借金を押し付けられまして。【NIZISANNZI】

伏見　Sid.

刀也さんの叫びを聞いて

小神の俺でさえ

そう思ってしまった

きっと此処にいる玲、秦以外の全員が思っているだろう。

みんな思っていても

歯を食いしばって

唇を噛んで

忍気呑性してる

空桜に悲歌慷慨すら させてあげない

そんな理不尽な 仕打ちをする奴が

神として崇められて いい訳がない

上の人らは 何してるんだろう

はやく神交代を 行なってくれ

俺はそう思いながら

刀也さんに 話しかけようとした

けど、言葉を発するのを 途中でやめた

きっと今言ったら

刀也が 疲れちゃうだろうから。

記憶は失ったわけではない

ただ、薬のせいで 自我が無くなっちゃっただけ

そう信じて

俺はまた空桜に向き直った

空桜　sid.

暗い世界の中

本体の眼から 見ている光景が

頭に流れ込んできて

みんなに襲いかかっている 自分がいる

必死に起きようと 抗っても

何故か此処から 出られなくて

寝転んで

痺れる身体と 息がきれている肺を

なんとか休ませながら

必死に

生命を繋ぐ。

でも、みんなを傷つける 自分がやっぱり居て

自分で自分を 殺したいぐらい

罪悪感で

呼吸が乱れる

この状況がどういう事なのかは 私にも分からない

けど私自身の意識は眠っている、 又は封印されていて

私じゃない私が 体を操っている、？

としか説明が出来ない

薬の副作用は 本体には出ていないが

意識の中の私には 出ている

どういう事か 理解ができない

ふと脳裏に響くガクくんの 声に縋るように

痺れて上手く回らない 呂律を動かして

と言う。

私の言葉が言霊が

彼方に届く

そんな奇跡は

起こりませんか？

まただ

でも今度は知らない人の声

その人の問いに

私は応えられなかった

いや

応えたくなかったんだ

私は何方も 望んでいないのだから

死にたいし

生きたい。

高音だけど優しい声は

こだましてしばらくすると 止んだ

そして眩しくなって

私は自我を取り戻した

けど身体はやっぱり 上手く動かない

勝手に攻撃をしてしまう

しゃべれないし…

どうすれば、、？

けど答えは

すぐ目の前にあった

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