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君は、君を生きているか?

7 - 第七話:冬心と累の願い

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2025年07月27日

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静かな深夜、ひとりベッドに横たわるないこ。 眠りの中でまた、あの場所へと誘われていく。

白く、何もない空間。 そこに立っていたのは、見慣れた顔―― だけど、ないこ自身ではないふたりの少年だった。

冬心

また来てくれたんだね、ないこ

ないこ

……うん。なんとなく、会いたかった気がする

冬心の隣に立つ、もうひとりの少年が口を開く。

ずいぶん長い間、ここに来なかったな。……いや、来られなかった、か

ないこ

……ごめん。ふたりが“僕の一部”だってわかっても、まだ信じきれてなかったんだ

冬心

仕方ないよ。君は、あまりにも“いい子”でいようとしすぎた

そうやって全部忘れて、全部我慢して、“ないこ”を作ってきた

その声は、責めるようで、優しかった。 むしろ、誰よりも“ないこ”を想っていた。

ないこ

……僕は、ちゃんと生きてるつもりだったよ。誰かを笑わせたくて、誰かの居場所になりたくて

冬心

でもね、ないこ、それだけじゃ、君が壊れてしまう。君はまだ、“君自身”の居場所を知らないままだから

俺は、君が過去に置き去りにした“痛み”。冬心は、君が未来に期待した“希望”。ふたりとも、君の一部なんだ

ないこ

……じゃあ、どうすれば……僕は、僕を見つけられるの?

冬心

向き合って。怖くても、逃げずに。自分を嫌わないで

そして、抱きしめてくれ。こんな俺でも――“いてくれてよかった”って、そう言ってくれたら

ないこは目を閉じた。 静かに、一歩前へと進む。

ないこ

……僕は、君たちを受け入れる。忘れてた過去も、失ってた願いも――全部、僕だったんだね

冬心

ありがとう、ないこ

ようやく、スタートラインだな

白い空間に、光が差し込む。 その光の中で、ないこの心は ひとつずつほどけていった。

【第七話 了】

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