翌日早朝
〜岩永家〜
未門
(よし…沙樹は起きてないな)
未門
(心配性なのは分かるがこれだけはやらなくてはいけない)
未門
(夜桜はいつ動くのか分からない)
未門
(先に下見をしておくことに越したことはないだろう…)
未門
(……それにしても、何故沙樹はあんなに身近の人の死に恐怖しているんだろう?)
未門
(父様が死んだ時沙樹はまだ幼かったはずなんだが…)
未門
……まぁ、いっか
桃香
大丈夫…大丈夫
桃香
単純な術がたくさん仕掛けてあるだけ…
桃香
落ち着けば解除できるものばかり…
桃香
……よし
桃香
始めるか!
未門
…夜桜?
未門
何故…ここに!?
桃香
……え
桃香
岩永…?
未門
やはりお前が居たのはここだったのか
未門
大人しく白刀・白雪を渡せ!!
桃香
待って
桃香
絶対にこっちに来ないで
未門
は…?何を言って…
桃香
……いいから
桃香
来ないでよ?
未門
……そんなの、関係ない…!!
桃香
ちょ!?入ってくるなって言ったよね!?
システム起動 コード名「転送」
桃香
まずい…!!
桃香
展開術・風雪!!!
未門
転送!?
未門
ぅわ!?
そのまま、私達はどこかに飛ばされてしまった
……だから、入ってくるなって言ったのに…
桃香
いったぁ…
桃香
どこだよここ…
桃香
(と言うか…)
桃香
(妖狐の身体、便利すぎるな…)
桃香
…当主様は?
未門
……
桃香
居た…良かった…
桃香
展開術のおかげで傷も治ってる…
桃香
……無理、しないでね
…カサ
桃香
誰!?
…夜桜様
桃香
…妖魔の国の住民?
はい
あの災害を免れたうちの一人でございます
桃香
そっか…
桃香
あの時は…守りきれなくてごめんね…
何をおっしゃいますか
私達を守ってくださったのは貴女様です
自らの命を顧みないその心意気に惚れ込んでいます故…
桃香
…そんなとこに、惚れちゃだめだよ
失礼
して、夜桜様
そこにいる岩永の当主
殺さないのですか?
桃香
は?
私達の国を滅ぼした人の息子ですよ
現に今も貴女様は狙われている
ならばいっそのこと…
桃香
黙りなさい
桃香
それ以上口を開いてみろ
桃香
夜桜と天皇を敵に回すつもりか?
いえ、そんなつもりは…
桃香
こっちにはこっちの事情がある
桃香
君たちの意見もよく分かる
桃香
でもそれ以上の理由があることを知っておいて欲しい
桃香
……それとも
桃香
妖狐で白刀・白雪に選ばれた私と
桃香
戦いたいの?
……失礼しました
御無礼をお許し下さい
桃香
…こっちこそ
桃香
強い言葉を使ってごめんね
では、我らはそろそろ…
貴女様の幸せを、願っております
桃香
……ありがとう
桃香
……
桃香
まだ、その時じゃないから
桃香
ね?当主様
沙樹
兄様?入りますよ
沙樹
……え?
沙樹
居ない…?
突如、震える体
幼い頃から存在する
「大切な人を失いたくない」
という感情
なんでこんなものがあるのか分からない
父様が死んだ時だってまだ幼かった
じゃあ、何をそんなに怯えているんだ?
この脅え方はまるで…
沙樹
……まるで……
「誰かの死を見たことがあるような」






