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アナタのカラダが好みです！！

第3話 - アナタのカラダが好みです！！第3話

5,637

2019年10月23日

#ドラマ

#BL

#イケメン

#出会い

#切ない

新月竜

小日向瑞樹

…忘れ物はなし…よし、行くか！

クロッキー会から一週間が過ぎた約束の日の当日。準備を済ませた俺は、いそいそと家を出た。

足取りが軽い。ついこの間まで沈んでいた心も今では嘘のように晴れ晴れとしている。

小日向瑞樹

（それというのも、今日という日を心置きなく楽しむため…）

小日向瑞樹

（自分でも驚くほどの速度で仕事を片付けたことを褒め称えたい…！）

小日向瑞樹

（いやぁー…人間、本気を出せばやれるもんなんだな…）

小日向瑞樹

（あのクロッキー会で九折さんに出会っていなければ、今頃どうなっていたことやら…）

小日向瑞樹

（まぁ…、今でも家で頭を抱えているだろうな…）

小日向瑞樹

えっ、九折さんもう来てるの！？

小日向瑞樹

俺、待ち合わせの10分前に着くように出たのに…

小日向瑞樹

はぁ〜…、これがデキる男というやつか…

小日向瑞樹

なんて言ってる場合じゃねぇ！
急ごう…！

小日向瑞樹

はぁ…っ、はぁ…っ！

小日向瑞樹

い、居た…！
こんばんは…！

九折千歳

おお、こんばんは。
一週間ぶりやね

九折千歳

そないに慌てて走って来やんでも、時間には充分間に合うてるで？

小日向瑞樹

だって九折さん、俺より早く来てるんですもん…

小日向瑞樹

待たせるわけにはいかないじゃないですか

九折千歳

あらま、ボクのせいか

九折千歳

ははっ、すまんすまん。
ボクも存外、キミと出かけるんが楽しみやったんかもしれへんね

小日向瑞樹

…っ、じ、じゃあ、行きましょうか…

小日向瑞樹

（この人はまたそういう人たらし的な台詞をサラっと言うーーー！！）

九折千歳

クロワッサンくん顔真っ赤ー

小日向瑞樹

クレセントです！！

九折千歳

さ、着いたで

駅から10分ほど歩いて到着したそこは繁華街にあるにしては小綺麗な印象のビル

入ってみると、エントランスは俺が抱いていたイメージと真逆で驚くほどシンプルなデザインだった。

小日向瑞樹

（エレベーターがふたつある以外は何も無い…
床も天井も、壁まで真っ白な空間…）

小日向瑞樹

（べ、別世界に来たみたいだ…）

入り口の自動ドアが閉まると外の喧騒と隔絶されたような静けさに思わず身震いがする。

九折千歳

ここの地下にバーがあるんよ

小日向瑞樹

なんか…、思ってたよりシンプルなんですね…。
床は大理石だけど…

九折千歳

ふふ、秘密の入り口みたいやろ？

エレベーターに乗り込むと九折さんはボタンのすぐ横にあるカードキーセンサーのような装置に、黒いカードをかざして地下へのボタンを押す。

小日向瑞樹

九折さん、それは？

九折千歳

ん？これか？

九折千歳

ここのバーは会員制でな。
メンバーズカードがないと地下に行けへんのよ

小日向瑞樹

…それ、俺が一人で行ってたら入れないやつじゃないですか

九折千歳

あは、バレた？

九折千歳

まぁ、キミが一人で行くって言うたとしても、
後日新規で作ったメンバーズカードを渡すつもりではおったよ

九折千歳

渡さんかったのは…、キミについていくための口実…みたいなもんやと思って？

そう言って九折さんは悪戯っぽく笑う。

大人な見た目とは裏腹な子供っぽさ。そのギャップに、男の俺ですら思わず胸がときめいてしまう。

小日向瑞樹

（だからそういうのーーー！！そういうのだって！！
なんなの！！素なの！？）

小日向瑞樹

（そりゃ男でも恋人になって欲しいって人も出るわ…）

小日向瑞樹

（いや俺は違いますけどォー！？）

小日向瑞樹

うおっ…！！

地下に着いて、ドアが開いた瞬間に先程の静けさとはうって変わってフロア全体に響く爆音が、俺達を出迎えた

腹の底に振動が伝わるような重低音と呼応する様に、電子音がリズムを持って踊っているようだった。

ピンクや青、様々な色のライトが天井に吊るされたミラーボールにキラキラと反射していて眩しい。

小日向瑞樹

（す、すっげぇ…想像以上だ…）

小日向瑞樹

（うわ、わ、ステージがいろんな色に変わって光ってる…！）

小日向瑞樹

（二階、VIP席まであんの…！？
あそこのソファー高そう〜…）

小日向瑞樹

（うわ…凄いセレブっぽいドレス着た人がいる…）

小日向瑞樹

（俺、凄いカジュアルな服で来ちゃった…）

小日向瑞樹

（そういえば九折さんはスーツだ…。
あれ…？俺凄い場違いじゃない？）

九折千歳

なーに百面相しとんの

小日向瑞樹

つ、九折さん…！
ここってドレスコードとかないですよね…？

九折千歳

は？ドレスコード？

小日向瑞樹

だ、だってあの人とか、あそこの人とか…、綺麗なドレスやスーツを着ているじゃないですか…っ！

小日向瑞樹

ど、どうしよう…。
凄いラフな格好で来ちゃった…！

小日向瑞樹

俺浮いてませんか？大丈夫ですか？

九折千歳

ぶっ…っ！

九折千歳

くくくく…っ、キ、キミ、ほんまおもろいな…っ

九折千歳

そんな事心配しとったん？
くくくく…っ

小日向瑞樹

笑い事じゃないです！！
本気で場違いなんじゃないかって…！

九折千歳

ふふ、大丈夫やって。
ここはドレスコードなんかあらへんよ

小日向瑞樹

よ、よかったぁ…

九折千歳

名前のスペルミスといい、街中の大絶叫といい…

九折千歳

ほんま飽きひんねぇ、キミは

小日向瑞樹

できればそのあたりの記憶は、今すぐにでも消していただけるとありがたいです…

九折千歳

はい、コーラでええんやっけ？

小日向瑞樹

あ、はい！ありがとうございます！

小日向瑞樹

すみません…、わざわざドリンクチケットを交換しに行っていただいて…

九折千歳

ええよええよ

九折千歳

二人で行くより、キミにステージが見やすいバーテーブル取っといてもろた方が良いし

暫くして、さっきまで閑散としていたステージ前のフロアが人で埋め尽くされていく。

九折千歳

…そろそろやな

九折さんがそう呟くのとほぼ同時にフロア全体の照明が落とされステージにだけ、ピンク色のライトが当てられる。

ソフトロックな曲と共に舞台袖から、キャストと呼ばれる艶やかな踊り子さんがステージに現れた。

小日向瑞樹

（わぁ…凄く美人なお姉さんが出てきた…！
ほっそ！二次元みたいな顔してる…！）

小日向瑞樹

（うぉぉ、衣装も凄いな…え、エロい…）

小日向瑞樹

（体柔らか…！
人間の脚ってあんなに上がるの…！？）

九折千歳

はは、驚くんはまだ早いで。
こっからが本番や

小日向瑞樹

へ？

小日向瑞樹

！！

小日向瑞樹

すっっ…げえ！

小日向瑞樹

（あんな細い腕だけで、水平に身体を持ち上げるなんて…！）

小日向瑞樹

（すごい…、平然とした顔でBGMにあわせて次々とアクロバティックなポーズしてる…）

小日向瑞樹

（あの人の周りだけ重力がないみたいだ…）

小日向瑞樹

（かっ、かっこいい〜！）

見たことのない世界に胸が躍る。全てが新鮮で衝撃的で

ショーが終わるまでの間俺はずっと興奮しっ放しだった。

小日向瑞樹

はぁ…凄かった…

九折千歳

ボクも久々に見たけど、やっぱり圧巻やったなぁ

小日向瑞樹

ですよね！
俺、こんなショー見るの初めてで、凄く興奮しました！

小日向瑞樹

連れてきてくださり、ありがとうございます！

九折千歳

ふふ、喜んでもらえたようで何よりやわ

九折千歳

さて、グラスも空やし
何かまた入れてきたるわ

九折千歳

同じもんでええか？

小日向瑞樹

あっはい、すみませんまた…

九折千歳

ええよ、ここで待っとって

小日向瑞樹

はい…

小日向瑞樹

（うう…また気を遣わせてしまった…）

小日向瑞樹

（九折さん、何もかもがスマート過ぎて敵う気がしねぇ…）

小日向瑞樹

（いいなぁ…俺もあんな風になれたら
めちゃくちゃ女の子にモテるんだろうなぁ）

見知らぬ外国人

…Hey

小日向瑞樹

…え？

アナタのカラダが好みです！！

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九折さんもかっこいいけど瑞稀くんも十分かっこいいじゃないか、、。かっこいいというよりかわいいか！！！

九折さんの瑞樹くんに手を出すんじゃないぞお((違う

Heyは‪w‪w‪w‪w‪w‪w‪w‪w

新月竜

プロフィール

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