テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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お気の毒ですが魔王は勇者になりました

第6話 - 【番外編】魔王は奴だった…

101

2019年11月13日

#ファンタジー

#ハイファンタジー

#コメディ？

#一次創作

#第4回テノコン

捨てられた消しカスの化身

四つの大きな大陸に囲まれた小さな島そこは人間達では訪れることの出来ない島人々はその島を【魔王の島】と名付けた

しかしこの世界の人間はネーミングセンスが無いものである。魔王居そうだから魔王の島って、安直すぎる…… By 天の声

【新】魔王

ふふふっ。僕が魔王だ………。そうだ！僕が魔王になったんだ！！

時は遡り、数時間前……

スライム

僕はスライムの中ではかなり長く生きてる。だから勇者の攻撃パターンは1番よく分かってる！

スライム

む？また、新たな勇者が現れたんだな？今回は僕がコテンパンにしてやる！まだ魔王様は完全復活していないけど

スライム

魔王様亡き今でも僕ら魔物は戦えるって事を見してやりますからね！！

魔王

剣なんて、持ったことないからどうやって構えるのが正しいのか分からない。こんな状態で魔物に会ったら……

スライム

今だ！！

突如草むらから魔物が飛び出してきた！！

スライム

どうだ！！これで勇者はまず驚き、そしてその隙に僕の先制攻撃を……

スライム

！？驚きからの切り替えが早すぎる！！ここは、あの戦術だ！

スライムはつぶらな瞳で魔王（ウルターニャ）を見ている

スライム

これで、戦闘態勢を止めたその瞬間！僕の全力アタック！

スライムの攻撃！ウルターニャに3のダメージ！！

スライム

へっ！どうだ！！勇者も大したこと………ない………な。

スライムの最期の記憶は先程までテンパる勇者が写っていたのだが次に見た時は鬼の顔をして自分を切りに来ている勇者の姿だった……

スライム

……………………

スライム

うーん………。あれ？僕は死んだのかな？確か勇者を驚かしてその後攻撃してから……

スライム

あ！そうだ！最期鬼みたいな顔して僕を倒してきたんだ！！てことは？僕は死んだのかな？

スライムの視界には底知れぬ恐怖を感じる暗くどんよりとしている、永遠に続く闇だけだった

スライム

僕は、死んだんだな。次に産まれるなら僕は何になってるのかな？やっぱり変わらずスライムだったりして……

そんな生まれ変わるのを待っているスライムに、奇跡が起きたのだ！

スライム

………？なんか、いつもと体の感じが違う？ぷよぷよではない？

モブ

……ま………

スライム

え？なんて言ったんだ？

モブ

………王様……………

スライム

王様？僕が？ありえない、まさか僕が…………

モブ

魔王様！！起きてください！！！

スライム

やっぱり僕が魔王になってる！？なんで？スライムだった僕がなんで魔王に？

モブ

どうされましたか？魔王様？

スライム

い、いや。なんでもない。それで？貴様は我に何の用だ？

モブ

はっ！実は新たな勇者が現れました！どうやら今までの勇者とは何処か違うらしいです！

スライム

そうか。では誰かに監視を任せたいのだが……監視に優れている者を呼んでくるのだ！

モブ

分かりました！ただちにお呼びします。では、私はこれで失礼します

スライム

うむ………。

スライム

うぉーーー！！？ほんとに僕が魔王になったんだ！！嘘じゃないよね？夢なんかじゃないよね？

スライム

キタコレ！！なら、やる事は決まっている。魔王たるもの人間を恐怖の底に落としてやらないとな…

スライム

ふふふ。では、何から始めようかな……そうだなぁ。あの大陸の環境を悪くしてやろう。

スライム

あんな緑ばっかりの土地は無くしてしまえ！そうとなるなら、森林伐採をさせればいいんだな……

スライム

始まるぞ。僕の勇者達に対する復讐がいま！ここから始まるんだ！！

モブ

失礼します。先程の命令通り監視に向いている者を呼んできました！

スライム

ふむ。では、貴様は持ち場に戻るといい。我はその者と少し話でもするからな

モブ

はっ！有り難きお言葉です！それでは……

スライム

（おおーー！！なんかすごい魔王ぽかったな！！やっぱり僕が魔王なんだな）

シャドー

わたしが……………監視に向いてる………………者です………。

スライム

ほう。して貴様、貴様は何が出来るから監視に向いておるのだね？

シャドー

見たとおり………………影の薄さです……………

スライム

なるほど。では、貴様に命令を下す！勇者の監視もその報告を動きがある事に報告してもらう

シャドー

分かりました………………久しぶりの………………お仕事……………頑張ります…………

そう言葉を残して、影の中にと消えていった

スライム

さて。我はやることがある。それをやらないとな

そして、今に至るのだ

【新】魔王

ふふふ。あの大陸で僕は倒されたんだ。つまりあそこは勇者が生まれる大陸なんだよ！

【新】魔王

そこを絶望で塗ってしまえば、勇者はここに来る前に息絶えるだろうな。そして、その為には

【新】魔王

あの、緑を根こそぎ刈り取ってしまえばこちら側に勝利が近づくわけだ。だが、ふつーに壊してもつまらん

【新】魔王

そこで僕は考えたんだよ！あの大陸を救うような事をして人間に希望を与えてそこから一気に貶める

【新】魔王

つまり、希望が大きいほどそれを崩された人間はダメージがでかいはずだ！その現象を作るには……

【新】魔王

そうだな……あそこたぶん他の大陸と違って繁栄してないから繁栄させようとしてエサをまこう

【新】魔王

強欲な人間の事だ直ぐに食いつき逃がさまいとずっとしがみつくだろうな。まずは手始めに……

骸の王

して？何故私を及びになられたのですか？

【新】魔王

あるものから、貴様が派遣部隊の中でかなり優秀と聞いてな。そんな貴様に頼みがある

骸の王

まぁ、魔王様の命令は絶対です。私に断るという選択肢はありませんから。その頼みとは？

【新】魔王

西の大陸を支配し、より豊かな暮らしを人間達にさせてやるのだ。

骸の王

！？
何故そのようなことをするのですか！！人間には、絶望を与えるのが魔王様では無いのですか！

【新】魔王

ふふふっ……。まぁ、詳しい話は貴様があの大陸を支配できたら教えてやる。

骸の王

……。分かりました。では、その西の大陸を支配して人間たちを幸福にして参ります。

【新】魔王

あぁ。これは君にしか出来ない事だと思っている。くれぐれも失敗だけはするんじゃないぞ？

骸の王

承知しました。では、行ってまいります

【新】魔王

……。さて。これでまず最初にやる事は決まったな。次にやることを決めたいのだが……

モブ

失礼します。何かお困りですか魔王様？

【新】魔王

うむ。やる事を考えたは良いのだが、それに適した人材が居るかが分からぬ。

モブ

そうですね。魔王様は1度我々の事を知ることから始めましょうか。

【新】魔王

すまない。我とて貴様らにこのような無様な姿は見せたくはなかったがな……

モブ

いえいえ。では、手始めに私から紹介とさせてもらいます。私は【人魔】と言う魔物です

【新】魔王

人魔？それは、どのような事が出来るのだ？

モブ

まず人魔は、言わば魔王様のお世話係のような者たちのことです。魔王様の命令を他のものに伝えたり

モブ

もし魔王様が亡くなられた時は、代わりを務めたりと大変重要な役割をしています

【新】魔王

なるほど。その人魔とはどのくらいいるのだ？

モブ

私を除けば、5万はいると思いますが…

【新】魔王

5万か。他の部隊の者たちの人数はこの5万よりも多いのか？

モブ

はい。人魔とはもともと人間であり、その人間の体に魔物の魂が宿った事で生まれる者です

モブ

人魔は人間の知恵も受け継いでいるので戦略を練ることも可能ですし、稀に圧倒的な力を持つ者も現れたりします

モブ

しかし、元が人間な為に人数は他と比べてかなり少ないのです。オークでさえ30万はいますからね。

モブ

戦闘に関しては、恐らく上の中ぐらいと自負しております。

【新】魔王

（え？そんな強い奴がいるにも関わらず歴代の魔王はやられたの？だとすると、勇者めっちゃ強いことにならない？）

【新】魔王

（それって、僕簡単にやられたりしないのかな？だって元はただのスライムだったし……）

モブ

魔王様？どうなさいましたか？

【新】魔王

ん？あぁ、いやな。何故君達のような優れた部下がいるにも関わらず歴代の魔王はやられたのかと

モブ

簡単の事ですよ。元が人間なんですから弱点を知ってるんです。人体の急所を狙えば我々でもやられてしまうのです

【新】魔王

（そっか。見た目は人間だが、中身は魔物。でも【見た目】は人間なので、同じ人間は急所を知っている。）

【新】魔王

（そこを抑えている勇者はいくら人魔が強かろうとも人魔では勝てないと言うことか）

【新】魔王

なるほど。理解した。他にも我の部下のことを知っておきたい。いろいろと教えてもらおう

モブ

かしこまりました。

【新】魔王

（今更だけどこいつこんだけ優秀なのに【モブ】て名前可哀想だな。そこそこ出番あるのにな）

モブ

…………と。まぁ、こんな感じでよろしいですか？

【新】魔王

うむ。全てを覚えた訳では無いが、ある程度は理解した。では、これを元に新たな作戦を考える

モブ

分かりました。もしまた聞きたくなりましたら、こちらの【部下参考書】の方をご覧下さい。では……

【新】魔王

う、うむ。助かる……

モブは一礼して、闇にと溶けて消えていった。

【新】魔王

最初からこれあるなら出して欲しかったなぁ……。そしたらわざわざ僕が頑張って覚える必要なかったじゃん

【新】魔王

でもまぁ、うん。読むよりも聞いた方が覚えやすいのかな？じゃあ、さっきのを元に新たな作戦を立てるか

【新】魔王

恐らくあの勇者の次なる向かい先は【ヒロイ大草原】とみた。なら、ここにアイツらを配置するか

【新】魔王

仮にそこを突破されても、大丈夫なように次の目的地【グリーン村】を支配しておけば、そこで勇者の旅は終わらせることが出来る

【新】魔王

くくくっ。今から始まるのだよ僕の復讐がいま！ここから始まるんだ！！勇者なんか……

【新】魔王

確実に息の根を止める！そして、初めて魔王の勝利を収めてみせるさ。

【新】魔王

ふふふっ……はーはっはっはっはっは！！！

スライムの勇者に対する復讐が始まろうとしていた。しかし、現在進行でスライムはただ単に人間に希望の種を撒いてるだけだったのだ。それに気づくのはいつなのだろうか………

ここは四つの大陸に囲まれた小さな島。人々はその島を【魔王の島】と言う。

お気の毒ですが魔王は勇者になりました

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