奇跡の歌声

心の中で思い出してみれば 次々と蘇ってくるメロディー。

こんなにも大切な歌をなぜ忘れてしまったのだろう。あの人と私の、最大の思い出なのに。

あれからは、3人で色々観光地を巡って楽しんだ。

今はもうとっくに夜の8時。 あと30分ほどで駅に着く。

『まもなく───』

大耳さんのお母さんに家の近くの通りで降ろしてもらった。今は街灯に照らされながら1人で歩いてる。

歌は思い出せた。

このまま、あの人のことも思い出せたら良いのに…

『ボブ、に合いそうだなって…』

『あれ、やったことないっけ』

『なんかめっちゃ見たことあるような気がするんだけど…』

…妙に、

あいつの言葉が引っかったまま。

※角名家の愛犬、ゴールデンレトリバーのココ(オス)。

とっても人懐っこくてすっごい可愛くて 有難いことに仲良くさせてもらってる

そう言って角名は、リードを持ってない方の手で外巻きにセットされている私の髪に触れてきた。

不意に触れてくるから、少しびっくりした。

ドスッ

突然ココが突進してきて、角名は転けそうになった私を支えてくれた。 さすが現役運動部…余裕で支えてくれる…

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月曜

角名は珍しく、学校に来なかった。

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