ゆきのお葬式の日
よく晴れた、あの事故から10年目の春だった
ゆきの親戚
このたびは、どうもご愁傷様です
ゆきの母
遠いところから、おいで下さりありがとうございます
ゆきの母
ゆきの母
りさちゃん
ゆきの母
りくさん
ゆきの母
今日は、来てくれてありがとう
ゆきの母
ゆきを最後まで見守ってくれてありがとう
ゆきの母
あの子は今もきっと笑ってると思いますよ
りく
そうですね、
りく
ゆきは、こういう時だからこそ、いつもより笑ってると信じています
りさ
そうだね
お葬式終了後
りさ
ねぇ
りく
なに?
りさ
今、あの時の事、後悔してる?
りく
後悔か、
りく
してないよ
りく
だって俺が、ゆきからもらったものは、今でも変わること無く心に残ってるよ
りく
ゆきは、心から人のことを思える
りく
素敵な女性
りく
そんな人に、恋をした事を嬉しく思うよ
りく
それが、ゆきじゃなければこんな気持ちにはならなかったと思うから
りく
俺は、これから先もゆきの事を一生忘れないよ
りさ
ゆきも、りくに負けないくらい、りくの事を思ってたと思うよ
りく
本当?
りく
それは俺の方が自信あるけどな〜
りさ
だって、あの事故の日
りさ
ゆきは、りくにプロポーズしようとしてたんだ
りさ
何日も前から、企画して
りさ
すっごい、ワクワクしてた
りく
俺と同じ事考えてたんだな
りく
やっぱり、どんな状況であっても
りく
俺は、ゆきが好きだな
その時、りくは誰かの前で初めて涙を流した
君のいない、10年目の春完結