テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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百鬼夜行の華

第9話 - 無意識に燃える太陽

200

2023年09月10日

#ファンタジー

#一次創作

#巫女様の世界

orange

桃香

さて…と

桃香

(これからどうしようかな…)

桃香

(出来れば早く帰って未門を引き渡したいんだけど…)

桃香

……どこ？ここ

桃香

(飛ばされたのはまだいいけど…)

桃香

(知らない場所なのが欠点だな…)

桃香

……う〜ん

桃香

……何も浮かばない

桃香

……扉猫も無理だよなぁ

桃香

……？

桃香

……もしかしてここ

未門

……ん〜？

桃香

あっ……

未門

……あれ……ここ…？

未門

……なにを……

未門

……あっ！！！

未門

夜桜！！

桃香

はいはい夜桜ですよ

桃香

おはよ

未門

お前一体俺をどこに飛ばした？

桃香

それが分かれば苦労しないよ…

桃香

でも、心当たりはある

未門

……もしかして、お前もここがどこだか分からないのか？

桃香

そりゃあそうでしょ

桃香

私だって飛ばされたくて飛んだ訳じゃ無いからね

未門

……どういうことだ？

未門

お前が俺を目障りだと思って飛ばしたんじゃないのか？

桃香

まさか

桃香

そんなことしないよ

桃香

あそこ…というか

桃香

妖魔の国には対人間の装置が埋め込まれていてね

桃香

踏むとこんな感じにすっ飛ぶ

桃香

そろそろ人間も来なくなったし解除しようと思っていたんだけどね……

未門

……なるほど

未門

状況は分かった

桃香

…なら1つ、提案があるんだけどいい？

未門

言うだけ言ってろ

未門

承認するかは別だ

桃香

それでいいよ

桃香

私達、2人行動しない？

未門

……理由は？

桃香

私、ここから出られるかもしれない方法を今から試す

桃香

どう？一緒に来ない？

未門

……一時的な協力関係が欲しいと？

桃香

うん

未門

……いいだろう

未門

ただし、一時的なのを忘れるな

未門

この雪山から出たらお前はいつも通り俺の敵だ

桃香

上等だよ

桃香

それじゃあ早速なんだけど

桃香

私が帰れる方法として今から試すのは

桃香

私の仲間を呼ぶっていう方法なんだ

未門

どうやって呼ぶんだ？

桃香

そりゃ、妖狐の力でちょいちょいっと

桃香

なんか地面に書くものない？

未門

……無いことは無い

未門

だが、お前に扱えるか分からない

桃香

ん？なにそれ

未門

…｢黒刀･蓬莱｣ならある

桃香

むしろそれ使っていいの？

未門

これしかない

桃香

…極限状態にも程があるだろ

桃香

まぁいいや

桃香

借りてもいい？それ

未門

……別に俺はいい

未門

だが……

未門

だが……

そこで言葉が止まった

これ以上話していいのか少し悩んだ末

少しだけ真実を話すことにした

桃香

だが？

未門

……お前に扱えるか分からない

未門

だから気をつけ……

桃香

お〜〜〜〜！！

桃香

かっけ〜〜〜〜！！！

未門

……？？？

思わず言葉を失った

…あれは｢岩永家｣の特別な者しか使えないはず

何故、妖狐に使える？

未門

……白刀･白雪はどこにいった

桃香

またその質問？

桃香

そろそろ答えが欲しいの？当主様

未門

お前が話さないのが悪いんだろ

桃香

……じゃあ話すけど

地面になにか模様を書きながら話す夜桜

桃香

私、昔人攫いにあってね

桃香

その時は擬態していたから良かったんだけど時間で擬態が解けちゃって

桃香

後は……まぁ……

桃香

妖魔のオークションに出されて

桃香

そこで白刀･白雪も無くしちゃってね

桃香

むしろ私も探してるんだよね

未門

……

未門

オークション…？

桃香

当主様も、よく知ってるでしょ？

桃香

妖魔の中でも九尾は珍しいんだよ

桃香

だから、まぁ高く値段が付けられたよ

桃香

結局、今の弟が買ってくれなきゃ私は何をしていたのか分からない

何故か、怒りが込み上げてくる

自分への不甲斐なさなのか

それとも……

未門

……そうか

未門

ちなみにそのオークション、どこでやってる？

桃香

……なに、急に

桃香

確か城の近くにある大きいステージがある場所だった……かな？

未門

……そう

桃香

反応うっす

桃香

まぁいいか……

桃香

はい、出来た

未門

…なんだ？それ

桃香

他の仲間との連絡手段

桃香

少しの間黙るけど気にしないでね

桃香

あ、あと｢黒刀･蓬莱｣ありがとう

桃香

返すよ

そういい雪の中に刺される蓬莱

それを抜き取り、鞘へ収める

未門

……

桃香

……

夜桜は連絡を取っているのか常時無言だった

だからなのか、いつも聞こえない音まで鮮明に聞こえた

未門

(これは……)

桃香

っはぁ……

桃香

あと数分で来るってよ〜

桃香

あ〜疲れた〜

そういいごろごろしだす夜桜

対する俺は刀を抜いた

桃香

えっ……？

その瞬間、夜桜の元へと歩き出す

だんだん足を早めて

桃香

ちょ……当主様……？

目の前まで来て、刀を振り上げ

後ろの空虚を斬った

桃香

えっ…！？

未門

ずっと、お前のことを見ていた妖魔がいた

未門

気をつけろ、夜桜

そう言い、刀を鞘にしまう

ポカンとしている夜桜

未門

……？

未門

なにをそんなに見て…

クルト

やっほ〜☆

クルト

助けに来た…よ……？

クルト

……

クルト

なにこの状況

桃香

……っ

桃香

早く帰るよ！クルト

クルト

えっ？うん

桃香

当主様も早く

桃香

……さっきはありがとう

未門

別に大したことじゃないだろ

未門

早く帰れるならそれでいい

クルト

……じゃあ行きますよ？

桃香

早く帰ろ、クルト

クルト

……うん

桃香

よっと

未門

……まだ術は仕掛けられてないよな？

クルト

もう大丈夫だよ

沙樹

兄様！！

未門

……沙樹

沙樹

どこに行っていたのですか！！

沙樹

あれほど安静にしろと…！

未門

それは……悪かった

沙樹

……はぁ

沙樹

もういいですよ

沙樹

許してあげます

沙樹

それと…

沙樹

夜桜の家の者、感謝します

沙樹

ですが、敵に変わりはありません

沙樹

……では

桃香

……うん

クルト

……行ったね

桃香

うん……

クルト

……何があったの桃香

桃香

なんでも……

桃香

別に……

桃香

大したことじゃないよ

沙樹

それにしても…

沙樹

夜桜に借りを作ってしまいましたね

未門

……だな

沙樹

……兄様？

未門

沙樹

はい、なんですか？

未門

……城の付近にある大きなステージがある場所はどれだと思う？

沙樹

……なんですか？それ

未門

……いや、なんでもない

沙樹

と言うかそれコンサートホールとかじゃ無いんですか？

未門

コンサートホール…？

未門

……

未門

沙樹、そのホールを定期的に貸切にしている人がいるか調べてくれ

沙樹

……？

沙樹

分かりました…

未門

(……人身売買)

未門

(しかも、妖魔で)

未門

(夜桜の当主が……売られた)

未門

(……)

未門

(なんなんだろう)

未門

(この……)

｢このどうしようも無い怒りは｣

百鬼夜行の華

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妖魔のオークションに売られた……？今世でそんな過去があったなんて…… 未門さんが刀を振り上げた時まじでびびった……！！いくら何でもこの状況で！？って思ったけど、相手が桃香さんじゃなくて良かったのとやっぱり未門さんは未門さんなんだな、って思った💭 心の奥底では無意識かもしれないけど桃香さんを大切に思っていて……一刻も早く記憶が戻るといいな……😌😌