきた。

セト

 

セト

セト

…久しぶりだね、トキ。

トキ

…そうだね

トキ

…セト、あのね。

トキ

あんまり、言いたくはないんだけど

トキ

…もう人間に近づくのは止めな。

トキ

…そうじゃなきゃ、

トキ

…私みたいになるよ。

トキは悲しい顔で笑った。

セト

…分かってるよ。

セト

姉さん。

ーto be continuedー

今宵、満月の日に会いましょう。

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コメント

97

ユーザー

セト凄いわ

ユーザー

優しすぎる。好き。((

ユーザー

セト謎すぎる

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