革命軍
それでは、双方の指名が完了したようだ。

もし、これであちらがイガラシを指名していたら、イガラシはイシカワ達のほう――体育館チームに引き抜かれることになる。
逆にこちらが指名したヤナギを、あちら側が生贄として差し出していたら、ヤナギがこちらのチームに来ることになる。
イガラシ
このゲームは互いにイーブンのまま動きがないのが正解のはず。

イガラシ
だから、大丈夫だ。

革命軍
まず、教員室チームが生贄として指名したのは――イガラシ。

キョウトウ
こっちの生贄はブレーンとなるイガラシ先生だ。

キョウトウ
まさか、あちらもイガラシ先生が差し出されるとは思うまい。

革命軍
一方、体育館チームが生贄として差し出したのは……イシカワ。

イガラシ
よし、ここは双方とも一致なし。

イガラシ達が指名したのはヤナギであり、しかし体育館チームが生贄としたのはイシカワ。
オオタ
あっちがイガラシ先生を指名していなければ、このゲームはイーブンですね。

キョウトウ
あぁ、大丈夫だとは思うが、いまさらになって心配になってきたな。

キョウトウ
万が一、ここでイガラシ先生に抜けられたらまずいぞ。

イガラシ
その点に関しては問題ありません。

イガラシ
現状、このゲームがイーブンで終わることがベストである以上、互いのチームが情報共有できたほうがいい。

イガラシ
あっちのほうに言ったら、次に自分を生贄として指名してもらえばいい。

キョウトウ
なるほど、それでこっちが指名すればいいわけか。

イガラシ
むしろ、情報共有をするという意味では、一度どちらかのチームに引き抜かれたほうがいいとさえ思います。

革命軍
続いて両者の指名だ。

革命軍
教員室チームが指名したのは――ヤナギ。

革命軍
体育館チームが指名したのは――キョウトウ。

革命軍
双方ともに指名と生贄が不一致。

革命軍
動きはなく、次のゲームへと移ろうと思う。

イガラシ
よし、読んだ通りだ。

イガラシ
あちらも下手に人を動かさないことこそが解法だと分かっているだろうから、これを続ければ――。

革命軍
あぁ、ちなみに警告しておく。

革命軍
お互いに人数が均衡したまま無難に終わらせようとした場合――すなわち、イーブンのままゲームが終わった場合。

革命軍
その場合は残念だが、両チームとも死んでもらおう。

オオタ
え?

キョウトウ
そんな――。

革命軍
どうやら、少しばかり舐められているようだし、我々もやる時はやるのだと思ってもらわねばな。

革命軍
いいか?

革命軍
このままイーブンで終わるような真似はするんじゃないぞ。

革命軍
それでは面白くないからな。

キョウトウ
ど、どうする――イガラシ先生。

イガラシ
下手にイーブンで終わった場合は全滅ってことですよね。

イガラシ
(どうしたらいい?)

イガラシ
(このままやり過ごせると思ったのに)

革命軍
本気でやり合う必要があるんだよ。
